法務その他
March 17, 2019
That's NOT what I want
備忘のためのメモ。例によって,既につぶやいたこととも重なるが。
タイトルはこちらの曲の一節が脳裏をよぎったので,もじってみた。
某芸能人の某薬物事件(以下の内容に関係ないので,伏せる)に関連して,出演等した作品の回収・配信停止などが問題となっている。 性犯罪のように,犯行を犯した人間の声や姿に触れることで,被害者にフラッシュバックが生じる懸念があるような事案は別の考慮が必要かもしれないとしても,薬物事案のようなものについて,被疑者となった人間の過去の作品について,発売を自粛したり,回収したりする必要があるとは思えない。被疑者が罪を犯したのであれば,その点について,個別に刑罰に服せば足りる話であり,作品と作者は別のものである以上,作品に罪はないはず。そして,一つの作品が世に出るまでには,多くの人の手がかかっていることからすれば,特定の誰かの行いのせいで,作品自体がどうにかなるのは,罪のない他の関係者との関係では,その方々の努力の成果を一方的に奪うことにもなりかねず,妥当とは言えないと思う。
…というようなことが言いたいのではなく,回収等の騒ぎの中で,配信物の音楽が聞けない等の事態が生じているようで,そちらが気になるところ。僕自身は円盤で購入できるものは購入するようにしていて,配信物はあまり購入しないのだが(配信のみの場合などにやむなく購入等の対応をすることはあるが…その種の事態に僕自身は今の所は遭遇してはいない),配信側の都合で購入したはずのものが鑑賞できなくなるのは,作品の受け手の一人としては,困る。そもそも購入などしていない所謂サブスクリプション型のものについても,同様に聴けると理解していたものが聴けなくなる,という事態が生じるのであれば,それも同様に困る。
こういう事態が生じるのは,今回のような事態に際して,何もしないでいると,そのことに抗議する人たちが居て,それへの対応との兼ね合いなのだろう。そういう立場の人に理を尽くして説明するしか無いのだろうが,理を尽くして説明して納得するかどうかは別の話。事態が炎上し続けることも想定は可能だろう。そういうときに,僕も,自分が配信側の法務担当者であれば,選択肢の一つとしてこういう対応は思いつくだろうし,対応策の案を考える中には含めるだろう。そういう立場であれば。
とはいえ,受けての側からすれば鑑賞したいものを好きな時に自由に観賞するために,費用を支払っている以上,その自由について,如何なる理由であれ,他人から干渉されたくないし,そういう危険込みのものは,どういうものであれ,僕は欲しくない。僕が欲しいのはそういうものではない。 (ついでにいえば,どなたかが指摘されていたが,配信側が勝手に変更できるならば,鑑賞できないようにすることで,人々の鑑賞可能な範囲をコントロールすることもできることになりかねないわけで,これまた危険な気がする)
サブスクリプションとかが全世界的に流行っているのは知っているが,それでもほしくないものはほしくない,と言い続けることも重要だと信じているので,自分の備忘のためにメモしておく次第。個人的には可能な限り配信系は避けていくつもり。
某芸能人の某薬物事件(以下の内容に関係ないので,伏せる)に関連して,出演等した作品の回収・配信停止などが問題となっている。 性犯罪のように,犯行を犯した人間の声や姿に触れることで,被害者にフラッシュバックが生じる懸念があるような事案は別の考慮が必要かもしれないとしても,薬物事案のようなものについて,被疑者となった人間の過去の作品について,発売を自粛したり,回収したりする必要があるとは思えない。被疑者が罪を犯したのであれば,その点について,個別に刑罰に服せば足りる話であり,作品と作者は別のものである以上,作品に罪はないはず。そして,一つの作品が世に出るまでには,多くの人の手がかかっていることからすれば,特定の誰かの行いのせいで,作品自体がどうにかなるのは,罪のない他の関係者との関係では,その方々の努力の成果を一方的に奪うことにもなりかねず,妥当とは言えないと思う。
…というようなことが言いたいのではなく,回収等の騒ぎの中で,配信物の音楽が聞けない等の事態が生じているようで,そちらが気になるところ。僕自身は円盤で購入できるものは購入するようにしていて,配信物はあまり購入しないのだが(配信のみの場合などにやむなく購入等の対応をすることはあるが…その種の事態に僕自身は今の所は遭遇してはいない),配信側の都合で購入したはずのものが鑑賞できなくなるのは,作品の受け手の一人としては,困る。そもそも購入などしていない所謂サブスクリプション型のものについても,同様に聴けると理解していたものが聴けなくなる,という事態が生じるのであれば,それも同様に困る。
こういう事態が生じるのは,今回のような事態に際して,何もしないでいると,そのことに抗議する人たちが居て,それへの対応との兼ね合いなのだろう。そういう立場の人に理を尽くして説明するしか無いのだろうが,理を尽くして説明して納得するかどうかは別の話。事態が炎上し続けることも想定は可能だろう。そういうときに,僕も,自分が配信側の法務担当者であれば,選択肢の一つとしてこういう対応は思いつくだろうし,対応策の案を考える中には含めるだろう。そういう立場であれば。
とはいえ,受けての側からすれば鑑賞したいものを好きな時に自由に観賞するために,費用を支払っている以上,その自由について,如何なる理由であれ,他人から干渉されたくないし,そういう危険込みのものは,どういうものであれ,僕は欲しくない。僕が欲しいのはそういうものではない。 (ついでにいえば,どなたかが指摘されていたが,配信側が勝手に変更できるならば,鑑賞できないようにすることで,人々の鑑賞可能な範囲をコントロールすることもできることになりかねないわけで,これまた危険な気がする)
サブスクリプションとかが全世界的に流行っているのは知っているが,それでもほしくないものはほしくない,と言い続けることも重要だと信じているので,自分の備忘のためにメモしておく次第。個人的には可能な限り配信系は避けていくつもり。
dtk1970 at 20:26|Permalink│Comments(0)
November 01, 2018
年末恒例カレンダー企画のお知らせ(2018)
今年もあと60日余りとなったところで、BLJのブックガイドと並ぶ?恒例企画の話が出てきたので、ご紹介。性懲りもなく(汗),下の世代の@kanegoontaさんを突いてみたところ、企画を立ち上げてくれた次第。ありがとうございます。
(こういうことをしている場合か>自分…というのはさておき)。
法務系 Advent Calendar 2018
つぶやきはこちらにまとめられる模様。
ちなみに、
2017年のカレンダーはこちらで,つぶやきのまとめはこちら。
2016年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2015年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2014年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2013年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
ご覧いただければ分かる通り、見ているだけよりも参加する方が面白いので、こちらをご覧の諸兄におかれては、ご都合の許す範囲でご参加いただきたく。特に若手の皆様におかれましては、こういう機会に情報発信の第一歩を踏み出されては如何でしょうか?
そういえば,今回は打ち上げというか新年会はあるんでしょうか(謎)?
*エントリの内容が,昨年のこの種のエントリのコピペを主成分としているのは,ご容赦ください(汗)。
(こういうことをしている場合か>自分…というのはさておき)。
法務系 Advent Calendar 2018
つぶやきはこちらにまとめられる模様。
ちなみに、
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2015年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2014年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2013年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
ご覧いただければ分かる通り、見ているだけよりも参加する方が面白いので、こちらをご覧の諸兄におかれては、ご都合の許す範囲でご参加いただきたく。特に若手の皆様におかれましては、こういう機会に情報発信の第一歩を踏み出されては如何でしょうか?
そういえば,今回は打ち上げというか新年会はあるんでしょうか(謎)?
*エントリの内容が,昨年のこの種のエントリのコピペを主成分としているのは,ご容赦ください(汗)。
dtk1970 at 22:26|Permalink│Comments(0)
July 12, 2018
某件についての疑問
自分の備忘のためのメモ。既につぶやいたことを基にしている。ツイッターのログとかは後で読みづらいので,後でたどるような内容は,blogのエントリにしておくほうが良いのではないかと感じるので。
司法のIT化についての諸先生方の呟きを見ていて,その議論の中で,本人訴訟とかどういう扱いなんだろうと疑問に思った。民事裁判の修習とかで,近所のコンビニからテキストファイルの準備書面をfax送信してきた方がいたけど,ああいう方々へのケアとかどうするんだろう,と。
結局そういう方々へのケアは,裁判官ではなく,書記官マターになるんだろうと思うのだけど,書記官に対する負荷の増大に対する手当はどうなっているのだろう。それと,ユニバーサルサービスと言うか,遠隔地まで同じレベルのサービスを維持できるのだろうか。こういうとIT化で対応というが,リテラシーの低い人に対して,対人対応なしに対応しきれるのか,疑問が残る。
それから,今後経済の衰退を想定する必要はあると思うけど,その中でも持続可能という辺りも疑問。電子政府等と標榜しているのはいいとしても,重いシステムにした結果,後々維持にかかるコストが重くなるのは避けるべきではないか。一足飛びに大風呂敷を広げるのは危険ではないかと懸念するところ。
以上のような感じでつぶやいたことに対して,こちらのp16についてのご指摘を頂いた。ある程度は問題は認知されているものの,裁判所外というところに天下り先確保の匂いとか,非弁の問題の気配とかを感じなくもない。どうなることやら。
それから,今後経済の衰退を想定する必要はあると思うけど,その中でも持続可能という辺りも疑問。電子政府等と標榜しているのはいいとしても,重いシステムにした結果,後々維持にかかるコストが重くなるのは避けるべきではないか。一足飛びに大風呂敷を広げるのは危険ではないかと懸念するところ。
以上のような感じでつぶやいたことに対して,こちらのp16についてのご指摘を頂いた。ある程度は問題は認知されているものの,裁判所外というところに天下り先確保の匂いとか,非弁の問題の気配とかを感じなくもない。どうなることやら。
dtk1970 at 23:56|Permalink│Comments(0)
April 29, 2018
某報告書について
某報告書を読んだ。昼休みにスマホで読んだが,スマホでそういうものを読むのに慣れていないので,読むだけで疲れた。
当初懸念していたほどにはアレではなかったが,?がいくつかあったのでメモ(下書きを書いてからupするまでに多少時間が経ってしまったが…)。
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dtk1970 at 14:12|Permalink│Comments(0)
February 11, 2018
裁判の原点:社会を動かす法学入門 /大屋雄裕
先日仕入れた諸々の書籍の中からこの一冊を読んだので感想などをメモ 。
ネット上でのご発言を折に触れて拝見している大屋先生の本ということで,本屋で衝動買いしたもの。法哲学の目からみて,裁判というのは,何ができて何ができないと予定されている制度なのか,そして,その予定されている部分と現実との間での齟齬はどのように理解すべきか,というあたりを素描というか概観したという感じがした本。 もっとも,冷静な視点で分析をしているのみで,現下問題と理解されている現象に対しての処方箋めいたものは明示的には示されていない感じなので,そういうものを期待して読むべき本ではないのだろう。別にだから何だという話ではあるけれど。
某所で,地に足の着いた感じがするという趣旨のコメントをされていたのを見た記憶があるが,確かにそんな感じがする。無駄に衒学的でもないし,世上よく目にするような裁判例・時事ネタ等を使って,実定法の知識も交えて論じてくれているので,空中戦をしている感じがしないのは,よいと思った。 一般向けの色合いの強い本(それはそれで大事…でもなんで大屋先生がこの手の本を書いたのかは謎)だし,紙幅の制限もあるので,個別の論証については,疑問の残るところもあった。一例としては,日本での司法消極主義の傾向の指摘に対して,積極主義的な事例をいくつか上げられているけれども,個別の事例をいくつ挙げたところで,全体的な傾向についての議論とは十分噛み合わないのではないかと感じた次第。
ともあれ,日本の裁判という制度についての理解を深める意味では,読んでおいて損はないという気がした。
ネット上でのご発言を折に触れて拝見している大屋先生の本ということで,本屋で衝動買いしたもの。法哲学の目からみて,裁判というのは,何ができて何ができないと予定されている制度なのか,そして,その予定されている部分と現実との間での齟齬はどのように理解すべきか,というあたりを素描というか概観したという感じがした本。 もっとも,冷静な視点で分析をしているのみで,現下問題と理解されている現象に対しての処方箋めいたものは明示的には示されていない感じなので,そういうものを期待して読むべき本ではないのだろう。別にだから何だという話ではあるけれど。
某所で,地に足の着いた感じがするという趣旨のコメントをされていたのを見た記憶があるが,確かにそんな感じがする。無駄に衒学的でもないし,世上よく目にするような裁判例・時事ネタ等を使って,実定法の知識も交えて論じてくれているので,空中戦をしている感じがしないのは,よいと思った。 一般向けの色合いの強い本(それはそれで大事…でもなんで大屋先生がこの手の本を書いたのかは謎)だし,紙幅の制限もあるので,個別の論証については,疑問の残るところもあった。一例としては,日本での司法消極主義の傾向の指摘に対して,積極主義的な事例をいくつか上げられているけれども,個別の事例をいくつ挙げたところで,全体的な傾向についての議論とは十分噛み合わないのではないかと感じた次第。
ともあれ,日本の裁判という制度についての理解を深める意味では,読んでおいて損はないという気がした。
dtk1970 at 16:34|Permalink│Comments(0)
December 30, 2017
企業法務と司法試験ー一個人としての感想
個人ごとの置かれている状況による差異が非常に大きいと思いつつも,企業での法務の経験が,司法試験を受けるうえで,どの程度役に立ったのか,という点についての,現時点での僕の感想ということでメモ*。所詮一個人の感想ですからね…(汗)。
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dtk1970 at 19:49|Permalink│Comments(2)
December 09, 2017
リアクション芸人風のポエムのようなもの(謎)ーそれって必携?
何だかよくわからんタイトルですいません。
さて,先般のこちらの某エントリについては,思いの外反響があって,やや驚きました。ポエム扱いされたのは,ポエムというのがどういう意味かはさておき,やや心外(どっちかというとアジビラだなとは思っていたのですが…)だったし,途中で表現を穏やか目に変えたところは,逆効果だったところもあって,これまた微妙な感じでしたが…
と,いうようなことを言いたいのではなく,昨今見聞きしたものの中で,リアクションをしておくべきかと思ったものがあったので,エントリにする次第。今回のエントリについては,まあ,ポエム扱いされてもあえて文句は言いませんけどね(謎)。
#up後に文章を少しいじった。続きを読む
さて,先般のこちらの某エントリについては,思いの外反響があって,やや驚きました。ポエム扱いされたのは,ポエムというのがどういう意味かはさておき,やや心外(どっちかというとアジビラだなとは思っていたのですが…)だったし,途中で表現を穏やか目に変えたところは,逆効果だったところもあって,これまた微妙な感じでしたが…
と,いうようなことを言いたいのではなく,昨今見聞きしたものの中で,リアクションをしておくべきかと思ったものがあったので,エントリにする次第。今回のエントリについては,まあ,ポエム扱いされてもあえて文句は言いませんけどね(謎)。
#up後に文章を少しいじった。続きを読む
dtk1970 at 12:00|Permalink│Comments(10)
November 19, 2017
November 05, 2017
年末恒例カレンダー企画のお知らせ(2017)
今年もあと60日弱となったところで、BLJのブックガイドと並ぶ?恒例企画の話が出てきたので、ご紹介。ここ数年は安定の柴田先生企画でしたが、新風も欲しいなと思い、下の世代の@mortdoreeさんを裏LTのときに突いてみたところ、この連休の勢いで、企画を立ち上げてくれた次第。
法務系 Advent Calendar 2017
ちなみに、
2016年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2015年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2014年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2013年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
ご覧いただければ分かる通り、見ているだけよりも参加する方が面白いので、こちらをご覧の諸兄におかれては、ご都合の許す範囲でご参加いただきたく。特に若手の皆様におかれましては、こういう機会に情報発信の第一歩を踏み出されては如何でしょうか?
(という割に、自分の過去のエントリとかを見ると進歩が感じられずに、微妙な気分ではあるが…)
法務系 Advent Calendar 2017
ちなみに、
2016年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2015年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2014年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
2013年のカレンダーはこちらで、つぶやきのまとめはこちら。
ご覧いただければ分かる通り、見ているだけよりも参加する方が面白いので、こちらをご覧の諸兄におかれては、ご都合の許す範囲でご参加いただきたく。特に若手の皆様におかれましては、こういう機会に情報発信の第一歩を踏み出されては如何でしょうか?
(という割に、自分の過去のエントリとかを見ると進歩が感じられずに、微妙な気分ではあるが…)
dtk1970 at 17:04|Permalink│Comments(0)
October 29, 2017
最近のエアリプ風の何かー"戦略法務"について
経営陣にNoをいう話は、究極的にはそういうことができないといけないだろうとは思うものの、そういう話がおそらく実際にはそうそう生じるものではないと思う。それは企業が野生状態にあるのではなく、一定程度理性的に運営されていることの反映でもあろう。
(個人的な経験では、本気でNoをいうのは、法務よりも税務という気がする。しかもそれは通りやすい。営利企業ということを考えるとむべなるかなというところではあるのだけど)
とはいうものの、蓋然性は低いとしても、確率ゼロではないから、そういうことができないといけないという意識は持っているべきと思う。実際にするという話とは別に。”門番”としての法務担当者の矜持というべきか。そして、矜持というからには、軽々に振りかざすものではないし、ただし、いつでも振るえるような自分であることがあるべきところ、ということではないかと思う。
また、法務としては問題を指摘して、あとは経営陣の賢慮に委ねるというのも、個人的にはそれだけでいいのかという疑問を覚えるところ。実際にそういう体験をしたわけではないので、仮想的というか、理想気体みたいなものかもしれないけど、経営陣も含めて暴走するというケースも一応想定可能である以上、そういう場合にどう対応するかということも考える余地はあると思う。この辺りを考える上では、自分自身のその時点での立ち位置も勘案することが重要ということになろう。
そういうときには、取締役会がダメなら、監査役に、それもダメなら他の手(許認可の絡む話であれば監督当局に、とか)ということも考えるべきなのではないのかと思ったりもする。法務を法律事務所に見立てた場合のクライアントは経営陣ではなく、会社全体のはずなので、そういう発想にたって処理すべきではないかという気がする。もちろん、場合によっては、公益通報者保護法の適用も含めた対応を考えることになろう。
早期から相談するというのは、そもそも事業部案の検討に関与するということになるのではないかと思うところ。修正案ではなく、もっと手前のところから、事業部案を作り込むところから十分関わるというイメージ。リソースの問題として、それが実務的に実現可能かどうかについては疑義が残るとしても。実現するためには、適切な誘引により、内部依頼者の行動をそういう方面に誘導すべきかと。早期に相談しないと…という「北風と太陽」風の対応を事実上取るのも一つの手であろう。
dtk1970 at 21:30|Permalink│Comments(0)
October 14, 2017
いちばんやさしい人工知能ビジネスの教本 人気講師が教える AI・機械学習の事業化 (「いちばんやさしい教本」) /二木 康晴 (著), 塩野 誠 (著)
この種の話題についての本も、たくさん出ていて、どこから読めばよいのか、よくわからないので、マンサバ砲の対象となっていたこの本を読んで見ることにした。
とりあえず、制作時点における、この分野についての、法務的な観点も踏まえたスナップショットとしては、秀逸なんだろう、とは感じた。分野ごとに、その分野の技術についての概要、その技術を使ったビジネス戦略、及び法的論点が紹介されている。それぞれについては具体例を提示しつつ、素人にわかるレベルで平易に紹介されているので、読みやすい。
上記の意味で良い本だとは思うが、贅沢を言えば次の点は、不満。
とりあえず、制作時点における、この分野についての、法務的な観点も踏まえたスナップショットとしては、秀逸なんだろう、とは感じた。分野ごとに、その分野の技術についての概要、その技術を使ったビジネス戦略、及び法的論点が紹介されている。それぞれについては具体例を提示しつつ、素人にわかるレベルで平易に紹介されているので、読みやすい。
上記の意味で良い本だとは思うが、贅沢を言えば次の点は、不満。
- 判型が半端で、有り体に言えば本棚で邪魔(だったらkindle版で買えと言われそうだが…)。
- 法令については該当法令の条項の摘示までしてほしかった。
- 動きの早い分野なので、今後の動きを見ていく上で、チェックしておくべきサイト等のお薦めがあると嬉しかった。
dtk1970 at 11:02|Permalink│Comments(0)
October 06, 2017
裏LT
うらうらうらうらベッカンコー(謎)
というわけで(どんなだ)、裏LTに出かけてみました。表の方の参加者募集の時期にこの時期の予定が読めなかったので、表には出れなかったものの、結局時間が空いたので急遽裏に乱入したのでした。単にうるさいだけでしたが、裏参加者の皆様ありがとうございましたm(_ _)m。裏は裏の面白さがありますね。個人的には、特に、降臨された某大物先生に初めて直にお目にかかることができたのが印象的でした。
「表」の様子についての呟きを眺めつつ、のんびり飲み食いするという感じで、これはこれで良い感じでした。@kataxさんの呟きが要点をまとめてくれていて、追いかけやすかったです。
実況を、というリクエストもあったので、ある程度つぶやいてみましたが、タブレットしかないと、やりにくいです、僕の場合。去年のLTのときはLTをする側でもあったのでPCがあって、実況もしやすかったですが…
(なお、今回のつぶやきは追ってtogetterでまとめられるはず…裏も表も…
追記:裏はこちらにまとまっている。kanekoさん、ありがとうございます。)
続きを読む
というわけで(どんなだ)、裏LTに出かけてみました。表の方の参加者募集の時期にこの時期の予定が読めなかったので、表には出れなかったものの、結局時間が空いたので急遽裏に乱入したのでした。単にうるさいだけでしたが、裏参加者の皆様ありがとうございましたm(_ _)m。裏は裏の面白さがありますね。個人的には、特に、降臨された某大物先生に初めて直にお目にかかることができたのが印象的でした。
「表」の様子についての呟きを眺めつつ、のんびり飲み食いするという感じで、これはこれで良い感じでした。@kataxさんの呟きが要点をまとめてくれていて、追いかけやすかったです。
サテライトこんな感じやで!
— Text Radio Mirai (@miraisaaan) 2017年10月5日
これがリーガルテックやで!!#裏LegalLT #LegalTechLT pic.twitter.com/uzq5cctPmU
実況を、というリクエストもあったので、ある程度つぶやいてみましたが、タブレットしかないと、やりにくいです、僕の場合。去年のLTのときはLTをする側でもあったのでPCがあって、実況もしやすかったですが…
(なお、今回のつぶやきは追ってtogetterでまとめられるはず…裏も表も…
追記:裏はこちらにまとまっている。kanekoさん、ありがとうございます。)
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dtk1970 at 09:41|Permalink│Comments(0)
December 30, 2016
和訳のチェックポイント
以下没ネタってやつですな。#legalACの。せっかくなので、upしておきます…。
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こちらの現職は米系企業の日本法人なので、好むと好まざるとにかかわらず、翻訳作業はついて回ります。日本語から英語、英語から日本語、どちらもです。対象文書も契約書に限らず、社内方針とか、マニュアル、単なるレターとかまで内容によってはチェックの依頼が来ます。
最近長めの和訳のチェックがあったこともあり、英語から日本語にする際に注意している点について、いくつかメモ。あんまり法務っぽくなくてすいません。自分で訳す以外にも、分量が多いと、外注に出して、そのチェックをするとか、内製でもほかの人の翻訳のチェックとかも相応にあるので、その辺のことをしていてメモしたことというところです。
翻訳対象の文書の中身について、ビジネス的な背景も含めてきちんと理解しているとか、文書全体のトーンを統一する(敬体と常体とか)いうのは、別に翻訳に限らず文書としての基本でしょうから、その辺は当然の前提として、細かいところで、ミスを防ぐうえで有用と感じる形式的なチェックポイント、のメモ、というところで、訳文だけ見てもわかるチェックポイントが主になっているような感じです。
で、前置きが長くなったので、本題は「続き」へ… 続きを読む
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こちらの現職は米系企業の日本法人なので、好むと好まざるとにかかわらず、翻訳作業はついて回ります。日本語から英語、英語から日本語、どちらもです。対象文書も契約書に限らず、社内方針とか、マニュアル、単なるレターとかまで内容によってはチェックの依頼が来ます。
最近長めの和訳のチェックがあったこともあり、英語から日本語にする際に注意している点について、いくつかメモ。あんまり法務っぽくなくてすいません。自分で訳す以外にも、分量が多いと、外注に出して、そのチェックをするとか、内製でもほかの人の翻訳のチェックとかも相応にあるので、その辺のことをしていてメモしたことというところです。
翻訳対象の文書の中身について、ビジネス的な背景も含めてきちんと理解しているとか、文書全体のトーンを統一する(敬体と常体とか)いうのは、別に翻訳に限らず文書としての基本でしょうから、その辺は当然の前提として、細かいところで、ミスを防ぐうえで有用と感じる形式的なチェックポイント、のメモ、というところで、訳文だけ見てもわかるチェックポイントが主になっているような感じです。
で、前置きが長くなったので、本題は「続き」へ… 続きを読む
dtk1970 at 00:22|Permalink│Comments(0)
November 22, 2016
年末恒例カレンダー企画のお知らせ
いつもにましてエントリすらかけない状況で、何を言っているのか自分でもわかってませんが、BLJのブックガイドと並ぶ(?)年末の恒例企画、アドベントカレンダーの季節であります。
法務系 Advent Calendar 2016
昨年のものは
という感じです。
LTはLTで得るところの多いイベントではありますが、カレンダー企画もこれはこれで、得るところのあるイベントだと思いますので、こちらをご覧の皆様、特に、普段見ているばかりの法務な方々におかれては、多数に紛れて、多少あれでもきっとなんとかなりますので(自分のエントリがアレだったときの布石?)、ふるってご参加くださいまし。面子が固定化して、洗練していくのを見るのも一興ですが、新しい顔ぶれが新しい何かをもたらしてくれることも、同様に期待したいと勝手に思っているところです。
で、自分は何をしようか、とこれから考えます。
ではまた。
法務系 Advent Calendar 2016
昨年のものは
という感じです。
LTはLTで得るところの多いイベントではありますが、カレンダー企画もこれはこれで、得るところのあるイベントだと思いますので、こちらをご覧の皆様、特に、普段見ているばかりの法務な方々におかれては、多数に紛れて、多少あれでもきっとなんとかなりますので(自分のエントリがアレだったときの布石?)、ふるってご参加くださいまし。面子が固定化して、洗練していくのを見るのも一興ですが、新しい顔ぶれが新しい何かをもたらしてくれることも、同様に期待したいと勝手に思っているところです。
で、自分は何をしようか、とこれから考えます。
ではまた。
dtk1970 at 23:21|Permalink│Comments(0)
June 22, 2016
LTの予感(謎)
何だかわからんエントリですいません(いつもだ>自分)
煽り、ではないですが、shibaken先生が仕掛け人になって(?)LTの動きが…。
なお、かく言うワタクシについては、諸般の予定がつく限り参戦(?)の予定でおります。
ではでは。会場でお目に書かれるのを楽しみにしております(と言って、こちらがいけなかったらごめんなさい)。
煽り、ではないですが、shibaken先生が仕掛け人になって(?)LTの動きが…。
そもそも実現できるのかわからないのですが、某所で話題となったので初期的なアンケートをとらせてください。
— shibaken_law (@overbody_bizlaw) 2016年6月15日
もし阿佐ヶ谷ロフトにてhttps://t.co/M6N5tifUmX
あの「法務系ライトニングトークイベント」
が開催されたら
と、@katax氏も言うくらいなので、こちらの読者の法務クラスタの方々におかれては、続報を待っていただき、積極的に参加をお願いできればと思うところであります。昨日このアンケートの存在に気付きました。これ、見るだけでも楽しいですが、LTするとその5倍は楽しめます。予定が合えば、とか言ってる場合じゃなくて、このために予定をこじ開ける価値のあるイベントになるとおもいます! https://t.co/Qi7ILdLAHs
— Genichi Kataoka (@katax) 2016年6月20日
なお、かく言うワタクシについては、諸般の予定がつく限り参戦(?)の予定でおります。
ではでは。会場でお目に書かれるのを楽しみにしております(と言って、こちらがいけなかったらごめんなさい)。
dtk1970 at 00:48|Permalink│Comments(0)
May 23, 2016
若手法律家のための法律相談入門/中村 真 (著)
いつも愉快なblogを書かれている中村真先生が、法律相談の本を書かれたということで、とりあえず買ってみて、雑誌とか目を通すべきものはさておき、読んでみた。
もう若くない企業法務のオジサンにも何か役に立つか、さもなければ、ネタとして面白いのではないか、と思ったので、そのようにしたわけだけど、プロの弁護士の先生方のご意見は別途伺ってみたいと思うものの、素人が読む限り、リスクマネジメントという視点からも率直に書かれていて、迷わないで済むという意味で良い本なのではないかと感じました。
前向きの相談の本はそれはそれで重要なものの、リスク要因になりそうなところにどう向き合うかというのは、なかなかむずかしそう、かつ、そういうことが書かれている書籍はなかなかないのではないかと思うので(知らないけど)、その辺を固くならない感じで書かれている本書は、新人の弁護士さんにとっても、貴重な一冊になるのではないかと感じる次第です。
先生の絵も、某入門の時とは異なり、内容ときっちり咬み合っていて、それでいて、いつもの面白さも保たれているので、そういう意味(謎)でも良い感じでした。
続きを読む先生の絵も、某入門の時とは異なり、内容ときっちり咬み合っていて、それでいて、いつもの面白さも保たれているので、そういう意味(謎)でも良い感じでした。
dtk1970 at 23:55|Permalink│Comments(0)
November 18, 2015
またもやカレンダー企画
shibaken_law先生ありがとうございます。
BLJのブックガイドと並ぶ(?)冬の風物詩、カレンダー企画がやってまいりました。
法務系 Advent Calendar 2015
今年も某無双先生の、江頭企画も期待されているところで、盛り上がりそうなので、期待。読者各位におかれては、この機会に是非一エントリーされては如何でしょうか?席は限られておりますので、エントリーはお早めに。
BLJのブックガイドと並ぶ(?)冬の風物詩、カレンダー企画がやってまいりました。
法務系 Advent Calendar 2015
今年も某無双先生の、江頭企画も期待されているところで、盛り上がりそうなので、期待。読者各位におかれては、この機会に是非一エントリーされては如何でしょうか?席は限られておりますので、エントリーはお早めに。
dtk1970 at 00:07|Permalink│Comments(0)
June 02, 2015
何がベストか
諸事にかまけて(珍しく海外出張とかも行っていたのです)、すっかりご無沙汰なのですが、たまには、ということで、いくつかの事例を見て思ったことをとりとめなくメモ。例によって前につぶやいたことともかさなるわけで。
- ベストプラクティスとかの共有とかは、面白いと思うのだけど、何がベストなのか、ベターなのかというところは、個別の状況で異なりうるような気がする。そういう意味では特定の前提条件の上に乗ったベスト、ベターという理解をしておくほうがいいのではないかと思う。
- そうなると、他人様のしていることについても、その辺の確認なしに真似をすると事態を悪化させるというリスクも有る。
- それとともに、永続性という観点も必要かもしれない。今足元を確認するのも大事だけと、遠くを見た時に永続できそうか、短期的に出来ても、長期的に維持できないような場合には、簡単に導入して良い話かどうかの検討が必要かもしれない。今いる面子ではできるけど、他の人ではできるかどうかわからない、という段取りの仕方をすると、面子が変わった途端に破綻するリスクを孕むことになるわけで、その辺りも考えたうえで、どうするかを考えないといけないのだろう。
dtk1970 at 00:42|Permalink│Comments(0)
February 25, 2015
November 27, 2014
支援:法務系 Advent Calendar 2014
無責任に話を@kataxさんに振ったら、振られてしまったところを、@overbody_bizlaw先生が拾ってくれたので、今年もこの企画が始まるようです。
法務系 Advent Calendar 2014
というわけで、こちらをご覧の関係者各位におかれましては、積極的にご参加をいただきたく。
かくいうこちらも、今年はまったく、と言っていいほど本が読めていないにも拘らず、私家版book guide企画をやると宣言してしまいました。どうなるんでしょうか(汗)。
明日はどっちだ…。
法務系 Advent Calendar 2014
というわけで、こちらをご覧の関係者各位におかれましては、積極的にご参加をいただきたく。
かくいうこちらも、今年はまったく、と言っていいほど本が読めていないにも拘らず、私家版book guide企画をやると宣言してしまいました。どうなるんでしょうか(汗)。
明日はどっちだ…。
dtk1970 at 23:53|Permalink│Comments(2)
November 14, 2014
B2Bメーカーの法務の概観を試みる
先日@ahowotaさんとやり取りしながらつぶやいた内容をまとめなおしてみようかと。@ahowotaさんの勧めに乗ってみたというところであるわけだが…。
こちらに倣って、僕の現職及び過去2社がB2Bのメーカーだったということもあって、メーカー、特にB2Bメーカーの法務について鳥瞰というか概観できないかと考えてみることにした。
例によってこちらの経験による限界があるので、その辺は理解でお読みいただければというところ。B2Bのメーカーといっても扱っているものは千差万別なので、一概にはいえないが、まあ、あんまり情報が出てこないかもしれない(自信なし)かもしれないので、ご参考まで、というところか。 いつぞやのこちらのエントリが参考になったというのであれば、同程度に参考になればいいかなという感じ。製造業の法務というと、その旨を明示していないものの、もっと経験値のある先輩がたもおられるので、何らかの方法でコメント等いただけると幸甚です。
…ホントは全部書いてから上げたいところだが、そうなるといつ出来上がるかわからないので、一旦途中までで上げます。気が向けば続きも。
(11/18一部追記した)
さて、直感的におおざっぱに分けると、大きなくくりとしては次のような感じになるかと思うのであります。
続きを読む
こちらに倣って、僕の現職及び過去2社がB2Bのメーカーだったということもあって、メーカー、特にB2Bメーカーの法務について鳥瞰というか概観できないかと考えてみることにした。
例によってこちらの経験による限界があるので、その辺は理解でお読みいただければというところ。B2Bのメーカーといっても扱っているものは千差万別なので、一概にはいえないが、まあ、あんまり情報が出てこないかもしれない(自信なし)かもしれないので、ご参考まで、というところか。 いつぞやのこちらのエントリが参考になったというのであれば、同程度に参考になればいいかなという感じ。製造業の法務というと、その旨を明示していないものの、もっと経験値のある先輩がたもおられるので、何らかの方法でコメント等いただけると幸甚です。
…ホントは全部書いてから上げたいところだが、そうなるといつ出来上がるかわからないので、一旦途中までで上げます。気が向けば続きも。
(11/18一部追記した)
さて、直感的におおざっぱに分けると、大きなくくりとしては次のような感じになるかと思うのであります。
- 共通
- 製造
- 開発
- 営業
- 海外
- 管理
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dtk1970 at 00:40|Permalink│Comments(0)
October 03, 2014
機能の果たされ方
雑誌の感想とかばかりでもつまらないので、BLJの記事に触発されてつぶやいたことのまとめということで、メモ。以前書いたかもしれないけどご容赦あれ。
企業において法務的な機能を果たしている部署と、その部署の名前に「法務」と入っていることとは必ずしも一致しない。企業内の部署名の付け方に確たるルールが有るわけでもないからある意味当然かも知れないのだが。
いくつか例を考えてみる。
- 契約書の審査とかは事業部門内にその種の担当をおいて、そこで対応するということもある。僕が最初にいた会社はそういう感じだった。本社の法務はそういうところから来る法律相談とか訴訟対応とか許認可対応とかやっていた。
- 株式総会とかの対応の法務は、株式事務とかの関係で総務という話もあるだろうし、開示周りとともにIRに近いところで対応という発想もあるかもしれない(僕が勤務した3社目は後者に近い割り振りだった。僕自身は取引法務担当で別にそっちの担当者がいた)。
- 知財については、法務に近い場合もあれば、逆に技術開発に近いケースも考えられる。どっちがいいかは会社の方針次第なんだろう。権利化よりであれば技術開発に近いところに組織上置くというのは理解できるところではある。
- 労務については、人事で完結するケースも多いのではなかろうか。労務問題は結局、過去の経緯とか、他の人とのバランスとかで決まるから、人事以外の人が手を出しにくいのと、人事データのセンシティブさと法務の人間だって従業員であるということも考えると、そういう話になりやすいのかもしれない。
- 債権回収系については、個人的にはお金の動きを見たり財務諸表になれている経理とかがやることが多いのではないかという気がしたが、今回つぶやくなどする中で、寧ろ営業現場で面倒を見ることが多いのではないかというご指摘も某所からいただいた。取ってきた仕事に責任をもってもらう観点や、相手方についての情報を持っているという面からはそういう発想もありうると思う反面、仕事を取ってきたときのしがらみなどがあるかもしれないから、それが常に良いのか、取引関係を終了させる方向に向かう場合には役者を交代させるという発想もあるのではないかという気がする。また、不良債権化した場合の損金処理とかまで考えると現場の営業マンに全部やってもらうというのは厳しいかもしれない。
- それ以外にもいわゆる取締法規系の対応については、法的素養以外の技術的な知見が要求される場合には、法務とは関係なく、そういう専門的知見のある人のいる部署が対応するということになることもあるだろう。
そんなこんなを考えると、法務系の仕事をしたいと思う人は、その中身として考えている仕事がその会社のどこの部署で担われているのか、法務という名前の部署が何をしていて、何をしていないのか、ということも考えておく必要があるのではないかと思う。
dtk1970 at 01:07|Permalink│Comments(0)
August 04, 2014
伝えることと伝わること
また何だかよくわからない話ですいませんが、昨今のあれこれを見ていて、ぼんやり思ったので、備忘のためにメモ。抽象度高めですいませんすいません。
特定のメッセージを発信するときに、伝えたい意図と、相手が受け取る内容との間に齟齬が生じることが、時としてありうる。予期せずにそういうことが生じることのないようにするのが法務の仕事という面もあると思う(特に昨今の事例のような、ある種の危機対応時には)。そのためには、自分自身が冷静で、所属の組織を離れた視点で発せられたメッセージがどう受け取られるか、発信時にあると想定される文脈に照らして考えてみる必要があるはずで、その前提としては自分がまず冷静で、そういう見方ができないといけないし、仮にできないのであれば、外部の見立てを求めることも必要になる、ということになろうか。
その辺の見極めが悪いと、発信している内容や問題提起に見るべき内容があったとしても、顧慮されずに、「炎上」して終わるという事態になりかねないわけで、そうならないよう注意が必要だけど、そういうことは学習する機会もそれほどないので、何とも難しいなあ、と思う次第。
…雑駁なメモですいません。
特定のメッセージを発信するときに、伝えたい意図と、相手が受け取る内容との間に齟齬が生じることが、時としてありうる。予期せずにそういうことが生じることのないようにするのが法務の仕事という面もあると思う(特に昨今の事例のような、ある種の危機対応時には)。そのためには、自分自身が冷静で、所属の組織を離れた視点で発せられたメッセージがどう受け取られるか、発信時にあると想定される文脈に照らして考えてみる必要があるはずで、その前提としては自分がまず冷静で、そういう見方ができないといけないし、仮にできないのであれば、外部の見立てを求めることも必要になる、ということになろうか。
その辺の見極めが悪いと、発信している内容や問題提起に見るべき内容があったとしても、顧慮されずに、「炎上」して終わるという事態になりかねないわけで、そうならないよう注意が必要だけど、そういうことは学習する機会もそれほどないので、何とも難しいなあ、と思う次第。
…雑駁なメモですいません。
dtk1970 at 23:55|Permalink│Comments(0)
July 19, 2014
セミナー2つ
今週は似たような内容のセミナー2つに出たので、感想とかをメモ。
一つ目は、川井先生のセミナー。もう一つは経営法友会のセミナー。どっちも個人情報保護法関連。
(ひとまとめにしてはイカンのかもしれないけど…)
後者のセミナーは、担当された某事務所の先生方は、もともと事業者寄り、利活用推進という立場で、意見を出されたりもしているとのコメント。まあ、企業法務の集まりなので、それで悪いということはないけど、スタンスを明確に最初に説明したのはよかったと思う。ある程度の知識を前提に話が進んでいたので、その辺でついていけない人が出たかもしれないけど、従前の経緯も手際よくまとめておられたし、条文のお土産集の比較対照表(?)も便利そう。大綱の個々の文言については、特に重要そうなところだけに言及しつつ、業務全体を俯瞰して、業務レベルにまで落とし込んだときにどうなりそうかというところまで、無難にまとまっていた。手馴れている感じではありました。
内容についてのコメントの仕方で、比較すると、川井先生のセミナーでは、大綱の読み方により重点が置かれていたような印象で、ゼロに近いところからきちんと説明をしていただいたし、先生の主観が前に出ているのは、個人事務所の、事務所主催セミナーらしさ、というところも感じられ、興味深かったのでありました。
一つ目は、川井先生のセミナー。もう一つは経営法友会のセミナー。どっちも個人情報保護法関連。
(ひとまとめにしてはイカンのかもしれないけど…)
後者のセミナーは、担当された某事務所の先生方は、もともと事業者寄り、利活用推進という立場で、意見を出されたりもしているとのコメント。まあ、企業法務の集まりなので、それで悪いということはないけど、スタンスを明確に最初に説明したのはよかったと思う。ある程度の知識を前提に話が進んでいたので、その辺でついていけない人が出たかもしれないけど、従前の経緯も手際よくまとめておられたし、条文のお土産集の比較対照表(?)も便利そう。大綱の個々の文言については、特に重要そうなところだけに言及しつつ、業務全体を俯瞰して、業務レベルにまで落とし込んだときにどうなりそうかというところまで、無難にまとまっていた。手馴れている感じではありました。
ただ、タイムリーすぎたのか、受講者が多すぎて、空調もいまいちな感じだったし、時間ギリギリにいったら席も後ろの椅子だけの席しかなく、メモも取りにくかった。
逆に、川井先生のほうは、自分が必ずしもこの分野にめちゃめちゃ詳しいわけではない、という立ち位置からの解説というのも、ある意味新鮮でした。受講者の中にはSNSとかでお見かけする諸先生方もおられて、中にはこの分野にも造詣の深そうな方もおられたので、ああいうおっかなそうな(すいません…)先生方がおられるところでされているのも正直すごいと思いました。 例によって、顔なじみの皆様方と懇親会に勝手に出かけたのですが、その際に、そのうちの1人の某先生に訊いてみると、このエリアもフォローしておきたいけど、いちいち原典にあたるのはアレなので信頼できる人のまとめを見たい、というような趣旨のことを言っていたので、何か、納得というところ。
(それにしても某先生のツイッターでのつぶやきが気になるなあ…)
また、解説内容についても、ニュートラルなのが、この分野ではよかったと思いました。「詳しい」ヒトが「中立」なヒトとは限らないっぽいので、川井先生の「中立」さが実はよかったような気がします。わかっている人には退屈だったかもしれないですが、ゼロに近いところから解説していただいたのも個人的には良かったと思います。あまりまじめにフォローできていなかったので。
(それにしても某先生のツイッターでのつぶやきが気になるなあ…)
また、解説内容についても、ニュートラルなのが、この分野ではよかったと思いました。「詳しい」ヒトが「中立」なヒトとは限らないっぽいので、川井先生の「中立」さが実はよかったような気がします。わかっている人には退屈だったかもしれないですが、ゼロに近いところから解説していただいたのも個人的には良かったと思います。あまりまじめにフォローできていなかったので。
内容についてのコメントの仕方で、比較すると、川井先生のセミナーでは、大綱の読み方により重点が置かれていたような印象で、ゼロに近いところからきちんと説明をしていただいたし、先生の主観が前に出ているのは、個人事務所の、事務所主催セミナーらしさ、というところも感じられ、興味深かったのでありました。
先に川井先生のセミナーを聞いていたから、経営法友会のセミナーも聞きやすかったので、助かりました。
いずれにしても、双方の先生方、ありがとうございましたm(_ _)m。
dtk1970 at 00:33|Permalink│Comments(0)
July 13, 2014
議事録について
某氏の某つぶやきに対するエアリプをつぶやいたことをきっかけに、一部の方々と別のところで色々お話をさせてもらったので、まとめ方々個人的に思うことを箇条書きでメモ。議事録はいろいろあるけど、ざっくりとした個人的な印象ということで…。
たまにはこういうのもいいでしょ(謎)。
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たまにはこういうのもいいでしょ(謎)。
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dtk1970 at 00:17|Permalink│Comments(0)
May 07, 2014
最近のエアリプ(2014年5月)
何が何だかわからんのですが…。某先生に倣ったわけではないけど、つぶやいたことと重なることも含めて、いくつかメモのような何かを。業務ネタについては相変わらず書きにくい状況ということもあって、blogがご無沙汰になっているので、何を書いたものやら…というところもあるのでご容赦を。
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- 某リンゴ屋さんの音楽サービスについては、個人的には某鉄道会社さんの一連の騒ぎよりも、音楽の好みとかについては、行動履歴よりもプライバシーデータを把握されたくない分野なので、気になるのだがその辺については、世の中的にはあまり心配されていないのだろうか。この辺りは完全に好みの問題だと思うけど、あの問題であそこまで騒いだのは何だったのかと思わないでもない。火をつける人間がいるかいないかの差なのだろうか。真偽の程はさておき、仮にそうだとすると、そういう人間に見つからないのが一番効率的なリスク回避になるのかもしれないが*1。
- 上記の件についてつぶやいたら、ある方から撤退リスクについてのご指摘をいただいた。確かにそのとおり。自分が米系企業の日本法人にいるから余計にそう思うのかもしれないが、費用対効果が疑問視されるようになったら、かの会社は利用規約とかに関係なく、何らかの理屈をつけてきっと撤退するだろうと思うので(おそらくその余地は利用規約上も残っているだろうけど)、かのサービスを利用する際にはそこのリスクは考えておくべきなのだろうという気がする。サービスとして便利なので、多くの方が利用するであろうとは思うのだけど…。
- 某制度改正についての議論。むやみに複雑になると、ユーザーが付いて行けなくなる。結局ユーザーの能力というかリテラシーがボトルネックになるのであれば、そこはきちんと押さえないと、結局ザルになるというかなんというか。ユーザーが使いこなせない制度にしてはイカンわけで、一般の方々がその制度のユーザーになるのであれば、その目線で制度改正をしないとイカンはずなのだが。
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dtk1970 at 00:50|Permalink│Comments(0)
April 08, 2014
最近のエアリプ
なんだよそれ(苦笑)。twitterでもつぶやいたことと重なるが、備忘のためにメモ。旧聞に属する話も混じっているがご容赦あれ。特定の事案を見て思ったことのメモだが、当該事案に限った話ではないと思うので、敢えて抽象度を上げていることを付言しておく。まあ、お前ごときが偉そうなことを言うなと言わるのかもしれないが、メモせずにおいておくのも業腹なので、メモくらいはしておこうかと。
- 大学の法学部の最初に存在と当為の峻別ということを習ったのを最近思い出した。特定分野に適用される現行法の下で、ある特定の行為がどのように評価されうるのか、という問題と、当該法令が物事の進展に応じてどういう規制であるべきか、というのとは、一応峻別されるはずということになろうか。もちろん、両者は全く没交渉なわけではないが、だからといって、両者を混同させていいという話でもない。
- 議論を公開の場で、というのは一見フェアに見えるのだが、その場が両者にとって中立とは限らないので、注意が必要そう。あと、議論を公開のところでするのは、しがらみが多い側に取ってはマイナスに作用する面が多そうな気がするから、乗らない方が安全という議論はありうるのだろう。
- 個別の案件に対する行動の当否を考える際に、当該案件しか見えていない人と、それを超えた、他の案件への影響を見ている人とでは、仮に議論をしたとしても咬み合わなくても仕方がないのかもしれない。
- 言葉を交わすことで埋まる溝もあるけど、存在する溝を常に埋められるという保証はないような気がする。特に時間とかの制約がある中では。その場合に非言語的な 手段で問題に対して何らかの対策を講じることを考えることも必要かつ重要なのだろう。法務ということからすれば、言葉で他人を説得することがメインでないと行けないのだろうが、それが常に貫徹できるとも限らないから、それ以外の手も考えられないと行けないように思う。
dtk1970 at 00:20|Permalink│Comments(0)
December 31, 2013
第2版 インターネット新時代の法律実務Q&A / 田島 正広 (監修), 田島正広(編集代表) (編集)
はっしーさんと伊藤先生のご紹介を見て、買って読んでみたもの。幅広くトピックを拾い上げ、それぞれについて、簡潔にポイントがまとまっていて、IT系以外の会社の法務にもあったほうがよさげな一冊。こちらの業務においても有用そうな感じ。SNSでの誹謗中傷とか漏洩とか、クラウドの利用とかそういう話は、非IT系の会社でも対応が必要になることがあるわけで、普段こういう分野について縁がなくても、何かあったときに、とりあえずまず紐解く一冊として、手元においておけば、便利でよいのではなかろうか。その裏返しとして個別の話についての解説は、抑え目だけど、書いてあることよりも突っ込んだことを調べたいときに参考になるような情報への橋渡しについても、目配りが十分されているので、調べもののとっかかりに使うという目的でも有用そう。この種の話題についてはググっても何らかの情報は出てくるだろうけど、IT系企業のインハウスやその分野で活躍されている弁護士さん、研究者さんという錚々たる面々が執筆しており、内容も正確で、いつの時点でupdateされているのかも明確という点で、こういう本の形で手元においておいたほうが簡便だろう。既に1度updateされているので、今後もこまめなupdateを期待したいところ。
dtk1970 at 14:41|Permalink│Comments(0)
December 05, 2013
質問には答えない
【Advent Calendar 2013 法務Tips】でのmsutさんのエントリ*1を見て、以前上司に言われたことを思い出したのでメモしてみる。
法務としては、訊かれた質問には答えるべきではない、というのである。
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dtk1970 at 19:55|Permalink│Comments(0)
December 03, 2013
ネットの情報の使い方について気をつけていることのメモ
コネタついでにもうひとつ。法務の業務上で情報を探す際に、ネット情報にのみ依存するのは、時に危険なこともあると思うのだけど、それを避けるために個人的に気をつけていることをいくつかメモ。難しいことはしていないはず。
- 誰が書いた情報か確認する。書いた人がどこまで理解しているのかを知る手段として属性は重要。属性だけで判断するのは十分でないこともあるけど。
- ドメインも確認する。go.jp ドメインだと、一応役所が自分の名前で出している文書ということになり、それなりに調べたうえで書いているものであろうということは推定可能と思われる。これも推定なので、100%ではないところに注意。
- いつ書かれたものか確認する。当たり前ながら、特定時点の情報に基づいて書かれたものはそこから後のupdateがされていないので、留意が必要。ファイル上記載がなくてもpdfならばプロパティを見ると見当がつくことはある。
- pdfのプロパティは忘れずに確認する(@tnihei先生の教えによる)。作成者や作成時点についての情報が含まれることもある。
- 可能な限り独立した複数のソースから確認することを心がける。常に出来ることではないけど。
dtk1970 at 00:38|Permalink│Comments(0)
November 26, 2013
BLJ読者懇親会
先ほど帰宅しました。関係者の皆様におかれましては、お世話になりましたm(_ _)m。いつもながら、かもしれないが、こんなグダグダなblogも、格調高くも意識高くもなく、取っ付きやすいのか、愛読していただいている方がおられて、びっくりした。
まあ、読むばかりでもなく、ちょっとでもいいので、無理のない範囲で発信してみるというのも、如何かと思うしだいです。ちょうどおあつらえ向きにkataxさん(相変わらず名刺くらい持って来ようよ、いくら顔覚えなくても)がAdvent Calenderとかやるので、デビュー戦にいいのではないかと思ったりしますし。
そんなこんなで、おやすみなさい。 続きを読む
まあ、読むばかりでもなく、ちょっとでもいいので、無理のない範囲で発信してみるというのも、如何かと思うしだいです。ちょうどおあつらえ向きにkataxさん(相変わらず名刺くらい持って来ようよ、いくら顔覚えなくても)がAdvent Calenderとかやるので、デビュー戦にいいのではないかと思ったりしますし。
そんなこんなで、おやすみなさい。 続きを読む
dtk1970 at 00:41|Permalink│Comments(0)
November 22, 2013
法務系Advent Calendar 2013実施、らしい
こらこら、そこのkataxさん、勝手にこちらのことをネタにしないように(苦笑)。
いつも愉快な(謎)katax氏が今年はきちんと思い出したAdvent Calendar企画、やるらしい。
ちなみにお題は「企業法務をスムーズ・効率的に進めるためのTips」らしい。何か書くべきことがあるかどうか…あまり思いつかないが、考えてみよう。メモしておいて、どこか空いたところでエントリをあげることにしようかな。
(追記:とりあえず12/2に入れてみた。)
てなわけで、参加者募集中。読者の方々におかれてはたまには一口のってみませんか??
いつも愉快な(謎)katax氏が今年はきちんと思い出したAdvent Calendar企画、やるらしい。
ちなみにお題は「企業法務をスムーズ・効率的に進めるためのTips」らしい。何か書くべきことがあるかどうか…あまり思いつかないが、考えてみよう。メモしておいて、どこか空いたところでエントリをあげることにしようかな。
(追記:とりあえず12/2に入れてみた。)
てなわけで、参加者募集中。読者の方々におかれてはたまには一口のってみませんか??
dtk1970 at 20:06|Permalink│Comments(0)
November 15, 2013
最近のもごもご
何だかよくわからないですが、まあ怪しげなメモですよ。はい。言いたくてもストレートに言えない事情があったりなかったりするので…。
- 交渉なんて「あちらを立てればこちらが立たず」みたいな面もあって、特定のリスクがクローズアップされて、そこに対する手当てをしたは良いものの、その手当てそれ自体が別のリスクを招来することもあるわけで、そちらのリスクのほうが大きかったりしたら目も当てられない。ある種の比較検討を十分にしたうえで、決めないといけないし、その前提として比較すべきものをきちんと比較検討することが重要になるはず。
- 交渉相手について様子が見えないこともあり、最初は「試用期間」で契約期間を短めにして、良ければ、というアプローチは、相手についてこちらが「試用」しているつもりでも、相手もこちらを「試用」しているという面がある。よって、こちらから見た相手がどうか、というだけを考えると、相手から見たこちらについての配慮が抜けてしまい、こちらが「本採用」と思っても相手がそう思わずに、結果として関係が「試用」限りで終わるリスクもあるような気がする。だからといってそのアプローチを避けるべきというわけではなくて、そのリスクを踏まえたうえで、どう対応していくか、が問題なだけなのだけれど。
dtk1970 at 21:23|Permalink│Comments(0)
October 12, 2013
結局何屋なんだろうか?
右肩の痛みが継続中ということもあり(言い訳)、ぼーっとした思いつきのメモですいません。某所での某氏の発言を見て思ったことなどを…。
企業内でサラリーマンとして働いていると、自分が何屋というか、何をして、給料をもらっているんだろうか?ということが気になることがあるのではないだろうか。自分の「専門性」とか「強み」(この表現は好きではないが、わかり易いので使っておく)、とかはどこにあるのかという辺りにもつながってくる話だろう。
僕の場合、一応「法務」ということで、部署名もそういうところにいるし、このエリアで転職とかが出来ているとしても、実態としてやっていることは、通訳とか翻訳とかそういうことの占める割合が一定以上あるので、そう思う。外資だと、親会社という「ガイジン」の集団があるから、その割合も通常の日本企業よりは増えるような気がする。
通訳とか翻訳が悪いというのではなく、むしろ、それはそれで別の「専門性」があるような気がするところで、それを自分がやっていていいのだろうか、という面と、それをすることで、それ以外にあると思われる自分の「専門性」を伸ばす機会を逸している結果になるのではないかという気がするのと、両方あるような気がしている。量的または時間面で対応しきれず、予算が取れる場合には、その辺は外注するわけだし…。
もちろん、「社内事情」「業界事情」「製品事情」「専門知識(法務でいうと法律知識というやつだ)」がないと質の面で問題が生じるときに、「中の人」のほうが「外の人」よりもその種の知識に優れている場合には、「中の人」がやったほうがよいという結論になりうることも理解する。ただ、それが常にあるわけでもない。
そんなこんなを考えると、頼まれたからといって何でもやっていると、やりたいこと、やるべきこと、が出来なくなる危険性があって、それは、えり好みをしていると何もできないという危険と裏腹なのだろうが、その辺についてどうしたものかと悩むのであった…。例によって結論はない。せいぜいこの種の危険は常に認識しておく必要があるという程度か。
企業内でサラリーマンとして働いていると、自分が何屋というか、何をして、給料をもらっているんだろうか?ということが気になることがあるのではないだろうか。自分の「専門性」とか「強み」(この表現は好きではないが、わかり易いので使っておく)、とかはどこにあるのかという辺りにもつながってくる話だろう。
僕の場合、一応「法務」ということで、部署名もそういうところにいるし、このエリアで転職とかが出来ているとしても、実態としてやっていることは、通訳とか翻訳とかそういうことの占める割合が一定以上あるので、そう思う。外資だと、親会社という「ガイジン」の集団があるから、その割合も通常の日本企業よりは増えるような気がする。
通訳とか翻訳が悪いというのではなく、むしろ、それはそれで別の「専門性」があるような気がするところで、それを自分がやっていていいのだろうか、という面と、それをすることで、それ以外にあると思われる自分の「専門性」を伸ばす機会を逸している結果になるのではないかという気がするのと、両方あるような気がしている。量的または時間面で対応しきれず、予算が取れる場合には、その辺は外注するわけだし…。
もちろん、「社内事情」「業界事情」「製品事情」「専門知識(法務でいうと法律知識というやつだ)」がないと質の面で問題が生じるときに、「中の人」のほうが「外の人」よりもその種の知識に優れている場合には、「中の人」がやったほうがよいという結論になりうることも理解する。ただ、それが常にあるわけでもない。
そんなこんなを考えると、頼まれたからといって何でもやっていると、やりたいこと、やるべきこと、が出来なくなる危険性があって、それは、えり好みをしていると何もできないという危険と裏腹なのだろうが、その辺についてどうしたものかと悩むのであった…。例によって結論はない。せいぜいこの種の危険は常に認識しておく必要があるという程度か。
dtk1970 at 23:45|Permalink│Comments(0)
September 17, 2013
立ち位置の難しさ
日付をバックデートで失礼。某宴会で遅くなったもので…。
某宴会はいろいろと興味深い会話がなされて、個人的には有意義な(関係者の皆さん、ありがとうございました。m(_ _)m)ものであったが、ひとつだけ差しさわりのなさそうな点をメモ。
企業の中での法務の立ち位置というのは、少なくとも自分の中でははっきりさせておく必要があるのかなと。つまり、事業部門のなか、または事業部門よりで、基本的には取引を進める法務と、そういうところから一歩引いて、全社ベースで、みて何がベストなのかをきちんと見極めたうえで、物を言う法務と、無理に二つに分けるとそういう方向性があって、どちらに近いところに自分がいるのか、はたまた、その両者を自分の中で調整していく場合には、どういうミックスをするのか、という辺りは注意が必要ということになろうか。
行け行けどんどんで済めばそれはそれでよいのだけど、どこかで足をすくわれては困るし、足元ばかり見て先に進めないとか、進むスピードが遅くなって、不必要に周囲の足を引っ張るのも困る。所詮程度問題も知れないが、そのあたりの舵取りのさじ加減が重要ということだろう。この辺りは、何をどこまで勘案して決めるかというところに依拠する割合が高いように思われるので、外部よりも「中の人」の優位性が発揮しやすいのではなかろうか。
某宴会はいろいろと興味深い会話がなされて、個人的には有意義な(関係者の皆さん、ありがとうございました。m(_ _)m)ものであったが、ひとつだけ差しさわりのなさそうな点をメモ。
企業の中での法務の立ち位置というのは、少なくとも自分の中でははっきりさせておく必要があるのかなと。つまり、事業部門のなか、または事業部門よりで、基本的には取引を進める法務と、そういうところから一歩引いて、全社ベースで、みて何がベストなのかをきちんと見極めたうえで、物を言う法務と、無理に二つに分けるとそういう方向性があって、どちらに近いところに自分がいるのか、はたまた、その両者を自分の中で調整していく場合には、どういうミックスをするのか、という辺りは注意が必要ということになろうか。
行け行けどんどんで済めばそれはそれでよいのだけど、どこかで足をすくわれては困るし、足元ばかり見て先に進めないとか、進むスピードが遅くなって、不必要に周囲の足を引っ張るのも困る。所詮程度問題も知れないが、そのあたりの舵取りのさじ加減が重要ということだろう。この辺りは、何をどこまで勘案して決めるかというところに依拠する割合が高いように思われるので、外部よりも「中の人」の優位性が発揮しやすいのではなかろうか。
dtk1970 at 23:55|Permalink│Comments(0)
September 16, 2013
制約条件下ということ
例によって思い付きですいません。差しさわりがないように抽象度を上げないとかけないこともあるということで(謎)。
DDを踏まえてM&Aの意思決定をする場合などがわかり易い例だと思うけど、特定の行動を取る際には、それをどこまで意識しているかは別にして、何らかの制約条件があって、それを前提に意思決定しているはず。制約要因は、時間や費用、つぎ込めるマンパワーとかだったり、相手とのビジネス上の関係だったり、まあ、いろいろ考えられる。
その辺について無視して、目の前にある事象だけ捕まえてあれこれ言うのは、アンフェアであるばかりか、制約条件下で悩んで意思決定をした人に対して、その悩みを顧慮していない姿勢を示すという意味で礼を失しているという見方もできなくはない。
その種の物言いをされて、愉快でない思いをすることはある意味仕方がない面がある一方で、自分がそういうことをしないよう、相手のすることの表層だけを見て、制約要因を無視していないか、気をつけないといけない、と自戒する今日この頃。
DDを踏まえてM&Aの意思決定をする場合などがわかり易い例だと思うけど、特定の行動を取る際には、それをどこまで意識しているかは別にして、何らかの制約条件があって、それを前提に意思決定しているはず。制約要因は、時間や費用、つぎ込めるマンパワーとかだったり、相手とのビジネス上の関係だったり、まあ、いろいろ考えられる。
その辺について無視して、目の前にある事象だけ捕まえてあれこれ言うのは、アンフェアであるばかりか、制約条件下で悩んで意思決定をした人に対して、その悩みを顧慮していない姿勢を示すという意味で礼を失しているという見方もできなくはない。
その種の物言いをされて、愉快でない思いをすることはある意味仕方がない面がある一方で、自分がそういうことをしないよう、相手のすることの表層だけを見て、制約要因を無視していないか、気をつけないといけない、と自戒する今日この頃。
dtk1970 at 22:18|Permalink│Comments(0)
September 10, 2013
メモ:非嫡出子の相続分に関する民法900条4号を違憲と判断した最高裁大法廷決定
先日の表題の最高裁決定について。内容については、見解はいろいろ分かれているが、ネットで見た中で興味深い読み方・感想を書かれていたものを備忘のためにメモ。
(おそらくオーソドックスな弁護士さんの読み方であろうという意味で、川井先生のところのエントリをメモ)
続きを読む
(おそらくオーソドックスな弁護士さんの読み方であろうという意味で、川井先生のところのエントリをメモ)
- 嫡出/非嫡出@知財渉外にて。嫡出でないお子さんをめぐる手続き的なところが、個人的には興味深い。
- 町村先生のコメント@matimulog. コメントの最後の部分が、「なるほど」というところ。
- 相続税法の観点からのコメント@W175 N57。公認会計士兼LSの学生様のコメント。税法についての話は正直よくわからなかったが…orz。
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dtk1970 at 22:02|Permalink│Comments(0)
September 04, 2013
何に動かされているのか
以前書いたエントリの裏返しというかなんと言うか…。 相変わらずのよくわからないメモですいません。
契約交渉に限らず、交渉ごと(対外、対内問わず)をどう進めていくうえでは、相手方の置かれている制約条件を意識するのと同様に、何が相手方のモチベーションになるのか、受け入れの要因になるかは重要ではないかと思ったりする。そのうえで、こちらから提案するものが、そういうモチベーション、要因に照らして、受け入れるメリットを感じられる案ではないのであれば、交渉をまとめるのは難しいものにならざるを得ない、と思う。
加えて、こちらの案を受け取った相手の担当者が自社内を説明、説得することができるような内容になっているか、ということも考えないといけないのかなとも思ったりする。件の担当者が稟議書を起案して、それが内部承認されるようなものでなければ、結果的にスタックするだけになることを覚悟する必要があるように思う。
もちろん相手の状況についての想定には限界があるが、想定をしてみることも重要なのではないかと思う。
きわめて当たり前のことだと思いつつも、当たり前のことが常にできているとは限らないということもあり、備忘の意味でメモしておく。
契約交渉に限らず、交渉ごと(対外、対内問わず)をどう進めていくうえでは、相手方の置かれている制約条件を意識するのと同様に、何が相手方のモチベーションになるのか、受け入れの要因になるかは重要ではないかと思ったりする。そのうえで、こちらから提案するものが、そういうモチベーション、要因に照らして、受け入れるメリットを感じられる案ではないのであれば、交渉をまとめるのは難しいものにならざるを得ない、と思う。
加えて、こちらの案を受け取った相手の担当者が自社内を説明、説得することができるような内容になっているか、ということも考えないといけないのかなとも思ったりする。件の担当者が稟議書を起案して、それが内部承認されるようなものでなければ、結果的にスタックするだけになることを覚悟する必要があるように思う。
もちろん相手の状況についての想定には限界があるが、想定をしてみることも重要なのではないかと思う。
きわめて当たり前のことだと思いつつも、当たり前のことが常にできているとは限らないということもあり、備忘の意味でメモしておく。
dtk1970 at 22:03|Permalink│Comments(0)
August 30, 2013
働くことの弊害
相変わらず謎のエントリが続く今日この頃。諸般の事情で書籍の紹介とかもままならないのと、一方で仕事ネタは使いにくいとなると、感じたり考えたりしていることを無理やり?気まずくない程度に抽象化して引っ張り出してみるしか手がないというところ。
それはさておき。ビジネスのサポートをするのが、社内での法務(法務に限らないけど)の立ち位置ということもあるのだけど、サポートするからには、サポートすることが会社(勤務先)のためにならないといけないと思う。とはいえ、ホントにそうなっているのだろうかと思うことがないではない。
契約書にあれこれ親切に説明しても、右から左に聞き流されて、結局わからないと丸投げというのを繰り返す営業マンもゼロではない。「専門性」がある話はわからないから、ということで、投げられて…というのがあると、ホントにアドバイスをするべきなのか、ということがあやふやに思えてくることがある。過保護がマイナスに作用しているようにも見えることがあるわけだ。
ある程度自分で考えて、それでもわからないことは法務に質問するというのが、営業マンのあるべき姿だろうと思うし、それは、営業さんの効率の面からも正当化されるのではないかと思うのだが、その辺のさじ加減については、ベストアンサーみたいなものはなさそうなので、どうしたものかといつも考える。万能の答えがある話しではないのだろうと思うのだが…。
それはさておき。ビジネスのサポートをするのが、社内での法務(法務に限らないけど)の立ち位置ということもあるのだけど、サポートするからには、サポートすることが会社(勤務先)のためにならないといけないと思う。とはいえ、ホントにそうなっているのだろうかと思うことがないではない。
契約書にあれこれ親切に説明しても、右から左に聞き流されて、結局わからないと丸投げというのを繰り返す営業マンもゼロではない。「専門性」がある話はわからないから、ということで、投げられて…というのがあると、ホントにアドバイスをするべきなのか、ということがあやふやに思えてくることがある。過保護がマイナスに作用しているようにも見えることがあるわけだ。
ある程度自分で考えて、それでもわからないことは法務に質問するというのが、営業マンのあるべき姿だろうと思うし、それは、営業さんの効率の面からも正当化されるのではないかと思うのだが、その辺のさじ加減については、ベストアンサーみたいなものはなさそうなので、どうしたものかといつも考える。万能の答えがある話しではないのだろうと思うのだが…。
dtk1970 at 23:59|Permalink│Comments(0)
August 27, 2013
August 24, 2013
副作用というか反作用というか
何だよそれ(苦笑)。
僕だけかもしれないけど、契約交渉とかで不愉快な思いをした相手の会社の製品とかサービスって、どうしても個人としては避けるようになってしまう。
仕事は仕事でやるべきことは、出来る範囲でやるのだけれど、それと個人としての感情は別なので、まあ、そういうことを思うこともある、と。
一個人として、避けられるときは避けるという程度で、業務のときや、個人使用のときでも他の選択肢がないときはやむなく、利用することになるので、有意なインパクトが生じるわけではないのだけど、せめてもの意趣返しというところ。
器の小ささが露呈する話ではあるが、まあそういうこともあるということをなんとなくメモしておく。
僕だけかもしれないけど、契約交渉とかで不愉快な思いをした相手の会社の製品とかサービスって、どうしても個人としては避けるようになってしまう。
仕事は仕事でやるべきことは、出来る範囲でやるのだけれど、それと個人としての感情は別なので、まあ、そういうことを思うこともある、と。
一個人として、避けられるときは避けるという程度で、業務のときや、個人使用のときでも他の選択肢がないときはやむなく、利用することになるので、有意なインパクトが生じるわけではないのだけど、せめてもの意趣返しというところ。
器の小ささが露呈する話ではあるが、まあそういうこともあるということをなんとなくメモしておく。
dtk1970 at 22:50|Permalink│Comments(0)
August 18, 2013
タイミングは重要
いつものごとくぼんやりと思うことをメモ(こればっかですいません)。具体的なことが書けない以上、こういう格好にしかならないということで…。
時宜を得た、というのが適切な表現なのかもしれないが、何か問題に気づいたからといって、直ちに対策に移るのが良いとは限らないこともある。自分には見えている問題点が、周囲には理解されにくいとか、問題は問題だけど、対策を講じるために必要な情報がそろうにはまだ時間がかかるとか、そういう事情のあるときは、しばらく時間をおいてから問題提起したほうが、費用対効果を含めて考えると最適ということもあり得る。
そういうアプローチを取るときのリスクには、当然のことながら、待っている間に問題提起をすべきベストタイミングを逃すということが含まれるので、なかなか取りにくいのだが、周囲と問題認識についてすり合わせができなければそういう結果になることもありえない話ではない。
悩ましいというしかないのだが、リソースという意味でも、権限という意味でも、自分ひとりでできることに限りがある以上はやむを得ないというところか。
時宜を得た、というのが適切な表現なのかもしれないが、何か問題に気づいたからといって、直ちに対策に移るのが良いとは限らないこともある。自分には見えている問題点が、周囲には理解されにくいとか、問題は問題だけど、対策を講じるために必要な情報がそろうにはまだ時間がかかるとか、そういう事情のあるときは、しばらく時間をおいてから問題提起したほうが、費用対効果を含めて考えると最適ということもあり得る。
そういうアプローチを取るときのリスクには、当然のことながら、待っている間に問題提起をすべきベストタイミングを逃すということが含まれるので、なかなか取りにくいのだが、周囲と問題認識についてすり合わせができなければそういう結果になることもありえない話ではない。
悩ましいというしかないのだが、リソースという意味でも、権限という意味でも、自分ひとりでできることに限りがある以上はやむを得ないというところか。
dtk1970 at 23:07|Permalink│Comments(0)
August 09, 2013
何に縛られているのか
例によって例のごとく謎なタイトルですいません。例によって思いつきのメモ。
対外的な交渉にしろ、対内部的なあれこれにしろ、自分が話をしている相手方が言っていることが、ぱっと見には理解しがたいことがあったりする。その他のところで論理的であるにも拘らず、特定のところでのみ首尾一貫性が破綻しているように見えたりすると疑問が残ったりする。
そういうときは、ひょっとすると、相手側の制約要因を見落としているのかもしれない、と思ったりする。相手方が一定の制約の中で動いている(企業の「中の人」であれば、普通はそうだろう。企業以外の場合でもそうだろうけど)ときに、その制約要因から行動様式が規定され、目の前に見えている行動につながっている、というところが見えていないということになっているのかもしれない。それがわかれば、その制約要因が短期的に何とかならないとなると、それを前提にこちらの対応を組み立てることができるかもしれないし、それにより膠着しているものの打開ができるかもしれない(常にできるとは限らないのはいうまでもない)。
そんなこんなを考えつつ、相手方の「次」を考えたりするわけだけど、そういう制約要因を推定するうえでは、想像力も必要だけど、その前提となる情報も重要で、情報もないのに想像しても単なる妄想でしかなくなって、あんまり有用ではないかもしれない。
もちろん、何かに縛られているのは相手だけではなく、自分だって同じはずで、それが何かを意識することも、同様に、時としてそれ以上に重要になるかもしれない。見落としている選択肢や可能性に気づくことができるかもしれないので。といっても、自分自身を縛っているものが何か、というのは自分のことだけに、難しい面もあるような気がしている…。
…というようなことをぼんやり思う今日この頃。
対外的な交渉にしろ、対内部的なあれこれにしろ、自分が話をしている相手方が言っていることが、ぱっと見には理解しがたいことがあったりする。その他のところで論理的であるにも拘らず、特定のところでのみ首尾一貫性が破綻しているように見えたりすると疑問が残ったりする。
そういうときは、ひょっとすると、相手側の制約要因を見落としているのかもしれない、と思ったりする。相手方が一定の制約の中で動いている(企業の「中の人」であれば、普通はそうだろう。企業以外の場合でもそうだろうけど)ときに、その制約要因から行動様式が規定され、目の前に見えている行動につながっている、というところが見えていないということになっているのかもしれない。それがわかれば、その制約要因が短期的に何とかならないとなると、それを前提にこちらの対応を組み立てることができるかもしれないし、それにより膠着しているものの打開ができるかもしれない(常にできるとは限らないのはいうまでもない)。
そんなこんなを考えつつ、相手方の「次」を考えたりするわけだけど、そういう制約要因を推定するうえでは、想像力も必要だけど、その前提となる情報も重要で、情報もないのに想像しても単なる妄想でしかなくなって、あんまり有用ではないかもしれない。
もちろん、何かに縛られているのは相手だけではなく、自分だって同じはずで、それが何かを意識することも、同様に、時としてそれ以上に重要になるかもしれない。見落としている選択肢や可能性に気づくことができるかもしれないので。といっても、自分自身を縛っているものが何か、というのは自分のことだけに、難しい面もあるような気がしている…。
…というようなことをぼんやり思う今日この頃。
dtk1970 at 22:53|Permalink│Comments(0)
August 03, 2013
good practiceの共有?
先日の某セミナーで、本題とはあまり関係ないところで印象に残った点をメモ。
講師の弁護士さんが言っていたのは、自分のところに相談に来るのは、何かやって(まちがったことをした、すべきことをしなかった、やるべきことのやり方を間違えたなど)失敗して問題になったケースが多く、企業の中でこういうことをやってうまく行って問題にならなかったというのは情報があまりないように思う、ということ。
特定の分野についてのコメントではあったが、ある程度は普遍性があるのかもしれない。確かに案件を外の弁護士さんに相談しても、相談した結果をきちんとフィードバックしているかというと、うまくいったケースについてはあまりしていないかもしれない…と我が身を振り返って思うのでありました。
それとは別に、ホントにgood practiceだったとしても、内容がすごく画期的なら、外部に出すのは控えるかもしれないし、そもそも企業特有の事情が作用してうまくいったというケースは、外に紹介しにくいかもしれない(うまくいった原因は見極めも難しいかもしれない)。
そんなこんなを考えると、最初のご発言については、まあ、そうだよなー、と思ったのでありました。
講師の弁護士さんが言っていたのは、自分のところに相談に来るのは、何かやって(まちがったことをした、すべきことをしなかった、やるべきことのやり方を間違えたなど)失敗して問題になったケースが多く、企業の中でこういうことをやってうまく行って問題にならなかったというのは情報があまりないように思う、ということ。
特定の分野についてのコメントではあったが、ある程度は普遍性があるのかもしれない。確かに案件を外の弁護士さんに相談しても、相談した結果をきちんとフィードバックしているかというと、うまくいったケースについてはあまりしていないかもしれない…と我が身を振り返って思うのでありました。
それとは別に、ホントにgood practiceだったとしても、内容がすごく画期的なら、外部に出すのは控えるかもしれないし、そもそも企業特有の事情が作用してうまくいったというケースは、外に紹介しにくいかもしれない(うまくいった原因は見極めも難しいかもしれない)。
そんなこんなを考えると、最初のご発言については、まあ、そうだよなー、と思ったのでありました。
dtk1970 at 23:47|Permalink│Comments(0)
July 25, 2013
最近感じたもろもろ
何だかわけがわからんですが、書けそうなことだけ、自戒もこめつつ箇条書きでメモ。いろいろストレートに書きにくいことが多いのです(白目)。
#前の別のエントリとタイトルが重なったので、エントリのタイトルを修正します。
#前の別のエントリとタイトルが重なったので、エントリのタイトルを修正します。
- 抽象化は必要だけど、過度の一般化が時に有害なことは忘れてはいけない。抽象度の上げ方にも適度さが重要。
- 断言するときには根拠の裏取りを忘れないようにしないといけない。経験からモノをいうときは、自分の経験の射程距離というか有効範囲についての吟味は必要だろう。
- ネットで調べて出た内容については、書き手の素性や理解度が不明だったり、書かれた時期が古かったりする可能性もあるので、その辺の見極めがつかないものは使わないほうが無難か。
- 一定の影響力(広い意味で)を行使しうる立場になったことは自覚しにくい。その自覚とそれに伴う配慮が不十分だと、気づかないところで他人を傷つけかねない。
- 偏見にとらわれていないかは常に反省が必要。それと健全な懐疑との区別は簡単とは思われないにしても。
dtk1970 at 23:02|Permalink│Comments(0)
July 23, 2013
July 18, 2013
自民党憲法改正案に関してメモ
選挙前ということもあり、あちこちにいろいろ見たので、目を引いたもののみまとめてメモしておく。まだ全部に目を通せたわけでもないこともあり、個々の内容についてはコメントはせず、メモのみ。
追記2):ジブリのところは、気づかなかったが「無断リンク禁止」とあったので、一応はずしておく。検索すれば出てくると思うが。
- 自民党:「憲法改正草案」を発表。
- 現行憲法との比較表@dankogai
- 自民党憲法草案の条文解説@saltlaws
- 憲法学者は自民党改憲案をどう読んだか
- 上記のエントリについての町村教授のコメントのエントリ。
- スタジオジブリの小冊子熱風「憲法改正特集」(期間限定公開)
- マンガ「もし96条を改憲したら」
追記2):ジブリのところは、気づかなかったが「無断リンク禁止」とあったので、一応はずしておく。検索すれば出てくると思うが。
dtk1970 at 20:31|Permalink│Comments(0)
July 15, 2013
突っ込みの余地
ぼうっと思ったことのメモ。例によってわかりにくくて申し訳ない。
自分が見えている範囲がすべてだと思うな、突っ込みどころがないようにみえても、それは自分に見えていないだけ。自分の見えていない部分が存在する可能性を意識しろ、というのは、ある意味法務にとっては大事なことではないのかと思っている。契約書のドラフトとかを検討するときにも(それに限った話ではないけど)、自分の想定能力の限界(それが割に近所にあるのはさておき…)は意識しないと思っている。
もちろん、そういう余地が生じないように情報収集をして、想定をめぐらすのが重要というのは理解するけど、諸々の制約の中でそれが常に実現可能な話であるかどうかというのとは別の話。ついでにいうと、事後的に問題になったことが事前に見えなかった場合、それがなぜだったのかということも、それを騒ぎ立てるかどうかは別の問題として、自分の中で意識しておく必要があるのだろうとも思う。
傍目からそう見えるかどうかはさておき、そういうことは常に頭の片隅においているつもりだし、少なくとも僕にとっては、それは必要なことだと思っている。それがどう作用しているのか定かではないが、こういうところでも、どうしても大きなことが言いにくいように思えてしまう。自分の小市民振りというか、小心さ加減に苦笑するしかないのだが…。
自分が見えている範囲がすべてだと思うな、突っ込みどころがないようにみえても、それは自分に見えていないだけ。自分の見えていない部分が存在する可能性を意識しろ、というのは、ある意味法務にとっては大事なことではないのかと思っている。契約書のドラフトとかを検討するときにも(それに限った話ではないけど)、自分の想定能力の限界(それが割に近所にあるのはさておき…)は意識しないと思っている。
もちろん、そういう余地が生じないように情報収集をして、想定をめぐらすのが重要というのは理解するけど、諸々の制約の中でそれが常に実現可能な話であるかどうかというのとは別の話。ついでにいうと、事後的に問題になったことが事前に見えなかった場合、それがなぜだったのかということも、それを騒ぎ立てるかどうかは別の問題として、自分の中で意識しておく必要があるのだろうとも思う。
傍目からそう見えるかどうかはさておき、そういうことは常に頭の片隅においているつもりだし、少なくとも僕にとっては、それは必要なことだと思っている。それがどう作用しているのか定かではないが、こういうところでも、どうしても大きなことが言いにくいように思えてしまう。自分の小市民振りというか、小心さ加減に苦笑するしかないのだが…。
dtk1970 at 21:41|Permalink│Comments(0)
July 09, 2013
ダメの出し方
いくつかの事態を見ていて思ったことのメモ。
特定個人の言動に限った話ではないが、特定の誰か(人であれ企業であれ)の行動に違和感を表明するなり、駄目だしをする際に、それを提示された相手が「改善」策を取る気になるような提示の仕方をしないと、提示それ自体に反発だけになるか、単に無視されるか、で終わる可能性が高くなるような気がする。
もちろん、放置して事態が悪化するのを避ける意味で、違和感の表明なり駄目だしだけでもする意味はあるかもしれない。ダメ出しと改善策の提示を別々の人がする、というアイデアも考えられなくはない、が、人を分けると連携がうまく行くのか不明な点が残る。ともあれ、そういう提示の仕方では、単にやらないよりはまし、という以上にどこまでの意味があるかは、正直よくわからず、自己満足以上に何があるのやらという気もするし、違和感の表明と駄目だししかせずに、事態が「改善」しないと嘆くのには、傍で見ていると、自業自得という気すらしてしまう。
また、目に付いたものに、脊髄反射的に「気持ち悪い」といっても、それ以外に同様かつもっと広範なものがあるような場合だと、目に付いたものにだけ反応することに何の意味があるのかということも疑問に思えてしまう。たとえ、その脊髄反射的な反応それ自体に納得できるものがあったとしても。ただ、そういう議論はしても、見えているものが異なるので、議論にならないのが大半なのだろう。
とはいうものの、上記のようなダメ出しの仕方を、下に人がついたときに、自分もやってしまいがちなので気をつけないといけない。でも、いざ自分のことになるとそう簡単ではないわけで…。
特定個人の言動に限った話ではないが、特定の誰か(人であれ企業であれ)の行動に違和感を表明するなり、駄目だしをする際に、それを提示された相手が「改善」策を取る気になるような提示の仕方をしないと、提示それ自体に反発だけになるか、単に無視されるか、で終わる可能性が高くなるような気がする。
もちろん、放置して事態が悪化するのを避ける意味で、違和感の表明なり駄目だしだけでもする意味はあるかもしれない。ダメ出しと改善策の提示を別々の人がする、というアイデアも考えられなくはない、が、人を分けると連携がうまく行くのか不明な点が残る。ともあれ、そういう提示の仕方では、単にやらないよりはまし、という以上にどこまでの意味があるかは、正直よくわからず、自己満足以上に何があるのやらという気もするし、違和感の表明と駄目だししかせずに、事態が「改善」しないと嘆くのには、傍で見ていると、自業自得という気すらしてしまう。
また、目に付いたものに、脊髄反射的に「気持ち悪い」といっても、それ以外に同様かつもっと広範なものがあるような場合だと、目に付いたものにだけ反応することに何の意味があるのかということも疑問に思えてしまう。たとえ、その脊髄反射的な反応それ自体に納得できるものがあったとしても。ただ、そういう議論はしても、見えているものが異なるので、議論にならないのが大半なのだろう。
とはいうものの、上記のようなダメ出しの仕方を、下に人がついたときに、自分もやってしまいがちなので気をつけないといけない。でも、いざ自分のことになるとそう簡単ではないわけで…。
dtk1970 at 22:08|Permalink│Comments(0)
June 24, 2013
何のために
例によってわかるようでわからない格好のメモで失礼。
契約交渉であれ、その他であれ、交渉ごとは特定の目的、使命があってやっているはずなのだが、交渉を脇から見ていて、いったい何のためにやっているのだろう?と思うことがないわけではない。 その種の疑問が生じる理由はいろいろあって、そもそも内部での調整が不十分(内部的に一枚岩でないということも含め)とか、交渉開始当初と状況が変化しているのに、変化に対応して目標とかの見直しができてない、単に人が変わって情報の引継ぎ漏れがある、とか、まあ、いろいろありうるような気がする。前にメモしたような、最適化の検討範囲がずれているということもそういう理由に含まれるだろう。
問題と考えたときには、一応の修正は試みるようにはしているのだが、言うほど簡単ではないという気がしている。情報のギャップは埋めれば何とかなりそうな気がするけど、よって立つ基本的な考え方のギャップは、それほど簡単ではないような気がしている。この辺りの予兆の察知がうまくできるようになると、軌道修正もしやすくなるはずと思いつつも、どうしたものかと都度悩むだけに終始しているのが何とも…。
契約交渉であれ、その他であれ、交渉ごとは特定の目的、使命があってやっているはずなのだが、交渉を脇から見ていて、いったい何のためにやっているのだろう?と思うことがないわけではない。 その種の疑問が生じる理由はいろいろあって、そもそも内部での調整が不十分(内部的に一枚岩でないということも含め)とか、交渉開始当初と状況が変化しているのに、変化に対応して目標とかの見直しができてない、単に人が変わって情報の引継ぎ漏れがある、とか、まあ、いろいろありうるような気がする。前にメモしたような、最適化の検討範囲がずれているということもそういう理由に含まれるだろう。
問題と考えたときには、一応の修正は試みるようにはしているのだが、言うほど簡単ではないという気がしている。情報のギャップは埋めれば何とかなりそうな気がするけど、よって立つ基本的な考え方のギャップは、それほど簡単ではないような気がしている。この辺りの予兆の察知がうまくできるようになると、軌道修正もしやすくなるはずと思いつつも、どうしたものかと都度悩むだけに終始しているのが何とも…。
dtk1970 at 23:54|Permalink│Comments(0)