契約法務

June 16, 2018

修正の有り様について

以前エントリで書いたこととか,つぶやいたことに重なるが,備忘のために現時点での自分の考えのメモ。

PDF(極端なケースでは自社側押印済の状態で回ってくる場合も含む),または,WORDでロックかけた状態で契約書の雛形を送ってくる行為についての議論がタイムライン上等で流れていた。

受領する側の法務担当者としては,どういう状態で来ようが,自社の利益を考えれば,修正を求めるべき内容と判断すれば,まずはそれを求めてみるべき,であり,後は手間の問題というところになるような気がする*1,2

そうなると,双方の手間の極小化が求められるべきところなので,個人的には,次の2択が望ましいのではなかろうかと考える。

  1. 約款の類のように,少なくとも基本的な部分は,共通化を図りたいということであれば,約款部分はpdf*3でもやむなしか。ただし,必要に応じて別の書面で修正をする*4
  2. 上記以外はwordのやり取り。ただし,変更履歴が必ず残るよう,ロックはかける。そうしないと,いちいち全文一言一句チェックしないといけなくなるから。






続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 11:53|PermalinkComments(0)

May 21, 2018

それにはそれなりのわけが

リアクション芸人風のメモで,かつ,既につぶやいたことの一部再掲になって恐縮ですがメモ。

鯖氏によるエントリについて思ったことを。

企業間NDAについての裁判例・判例がないという点について。NDA違反とかは訴訟に馴染まないから,仮にNDA違反とかがあっても,裁判例自体が生じないのではないか。守秘義務との関係で問題があったとしても,訴訟以外の手段で解決されるから,訴訟にならないのではないか,と感じる。

そもそも,NDAによっては,NDA締結の事実及びNDAの存在を外部に開示しないよう当事者に義務付けるようなものすらある。そういうのを見たことがあると,そういう条項があるような契約類型においては,違反について,訴訟という第三者たる国家機関による判断を求める手続きに訴えるのには,馴染まないのではないかと感じずにはいられない。訴訟になった場合,不正競争防止法上での保護が得られないときには,訴訟資料が公開されてしまうことも想定されるところなので,訴訟という手続きに訴えるのは,NDA締結の趣旨を没却することにもなりかねない,という判断になりそうな気もする。

そこまで考えると,仮に何かが起きても,訴訟以外の手段,例えば,営業経由での相対交渉とかでトラブルを解決するということも考えられる。秘密情報を巡るやり取りとかが外部にもれないという意味においては当事者双方にメリットの有る話なので,そういうやり方をする事例もあるのではないかと感じるところ。
(この種の話が仮にあったとしても,上記のような考慮の結果であれば,当然,表には出てこないだろう)

また,NDAについての紛争が見られないことをもって,NDAは締結するご利益に乏しいという物言いにも接したことがあるのだが,単にNDAが有効に機能していると何もトラブルは生じないので,この種の物言いには,強い違和感を感じるところでもある。

そんなこんなを考えると,冒頭にリンクを張ったエントリについては,議論の飛躍があるのではないかと疑問も感じるところ。もちろん,NDAの文言と情報管理の実体との間で齟齬があると却って危ないから(NDAの締結の事実に安心して実体を見なくなると,却って有害かもしれないし),NDA締結の事実に過度に依存すべきではなく,その限りでは結論には同意するのだが。



このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 23:28|PermalinkComments(0)

May 13, 2018

そのわけは?

一部呟いたことではあるが,メモをば。

概略,契約書の文言とビジネス実態との間に齟齬があるときに,実態に合わすべきという趣旨の話について,一流企業とかでも齟齬が見られる点を問題視する呟きを拝見した。

確かに,一般論としては,契約書の文言とビジネスの実態との間に齟齬があるのは好ましいことではない。そこで,通常は文言の方を実態に合うようにすべき,なのだろう。企業法務の担当者の立場からすれば,そういう風に考えるのが通常であろう。

しかしながら,齟齬が問題になるのは,契約書の文言に戻って解決すべき問題が生じたときである。裏を返せば,仮に何か問題が生じたとしても,契約書の文言に戻る以前に,当事者間の力関係で片が付くのであれば,そもそも契約書の文言の適否は問題とならない。一方当事者がそのような認識でいるのであれば(実態としてどうかという問題ではないことに注意),当該当事者にとっては,ことさらに実態と合わせなくても問題はないという見方も可能である。それどころか,その見方からすれば,当該当事者にとっては,実態に合わせるべく議論するのも,ややもすれば手間暇の無駄となりかねない。当該当事者が大企業であって,稟議だの決裁だのの手間がかかるとなればなおのこと。そこまでの手間をかけることで,双方当事者にかかるコストが膨大になることも想定される。そして,当該当事者にとっては,そのような手間をかけても,手間によって新しく得られる便益はないに等しいとなれば,効率化への要請が厳しい昨今では,そのような手間をかけることは内部的に許容されないということにもなりかねない。

つまり,そういう場合は,契約書の締結は,書面の存在が重要という意味でしかなく,内部統制等から生じるある種のアリバイ作りでしかないことになる。個人的にはそういう状態が好ましいとは思わないが,そういう事態と思われる状況に遭遇したことがないではない。

そういう認識が前提にある相手に対し,文言の修正を求めるとなると,そういう前提がない相手と対峙するのとは異なるアプローチが求められることになる。もっとも,そもそも,そういうことを言う相手とは取引しない,と言われる可能性もあるので,如何なるアプローチが有効なのか,個人的にはよくわからない。

また,これに類似していると感じる点として,仮に文言上権利として規定してあっても,特に当事者間の継続的取引関係が想定されている場合に,力関係の弱い側の権利行使が,他方当事者からの爾後の発注を受けられなくなる危険を生じさせ,それゆえに当該権利行使が事実上できないこともある,という場合も想定されるし,実際見聞きしたことがある。

一番最初の問題提起については,以上のようなことも踏まえて議論を考える必要があるとも感じるところ。文言を弄るだけの問題で済まないのが重要と感じる次第。


このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 09:11|PermalinkComments(0)

May 10, 2018

はやさの意味

修習絡みのネタは迂闊に書きづらいし,時事ネタには反応しないのを旨としているので,購入した書籍類の紹介・そのうちの読んだものの感想のエントリが多くなりがちだが,某件については,色々感じるところがあったので,若干のメモを。

(以下については,業界によって事情が異なるところがあるかもしれないので,こちらの経験した範囲に基づく感想であることをあらかじめ断っておく)





続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:00|PermalinkComments(0)

March 17, 2018

現役法務と顧問弁護士が書いた 契約実務ハンドブック / 長瀨 佑志 (著),‎ 長瀨 威志 (著)

ご縁があって出版社の某氏からいただいたもののうちの一冊の感想をば。修習生モードに頭がなっているので,たまには企業法務モードに切り替えて,読んでみて気づいたことを書いてみる(といいつつ,書いてからupするまでに時間が空いてしまった…)。

債権法改正も視野に入れつつ,今時の契約法務周りの実務を幅広に鳥瞰する本という感じの本。契約準備,契約交渉,ドラフティング,トラブル発生,解決方法(解決方法で執行・保全まで触れているのは有用という気がした),という時間軸,及び,売買契約,金銭消費貸借契約,不動産売買・賃貸借契約,ソフトウエア開発委託契約(業務委託契約),労働契約という類型別,にそって,契約書の雛形及び周辺的な事柄について実務的な点を整理,解説している。目次部分にマトリクスでこれらの項目が整理されているので,一覧性があって,検索もし易い。

また,それぞれのセクションごとに法務担当者と外部弁護士との役割の差異についての記載があったり,企業側が弁護士事務所とどのように関わっていくかという点についての記載もあり,後者については相談メモや意見書の例もあるところは,特徴的といえるかもしれない。

そんなこんなを考えると,契約法務(機関法務あたりと対地する感じか)の担当者の最初の一冊としては適当なのではないかと感じるところ。特にリスクについて,取ってはいけないリスクと,取った上でコントロールするリスクとを明確に区別して論じているのは,むやみにリスク回避的になるのを戒める意味でもよいと思われる。

続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:10|PermalinkComments(0)

February 18, 2018

新・国際売買契約ハンドブック / 住友商事株式会社法務部 (編集),‎ 三井物産株式会社法務部 (編集),‎ 三菱商事株式会社法務部(編集)

約四半世紀の時を超え,名著と評判の高かった書籍の新版が出た。一通り目を通してみたので感想などをメモしてみる。財閥系総合商社3社の法務部の方々が集って作ったものの新版であり,創業商社というだけでひれ伏したりしないものの,新刊予告を発見した時点で,前著は読んだことがなかったものの,期待はしていたので,書店で見つけてその時点で捕獲,もとい,確保した。結論からいえば,国境を越えて物の売買をする契約を取り扱うのであれば,座右において,適宜紐解くに値する本ではあるかと思う。

続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 10:42|PermalinkComments(0)

September 30, 2017

それで「動ける」のか?

またもや怪しげなタイトルですいません。

無双なronnor先生の次のつぶやきを見て思ったことを、既につぶやいたことを基にメモしてみようかと。


契約書の案文を見て、この案文が実務的に「ワークする」というか、その案文で自分たちが「動ける」のか、という視点はものすごく重要。訴訟の文脈での位置づけについては別論があるとしても、当事者間においては、契約書は、まずは行為規範となる以上、自分が当該行為規範たる契約に従って「動く」ことができるかという視点が必要。できもしないことを約束するのは、倫理的にも問題なうえに、リスク管理という意味でも問題があるから。



続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 22:57|PermalinkComments(0)

August 31, 2017

判子についてのメモ

色々あって、現時点でのこちらの理解という形になるが、メモしておこうかと。某先輩からご示唆いただいた二分法がわかりやすかったので、それを借用しつつ、僕の経験に基づいて、ちょっと整理してみる。こちらの経験不足・勉強不足等に起因する誤解などあれば、ご指摘いただければ幸甚。続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 09:00|PermalinkComments(0)

July 14, 2017

国際交渉の法律英語 そのまま文書化できる戦略的表現 /中村 秀雄 (著), 野口ジュディー (その他)

夏バテぎみだが、いつもお世話になっているマンサバさんに振られたので、既につぶやいた内容(公開下書きモードとも言う)に基づき感想などを。

歴戦の勇士、という感のある著者が、英語nativeの英語教育の専門家の力を借りて、法律英語で使う基本的な英語の用語について、類ごとの差異・使い分けを解説しているというのが、メインの部分。詳細は目次を見ればわかるように、日本語としての意味に基づき分類し、解説するという形を取るのがメインの部分。
それとは別に、後ろの方に関係構築のための英語についての話もあって、それはそれで有用。


続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 22:14|PermalinkComments(0)

June 09, 2017

サプライヤー起因の不具合への対応についてのメモ


こちらの記事を発端として、先般、twitter上で興味深いやり取りがあったところ。togetterとかでまとめようかとも思ったけど、面倒なうえ、他人様のつぶやき等を勝手にまとめるのもなんだか躊躇われたのと、補足をしたほうが良さそうなところもあるような気がしたので、自分の言葉でエントリにしようかと。
#2017/6/11ちょっと加筆した。

サプライチェーンの途中にいる業者の立場で、自社のサプライヤーからの供給が、当該サプライヤー起因の何らかのトラブルにより遅れる、止まる、または、供給内容に欠陥などが生じた場合にどうするか。そういう事態にいたる理由は様々でありうるとしても、自社としてはどうすべきか。そういった辺りに、ついて、ざっくりとメモにしてみようかと思う。






続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 23:58|PermalinkComments(0)

February 22, 2017

契約書の内容確認について(リアクション芸人風)

例によって無双様の連載が興味深いので、契約書チェックの回を拝読していて思いついたことを以下箇条書きで。既にネタにした内容とかぶるかもしれないけど、その辺はご海容を賜りたく。

  • 定義条項、定義条項だけ読んでいても正直わかりにくいように思うので、全体像をざっと眺めたのちに、定義条項以外のところを読んでいて、そこで言及されるたびに、言及されている個所において、齟齬がないかという確認の仕方もありかな、と思う。
  • 定義の仕方については、定義条項を読まなくても、ある程度定義されている内容が想像しやすい方が、効率とメンテナンスのしやすさのうえでは重要かと思う。文中にあるように、定義に使った言葉から定義の内容が想像しづらいのは誤解のもとになると思う。
  • 定義条項の中にこっそり定義以外の内容(当事者の義務とか)が入っていないかの確認は別途いるかも。悪気がなくても、慣れてないとやってしまう場合があると思うけど、メンテナンスはしにくくなると思う。
  • 当事者について、甲とか乙とすると、間違いに気づきにくいので、可能であれば、当事者の略称にするか、役割に応じた形(買主とか売主とか)にする方が、良いように思う。
  • 形式的なチェックという意味では、境界値(以上とか以下とか)の扱いが明確か、曜日の扱い(期日が日曜日、祝日、年末年始とかに当たった場合の扱い)が適切になされているか、通貨の換算が必要な場合に、適切に書かれているか(換算レートはいつ時点のどのレート?)というあたりも含めてもいいのかもしれない。
  • 形式面ではあるのだけど、時間軸との関係で時々問題になるのは、押印名義(サイナー)となる方の異動がある場合に、締結日との関係で整合性が取れているか、何らかの事情でバックデートになるときに、締結時点の適切な押印(サイン)権限者になっているか、という点も気を付けた方がいいように思う。なお、バックデートのときは、会計・税務上問題となる可能性があることも要確認。
  • 自分の目だけで不安、でも、他の人の目を借りにくい、というときは、一旦時間をおく(トイレで顔を洗ってみるとかもアリか)、見る環境を変える(場所を変える、モニターで確認しているなら、一旦紙に打ち出してみる)という手はあると思う。
・・・大したコメントになってないけど、備忘もかねてupしておく。


このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:45|PermalinkComments(0)

December 03, 2016

最近NDAについて考えたこと

例によって事前の仕込みですが、#legalAC企画エントリです。

ここ2日キャリア形成についてのお話が続いていて、それはそれで興味深いのですが、そればっかりもどうかと思うので…違う話題にしようかと(言い訳)。

当初は他の話題にしようかとも思っていたのですが、とっつき易い話題の方が盛り上がりやすいかと思ったので(謎)、今年に入ってから、NDAについていろいろ考える機会があり、いくつか、考えたことのうち、ネタにしてよさそうなこと等をまとめてみようかと思います。またかよ、とか言われそうですが。

以前、某先輩が「たかがNDA、されどNDA」とのたまわれたように、これはこれで奥が深いというかなんというか…。まあ、ビジネスのとっかかりのところで結ぶのと、取り交わした後でなされることを見すえないとこちらに不利になるので、そうならざるを得ないのかもしれません…。


続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:00|PermalinkComments(0)

October 02, 2016

内側外側



いや、これが脳裏を回るので…。

というのはさておき、 先般呟いたことについて、頭の整理を兼ねてメモ。雑駁な整理なのはご容赦あれ。

 続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:37|PermalinkComments(0)

August 07, 2016

契約書のドラフティングについてのメモ

NBLの某対談に対する川井先生のエントリ及びそれに対する戦士さんの呟きを読んで、メモ。すでにお二方も含めつぶやかれるなどしたこととも重なるかもしれないけど、自分の頭の整理もかねて、思うところを箇条書きで。
(こういうリアクション芸人的なものだけだと、なかなか「ちゃんとしたエントリ」にはならないけど、こちらの諸々の状況からすれば仕方がないのだろう)
  • 大概のことがそうであるように、契約書のドラフテイングも諸々の制約要因の中でなされる営為であり、その営為の成果物たる契約書も、制約要因から完全に自由となるのは難しいし、その意味で、紛争となった場合に、文脈抜きで、第三者たる裁判所が、外在的視点で独自で解釈できるか、そうすることが可能な程度に書ききれているか、というと、状況による、としか言えないのではなかろうか。各種の制約要因がどういう影響を及ぼすかは、個別の状況いかんとしか言いようがないと思うので。
  • 前述の制約要因の中には、法務側のリソース(経験値、時間、予算)の問題や、時間的制約、自社側の事業部門またはそのほか関連部門のリテラシーの問題、相手方のそれらの問題、相手方との交渉力の問題、などが含まれる(が、これらに限られないかもしれない)。
  • 大規模なM&Aの最終契約のような場合は、時間を別にすれば、それ相応にリソースを確保して、ことにあたるだろうから、相対的には、外在的な視点での解釈が可能かもしれない反面、それを排除すべく、それ相応にレビューとかをしているから、NBLの記事にあったように、裁判所に余計なことをしてくれるな、という議論にもなりやすいのではなかろうか。
  • 他方、制約要因の中で、手持ちのリソースに鑑みると、完璧を目指すには程遠い、となったときにどうするかといえば、ある種のリスクアプローチというか、トリアージというか、何か問題になりそうな事象が起きた時に、どうなるかを考えて、リスクの最大値が大きくないと見込まれたものの優先順位を下げ、その反対のものの優先順位を上げるというような対応になるのではなかろうか。何かが起こってもたかが知れていると思えば、契約類型が間違っていても、請負のはずなのに売買契約のひな型を使うというような事態を許容することも十分あり得ると思う。そういうものについて、書面の文字面だけ読んで解釈されても、ちょっと困るのではなかろうか。
  • とはいえ、事前のリスクの読みと、実際に紛争になるか、ということとの間に、明確な因果関係とかはないと思われるから、裁判所とかに出される契約書が、どういう素性?のものかは、正直予断はできないはず。
 

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 22:15|PermalinkComments(0)

July 18, 2015

「スタイルガイド」についての若干のコメント

例によって、新しいことを始めるのが得意なkataxさんの試みの尻馬に乗ってみることにする。

契約書ドラフティングスタイルガイド

まあ、この表題については、某無双さん方面とかから違和感の表明があったけど、それはそれとして(*)、 コメントを数点メモ。

いずれも細かい話で恐縮なのと、こちらのダメ法務ぶりを露呈しそうだが、まあ、その辺はご容赦あれ。
  • 当事者の略記として、甲とか乙はやめておけという指摘については、同意なんだけど、理由について、補足めいたことを。
    当事者間で義務の押し付け合いの交渉をしているようなケースでそういう表記をしていると、いじくり回しているうちに、混乱して取り違えて、結果的に辻褄の合わない契約書が出来上がって、しかもそれにお互い気づかないという事態を招く可能性がある。内容を理解しているという頭で読むとその辺気づきにくくなりやすいこともあるように思う。僕自身はそういうことで自分のミスで青くなる経験はないが、以前、取り違えたのに気付かずに締結後数年近く経過したのちに、そのミスに気付いて修正したという例を見たことがあるので…。そういうことは起こりうるということから、氏名の略記(X株式会社であればX)または主な役割(売買契約では、売主とか買主とか)とかのほうがまだ安全ではないかと思う。
  • 定義条項を設ける場合には、定義の条項の中には当事者の権利義務に関する話は入れないこと。姑息な手としてそういうことを交渉相手にされることがあっても、自分はしないほうがいい。理由は簡単で、権利義務の検討をする際に、定義条項をみると、長い契約書では、面倒でメンテナンスしにくくなるし、端的に見落すリスクもあると思う。
  • 条文に( )書きで見出しを付す場合、条文の内容の変動に応じて、見出しが内容を適切に反映したものとなっているか、都度検討する必要が生じる。見出しだけ直し忘れという事態が生じうるし、それによって、後から誤解するリスクも有るということ。そういうことが生じうるから、英語の契約書では、見出しについては参照用に過ぎない、というような条項が入ったりするということを理解しておくべきだろう。条項の変更、削除、追加とかしていると時に見落とす危険があるように思う。
続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:36|PermalinkComments(0)

November 18, 2014

法務部員のための 契約実務共有化マニュアル For Legal department Manual of contract business sharing / 河村 寛治 (著), 宮田 正樹 (著), 河西 潔 (著)



仕事の早いはっしーさんが早々に紹介されていたが、同時期に入手していたものの、遅ればせながら、一通り目を通した感想をメモ。

商社法務の経験者の先輩方が、契約法務に特に重点をおいて、営業マン向けに、彼らに関係のある法務的分野について書いた解説書、というところで、はしがきでも、法務担当者がまず読んで、営業マン向けの研修に使うことを想定して書いた、とある。

一読した印象では、そういう用途向きなんだろうな、というところ。営業マンに一から読んでもらうのは、法律関係の書籍としては薄めとはいえ、分量の面でも厳しいという気がする。内容面でも、表や図がうまく使われていて、文章も法律書にしては相当程度噛み砕いて、読みやすく書かれているけど、でも、まだ、難解と取られても不思議はないように見受けられる。そうだとすると、法務担当者が自社の状況に応じた調整も含め、補足説明をしながら、研修をする、という感じになるのだろう。 なお、渉外系のお話は明示的には含まれていないが、その辺の特殊要素は別途補えばいい話だし、基本は共通のはずだから、こういう書き方もあり、だろうと思うところ。

個人的には、寧ろ、いわゆるセオリー本と一緒に、初心者の法務担当が読むという使い方の方がいいのではないかという気がした。社内での契約書の取り扱い方とかも書かれているから、便利だし、法務担当者になろうという人間にとってで、あれば、ここまで噛み砕いてあれば、一人でも十分とっつきやすいだろう(これがダメならそもそも人選ミスと言えるくらいに)。まずは営業マン向けに最低限のアドバイスができるようになってもらうという感じか。もちろん法務担当者については、この範囲はあくまでも最初、であって、その先に行かないといけないのだが、手際よくまとめていただいているので、ここからスタートというのも悪い話ではないように思う。 そういう意味では一社に一冊あっても良いのではないだろうか。続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 18:47|PermalinkComments(0)

July 01, 2014

「同じ」?

なんだよそれって感じだし、以前も似たようなことを書いたかもしれないが、某所での某エントリ(面倒を避ける大人の知恵としてリンクせず)を見て思ったことを備忘のためにメモ。

似たような話が続けてくると、「同じ」話だから同じように処理してくれという依頼が来る*1。言いたいことは分からないではない。同じであれば、法務側の事務処理が簡単に済むだろうから、という発想は理解できる。法務に依頼する側からすれば、法務の契約審査は簡単に終わった方がいいだろうから。

しかし、本当に「同じ」なのか?と思うこともある。 
別にIT業界ほど足の早い業界でなくても、事態はあれこれ変わるわけで、そんなに簡単に「同じ」という判断をしてよいのか、時として疑問に思うのである。
企業体としての契約当事者が同じであっても、その企業の業績とかが異なることもあるし、逆に自社側の状況も異なるかもしれない。対象製品・役務に関する市場の状況も異なるかもしれない。 他の事案で何か学習して、従前とは異なる処理をする必要があるという認識があるかもしれない。*2

…というようなことを色々考え始めると、そう簡単に「同じ」で処理していいのか、という気になるのでありました。
 続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:30|PermalinkComments(0)

May 20, 2014

漢字使用などについて

とある方のtwitterで経由で拾ったのでメモ

 
まあ、法令における漢字使用の決め事なので、それ以外の文書で常にこれに習わないとイケナイということはないと思うのだけど、一方で、常にこれに従わないと誤りであるということを真顔で言う方々もおられるので、必要に応じて従えるようにはしておくべきかと思ったりします。 

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 23:43|PermalinkComments(0)

May 08, 2014

NDAについてのメモ(その2…らしい)

たまには書きたくなったのでメモを。脳裏をよぎったこと、というか、思い出したことを備忘のためにメモしているだけだけど。
  • 秘密保持義務の例外で、役所とかに開示するケースがあるけど、あの開示対象も、M&Aなんかが絡むNDAの時には、取引所(日本では私企業なので役所とかに含まれない…時々忘れそうになるのだが)とか、FAとかDDに関与する外部専門家とかまで含めるけど、それ以外のNDAではそこまでは不要なはず。
  • いわゆる「立ち入り」とかdawn raidがあって、情報を持って行かれたときのことを考えると、官庁からの要請があって開示を余儀なくされたような場合について、開示されたのは仕方ないけど、事前又は事後にその旨を連絡せよ、と規定するのは、どこまで機能するかは結構微妙かも。立ち入りの密行性を維持する観点から、踏み込まれてどういう情報を持って行かれたか、ということ自体を外部に言うなという立ち入りした側から命令も出るかもしれないから。さすがにその指示には逆らえないだろうから…。性質上可能な限りとか何とか逃げを打つしかないのだろうけど。



 続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:15|PermalinkComments(0)

February 26, 2014

私家版 国際契約を学ぶためのブックリスト

BUのLLMで一緒だった、某弁護士さんから、概略次のような質問をいただいた。
 
「法務部員が国際取引を学ぶ入門書的なものとしておすすめはありますが?それと法務部員として英文ドラフトを勉強するのにお勧めの勉強法とか」

で、コメントはさせていただいたのだが、ついでなので、適宜加筆しながらエントリにしてみる。洋書については、それほど知らないので、和書で自分で勉強しようというところを前提としてご紹介してみる。紹介した本について、こちらのblogで、ご紹介したものは、そのエントリを、そうでないものは、アマゾンまたはその他にリンクも張っておく。どこかのタイミングでこの手のエントリを書いてみようかと思っていたので、渡りに船、というところ。

なお、以下は、現時点での私見なので、そのつもりでお読みいただきたく。さらに、今まで書いたことの繰り返しなので、長らくご愛顧いただいておられる方々にとっては退屈かもしれません。
*現時点の私見なので、過去に書いたエントリの内容とは必ずしも整合していないかもしれません。あしからず。

 



続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:40|PermalinkComments(0)

February 19, 2014

改訂版 契約実務と法-リスク分析を通して- /河村寛治 (著)



はっしーさんが以前褒めていた本。僕自身にとっては、なんだか相性が悪いというか、理由はよくわからないものの、どうも読み通せずにいて、気になっていた。今回改訂版が出たということで買って、一気に読んでみた。 一通り読んでみると、僕自身の印象としては、もともとの用途*1もあって、法学部なり法科大学院を出た人が契約法務、特にドメスティックな契約法務*2の業務に就くに際して最初に紐解くべき一冊、のうちの一つ、として有用、というところ。

単に理論的なこと、文言についてのみ書かれているわけではなく、その背後にある考え方、不可抗力とか契約解除のような契約書の一般条項について、なぜこのような条項が要るのか、条項を書く際に、どういうことを考えて書かないといけないのか、などを丁寧に説明してあるうえに、文言以外に気を付けるべきところについての記載もあるので、OJTツールとしても使いやすいのではないだろうか。契約実務総論、という感じでこの本を読み、その後、それぞれの契約分野の詳細については、それぞれの分野ごとにもっと詳しく書かれた書物をこの後に紐解くなどしてゆけばよいのではなかろうかと思う。*3

今回、債権法改正の状況を受けてのコメントや反社排除条項についての記載も追加されたので、特に前者については、契約書の見直し等を考えるうえで、件の改正(昨年末時点での話ではあるが…)がどういう影響を及ぼし得るのか、考えるうえでは有用なのではなかろうか。*4
続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:15|PermalinkComments(0)

January 27, 2014

準拠法とかについて考えてみた。

BGMはこちらで(謎)。

それはさておき、いつもキャッチーな内容が素晴らしいはっしーさんのエントリーにコメントをしようと思ったら、字数が長すぎて一つのコメントにできなかったのでこちらでメモしてみる。





続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 19:43|PermalinkComments(0)

January 25, 2014

約款規制についての疑問をメモ

先日の某参与本についてのエントリで書き忘れたことをメモ。某所で話題にしたことに加筆とかしつつ。


続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 18:01|PermalinkComments(0)

December 22, 2013

つまるところ…

#予約投稿機能に基づき事前の仕込みですいません。

いくつかの事例*1を見て思ったことをメモ。


続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:00|PermalinkComments(0)

December 18, 2013

今日のエアリプ(謎)

こちらのネットへのアクセスが限定的ということもあり、反応が遅れたのだが、某所で見かけた、プラットフォーム上での契約書の締結交渉、というアイデアについて、考えたことを五月雨式でメモしてみる。メモの内容が長くなったので、こちらで失礼する次第。


続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 18:47|PermalinkComments(0)

December 15, 2013

ITリテラシーの底?

何だよそれ(謎)。
#このエントリは事前の仕込みです。すいません。

某カレンダー企画での、某先生のエントリを見て思ったことをメモ。まあ、こういう意見もあるということで。

wordで、契約書の条文の番号を機械的に触れるようにするというのは、いいアイデアなんだろうと思うし、有効性を否定する意図は一切ない。ただ、その一方で、こういう試みには一定の限界があるのかなという気がしている。つまり、契約書をめぐっては契約相手とのやり取りが生じるので、相手方が、こちらで行ったアレンジを理解して、そのアレンジを前提にして動いてくれないと、却って、事態をややこしくするのではなかろうか、と懸念するのである。特にMSWordの場合は、正直こちらの想定外の動きをすることがよくあるので、そういう懸念を禁じえない。

以前、某役所との契約で、こちらがwordファイルで送ったドラフトについて、送り返してきたものをみたら、実質的な面での変更はほとんどなかったものの、全文打ち直されていた。直された内容から判断するに、数字の半角・全角の区別とか、句読点の打ち方がお気に召さなかったとか、そういうあたりが原因らしい 。

また、修正履歴の機能も便利なんだけど、使い方がわからなかったからか、ぱっと身に修正履歴機能が使われたかのように見えつつ、実は、フォントを赤にして、下線引いてということをしていただいたのがあって、これも後からそこを元に戻すのが手間だったりしたこともあった。

要するに、その辺のお作法というかプロトコルが、関係者の間で共有されていないと、どうしてもこの種の自動化には限界がある、ということになるのではなかろうか。 まあ、関係者のITリテラシー(というほどのものかどうかはさておき)の一番低いところにあわせないとうまく機能しないというところが結論めいたところ。続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:00|PermalinkComments(3)

December 02, 2013

Advent Calendar企画:鍵をかけた雛形を使用した省力化?

相変わらずアイデア豊富な@kataxさんが、今年はちゃんと思い出したので、実現したAdvent Calendar企画#legalAC)にのってエントリをば。諸般の都合で事前の仕込みで失礼。
(って、万が一のことがあるといやだから、事前に仕込んでおいたら、@katax氏にテキトーなことを書かれていたような気がする…何かムカつくのはどうしたものか。)

Advent Calendarの@kataxさんの予告を見ていて思いついたことをメモ。 
(いちおう@kataxさんには事前に以下の草案を見せて、Okという話にはしてある…)

前にNDAについて書いたエントリ
にも関連するけど、NDAとか雛型のある契約については、固有名詞とかの記入欄以外のところにロックをかけて改変不能な形で供給して、それを埋めただけのものについては、審査不要という形式を取ることで、審査効率が多少は改善しないだろうかと思う。保証はしないけど。 もちろん、多少煩い相手であればそういう策を弄しても通じないから、そこに対してはやむなくきっちりお相手させていただくことになるのだろうが、相手が全部そういうところまで細かいならいざ知らず、そうでなければ一定程度効率化が図れるのではないだろうか。

一番厄介なのは、あたかも変えていない風を装って、ロック解除の要求もないけど、よくみると実は全部打ち直してあって、かつ一部自社の都合に応じて改変してあるというパターンで、それに対しては、チェックデジット、とまでは行かなくても、一部誤字をまぜておいて…というパターンとかも考えられなくはない。ただ、そこまでやってると、きっと効率が改善しないので、そこは割り切るということになろうか。
 続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 00:00|PermalinkComments(0)

December 01, 2013

Warranty vs. Indemnity



動画ネタで失礼。JDsupraで見つけたもの。WarrantyとIndemnityの違いについてわかり易く説明してくれているので、ご紹介。弁護士さんがお嬢さんに描いてもらったイラストでわかり易く説明しているシリーズのひとつ。英語もクリアで、短いので気楽に見られるのもいい感じ。

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 21:42|PermalinkComments(0)

November 30, 2013

トンデモ“IT契約"に騙されるな /上山 浩 (著), 日経コンピュータ (編集)


本屋で最初見たときに、表紙の色遣いからなんとなく手に取るのを躊躇ったのだけど、はっしーさんのエントリ(及びそこで引用されている伊藤先生のエントリとhitorihoumuさんのエントリ)を見て、買ってみた。法務の人というよりも開発現場にいる人に契約についてのリテラシーを高めてもらうことを念頭に書かれた本だけど、法務の人にとっても、読んでおいて良い一冊だろうと思う。IT契約については、どんな企業も発注者側になることが想定されるので、別にIT系企業の法務の人に限らず、ということになると思う。

買ったきっかけは、はっしーさんのエントリにあった、瑕疵担保についての解説がわかりやすいというコメントで、そこに限らず全般的にわかりやすい。開発現場での経験を積まれてから弁護士になられ、弁護士としても開発がもめた案件を担当されている著者が、IT系の雑誌に連載した内容が元になっているのだから、当然なのだろうけれど、はっしーさんの指摘にあるように、法務担当者でも理解しているとは限らないし、わかり易いのだから、理解に自信がなければ読んでおいて損はないと思う。僕自身も、幸い今まで瑕疵担保責任についての法的な性質などについて議論をする場面に行き当たったことがないこともあり、理解に危ういところがあったのも事実で、読んでよかったと思う。

全般を通じて、ユーザーサイドにたって、「トンデモ」な契約をすることのないように、考え方を丁寧に説明してくれているのだけど、泥棒にも三分の理、ではないが、ベンダーがそういう「トンデモ」を言い出すのにも、なんらかの理由があるのかもしれないと思うし、ベンダーとユーザーの間での相互理解がまだまだ足りていないから、「トンデモ」契約を結ぼうと画策したり、結んだ結果トラブルになる、ということなのではなかろうかと思う。もちろん、それについては、ユーザー側の無理解や不勉強ということもあるだろうが。いずれにしても、相手のことも理解したうえで、リスクは十分認識したうえで、契約にいたれるよう、率直に話をすることが重要なのではなかろうか、という印象を受けた。

ちなみに、はっしーさんの今回のエントリで言及されている前のエントリも読んで、もう一つ思ったのは、この本でも書かれているように、商行為である請負についての瑕疵担保期間について、商法526条がデフォルトルールとして適用されるべき、というのは、確かに?な話だと思う。とはいうものの、請負と売買の区別が常に明らかとも限らないこともあり、かつ、請負か売買かで瑕疵担保期間に差異が出ることも違和感があるということから、民法に従った1年の瑕疵担保期間が長すぎるのであれば、商法526条の内容を踏まえて、瑕疵担保期間を半年にしてほしいという交渉はやはりするだろうなあ、と思うのでありました。前記の違和感そのものはそれなりに理解できると思いますし。ただ、論理構成というか、交渉の仕方という意味ではむしろビジネス判断に基づくものになるのですが…。



このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 21:00|PermalinkComments(0)

November 25, 2013

NDAについてのメモ

#予約投稿しております。

週末につぶやいたことのまとめ、というか、補足込みで、書いてみる。

ビジネスの入り口のところで取り交わすことが多いのがNDAで、そのために、件数も多く、処理も急ぐということが多いように思う。

ある意味で内容は定型的なはずなので、いちいち法務で面倒見なくても担当する事業部門で完結できないかという気もする。もちろん、当該事業部門で適切に判断できる能力があるものと考えることができるというのが前提だろうけれど。
 
ただ、最初のところできちんと対応できておらずに、問題がある内容のまま締結されると、後から軌道修正するのには手間もかかるし、場合によっては交渉材料として、避けられたはずの譲歩を余儀なくされるというケースもあるかもしれない。あと、複数の事業部門間で同じ情報を使う場合、特定の事業部門の判断が他の事業部門の活動にマイナスの影響を及ぼす可能性も考えられるだろうし、そういうときは、本社機能の部門として法務が調整役に入るということも必要になるかもしれないと思う。

それとは別に、NDAと書いてあっても、内容をみると実は共同研究契約とか共同開発契約と評するべきものだったりする可能性もあるのではないかと思う。実際過去の職歴において、そういうものを見たことがないわけではない(その時は実質に応じた対応をしたと記憶している)。NDAとタイトルをつけておけば法務の審査が不要、となると、事業部門側でタイトルだけNDAとつけることを考える人が出てきてもおかしくない。急いでビジネスをまとめる方向に重きを置く人がそういうことをすることは一概には責められないように思う。

そんなこんなを考えると、NDAだから、というくくり方をせずに、もうちょっと細かい基準を設けて、それに基づいて層別管理をするというのが、省力化の観点からは良いのかもしれない。





このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 22:00|PermalinkComments(4)