dtk's blog (ver.3)

カテゴリ:法務・法律問題 > 契約法務

夏バテぎみだが、いつもお世話になっているマンサバさんに振られたので、既につぶやいた内容(公開下書きモードとも言う)に基づき感想などを。

歴戦の勇士、という感のある著者が、英語nativeの英語教育の専門家の力を借りて、法律英語で使う基本的な英語の用語について、類ごとの差異・使い分けを解説しているというのが、メインの部分。詳細は目次を見ればわかるように、日本語としての意味に基づき分類し、解説するという形を取るのがメインの部分。
それとは別に、後ろの方に関係構築のための英語についての話もあって、それはそれで有用。


続きを読む


こちらの記事を発端として、先般、twitter上で興味深いやり取りがあったところ。togetterとかでまとめようかとも思ったけど、面倒なうえ、他人様のつぶやき等を勝手にまとめるのもなんだか躊躇われたのと、補足をしたほうが良さそうなところもあるような気がしたので、自分の言葉でエントリにしようかと。
#2017/6/11ちょっと加筆した。

サプライチェーンの途中にいる業者の立場で、自社のサプライヤーからの供給が、当該サプライヤー起因の何らかのトラブルにより遅れる、止まる、または、供給内容に欠陥などが生じた場合にどうするか。そういう事態にいたる理由は様々でありうるとしても、自社としてはどうすべきか。そういった辺りに、ついて、ざっくりとメモにしてみようかと思う。






続きを読む

例によって無双様の連載が興味深いので、契約書チェックの回を拝読していて思いついたことを以下箇条書きで。既にネタにした内容とかぶるかもしれないけど、その辺はご海容を賜りたく。

  • 定義条項、定義条項だけ読んでいても正直わかりにくいように思うので、全体像をざっと眺めたのちに、定義条項以外のところを読んでいて、そこで言及されるたびに、言及されている個所において、齟齬がないかという確認の仕方もありかな、と思う。
  • 定義の仕方については、定義条項を読まなくても、ある程度定義されている内容が想像しやすい方が、効率とメンテナンスのしやすさのうえでは重要かと思う。文中にあるように、定義に使った言葉から定義の内容が想像しづらいのは誤解のもとになると思う。
  • 定義条項の中にこっそり定義以外の内容(当事者の義務とか)が入っていないかの確認は別途いるかも。悪気がなくても、慣れてないとやってしまう場合があると思うけど、メンテナンスはしにくくなると思う。
  • 当事者について、甲とか乙とすると、間違いに気づきにくいので、可能であれば、当事者の略称にするか、役割に応じた形(買主とか売主とか)にする方が、良いように思う。
  • 形式的なチェックという意味では、境界値(以上とか以下とか)の扱いが明確か、曜日の扱い(期日が日曜日、祝日、年末年始とかに当たった場合の扱い)が適切になされているか、通貨の換算が必要な場合に、適切に書かれているか(換算レートはいつ時点のどのレート?)というあたりも含めてもいいのかもしれない。
  • 形式面ではあるのだけど、時間軸との関係で時々問題になるのは、押印名義(サイナー)となる方の異動がある場合に、締結日との関係で整合性が取れているか、何らかの事情でバックデートになるときに、締結時点の適切な押印(サイン)権限者になっているか、という点も気を付けた方がいいように思う。なお、バックデートのときは、会計・税務上問題となる可能性があることも要確認。
  • 自分の目だけで不安、でも、他の人の目を借りにくい、というときは、一旦時間をおく(トイレで顔を洗ってみるとかもアリか)、見る環境を変える(場所を変える、モニターで確認しているなら、一旦紙に打ち出してみる)という手はあると思う。
・・・大したコメントになってないけど、備忘もかねてupしておく。

例によって事前の仕込みですが、#legalAC企画エントリです。

ここ2日キャリア形成についてのお話が続いていて、それはそれで興味深いのですが、そればっかりもどうかと思うので…違う話題にしようかと(言い訳)。

当初は他の話題にしようかとも思っていたのですが、とっつき易い話題の方が盛り上がりやすいかと思ったので(謎)、今年に入ってから、NDAについていろいろ考える機会があり、いくつか、考えたことのうち、ネタにしてよさそうなこと等をまとめてみようかと思います。またかよ、とか言われそうですが。

以前、某先輩が「たかがNDA、されどNDA」とのたまわれたように、これはこれで奥が深いというかなんというか…。まあ、ビジネスのとっかかりのところで結ぶのと、取り交わした後でなされることを見すえないとこちらに不利になるので、そうならざるを得ないのかもしれません…。


続きを読む

NBLの某対談に対する川井先生のエントリ及びそれに対する戦士さんの呟きを読んで、メモ。すでにお二方も含めつぶやかれるなどしたこととも重なるかもしれないけど、自分の頭の整理もかねて、思うところを箇条書きで。
(こういうリアクション芸人的なものだけだと、なかなか「ちゃんとしたエントリ」にはならないけど、こちらの諸々の状況からすれば仕方がないのだろう)
  • 大概のことがそうであるように、契約書のドラフテイングも諸々の制約要因の中でなされる営為であり、その営為の成果物たる契約書も、制約要因から完全に自由となるのは難しいし、その意味で、紛争となった場合に、文脈抜きで、第三者たる裁判所が、外在的視点で独自で解釈できるか、そうすることが可能な程度に書ききれているか、というと、状況による、としか言えないのではなかろうか。各種の制約要因がどういう影響を及ぼすかは、個別の状況いかんとしか言いようがないと思うので。
  • 前述の制約要因の中には、法務側のリソース(経験値、時間、予算)の問題や、時間的制約、自社側の事業部門またはそのほか関連部門のリテラシーの問題、相手方のそれらの問題、相手方との交渉力の問題、などが含まれる(が、これらに限られないかもしれない)。
  • 大規模なM&Aの最終契約のような場合は、時間を別にすれば、それ相応にリソースを確保して、ことにあたるだろうから、相対的には、外在的な視点での解釈が可能かもしれない反面、それを排除すべく、それ相応にレビューとかをしているから、NBLの記事にあったように、裁判所に余計なことをしてくれるな、という議論にもなりやすいのではなかろうか。
  • 他方、制約要因の中で、手持ちのリソースに鑑みると、完璧を目指すには程遠い、となったときにどうするかといえば、ある種のリスクアプローチというか、トリアージというか、何か問題になりそうな事象が起きた時に、どうなるかを考えて、リスクの最大値が大きくないと見込まれたものの優先順位を下げ、その反対のものの優先順位を上げるというような対応になるのではなかろうか。何かが起こってもたかが知れていると思えば、契約類型が間違っていても、請負のはずなのに売買契約のひな型を使うというような事態を許容することも十分あり得ると思う。そういうものについて、書面の文字面だけ読んで解釈されても、ちょっと困るのではなかろうか。
  • とはいえ、事前のリスクの読みと、実際に紛争になるか、ということとの間に、明確な因果関係とかはないと思われるから、裁判所とかに出される契約書が、どういう素性?のものかは、正直予断はできないはず。
 

例によって、新しいことを始めるのが得意なkataxさんの試みの尻馬に乗ってみることにする。

契約書ドラフティングスタイルガイド

まあ、この表題については、某無双さん方面とかから違和感の表明があったけど、それはそれとして(*)、 コメントを数点メモ。

いずれも細かい話で恐縮なのと、こちらのダメ法務ぶりを露呈しそうだが、まあ、その辺はご容赦あれ。
  • 当事者の略記として、甲とか乙はやめておけという指摘については、同意なんだけど、理由について、補足めいたことを。
    当事者間で義務の押し付け合いの交渉をしているようなケースでそういう表記をしていると、いじくり回しているうちに、混乱して取り違えて、結果的に辻褄の合わない契約書が出来上がって、しかもそれにお互い気づかないという事態を招く可能性がある。内容を理解しているという頭で読むとその辺気づきにくくなりやすいこともあるように思う。僕自身はそういうことで自分のミスで青くなる経験はないが、以前、取り違えたのに気付かずに締結後数年近く経過したのちに、そのミスに気付いて修正したという例を見たことがあるので…。そういうことは起こりうるということから、氏名の略記(X株式会社であればX)または主な役割(売買契約では、売主とか買主とか)とかのほうがまだ安全ではないかと思う。
  • 定義条項を設ける場合には、定義の条項の中には当事者の権利義務に関する話は入れないこと。姑息な手としてそういうことを交渉相手にされることがあっても、自分はしないほうがいい。理由は簡単で、権利義務の検討をする際に、定義条項をみると、長い契約書では、面倒でメンテナンスしにくくなるし、端的に見落すリスクもあると思う。
  • 条文に( )書きで見出しを付す場合、条文の内容の変動に応じて、見出しが内容を適切に反映したものとなっているか、都度検討する必要が生じる。見出しだけ直し忘れという事態が生じうるし、それによって、後から誤解するリスクも有るということ。そういうことが生じうるから、英語の契約書では、見出しについては参照用に過ぎない、というような条項が入ったりするということを理解しておくべきだろう。条項の変更、削除、追加とかしていると時に見落とす危険があるように思う。
続きを読む



仕事の早いはっしーさんが早々に紹介されていたが、同時期に入手していたものの、遅ればせながら、一通り目を通した感想をメモ。

商社法務の経験者の先輩方が、契約法務に特に重点をおいて、営業マン向けに、彼らに関係のある法務的分野について書いた解説書、というところで、はしがきでも、法務担当者がまず読んで、営業マン向けの研修に使うことを想定して書いた、とある。

一読した印象では、そういう用途向きなんだろうな、というところ。営業マンに一から読んでもらうのは、法律関係の書籍としては薄めとはいえ、分量の面でも厳しいという気がする。内容面でも、表や図がうまく使われていて、文章も法律書にしては相当程度噛み砕いて、読みやすく書かれているけど、でも、まだ、難解と取られても不思議はないように見受けられる。そうだとすると、法務担当者が自社の状況に応じた調整も含め、補足説明をしながら、研修をする、という感じになるのだろう。 なお、渉外系のお話は明示的には含まれていないが、その辺の特殊要素は別途補えばいい話だし、基本は共通のはずだから、こういう書き方もあり、だろうと思うところ。

個人的には、寧ろ、いわゆるセオリー本と一緒に、初心者の法務担当が読むという使い方の方がいいのではないかという気がした。社内での契約書の取り扱い方とかも書かれているから、便利だし、法務担当者になろうという人間にとってで、あれば、ここまで噛み砕いてあれば、一人でも十分とっつきやすいだろう(これがダメならそもそも人選ミスと言えるくらいに)。まずは営業マン向けに最低限のアドバイスができるようになってもらうという感じか。もちろん法務担当者については、この範囲はあくまでも最初、であって、その先に行かないといけないのだが、手際よくまとめていただいているので、ここからスタートというのも悪い話ではないように思う。 そういう意味では一社に一冊あっても良いのではないだろうか。続きを読む

なんだよそれって感じだし、以前も似たようなことを書いたかもしれないが、某所での某エントリ(面倒を避ける大人の知恵としてリンクせず)を見て思ったことを備忘のためにメモ。

似たような話が続けてくると、「同じ」話だから同じように処理してくれという依頼が来る*1。言いたいことは分からないではない。同じであれば、法務側の事務処理が簡単に済むだろうから、という発想は理解できる。法務に依頼する側からすれば、法務の契約審査は簡単に終わった方がいいだろうから。

しかし、本当に「同じ」なのか?と思うこともある。 
別にIT業界ほど足の早い業界でなくても、事態はあれこれ変わるわけで、そんなに簡単に「同じ」という判断をしてよいのか、時として疑問に思うのである。
企業体としての契約当事者が同じであっても、その企業の業績とかが異なることもあるし、逆に自社側の状況も異なるかもしれない。対象製品・役務に関する市場の状況も異なるかもしれない。 他の事案で何か学習して、従前とは異なる処理をする必要があるという認識があるかもしれない。*2

…というようなことを色々考え始めると、そう簡単に「同じ」で処理していいのか、という気になるのでありました。
 続きを読む

とある方のtwitterで経由で拾ったのでメモ

 
まあ、法令における漢字使用の決め事なので、それ以外の文書で常にこれに習わないとイケナイということはないと思うのだけど、一方で、常にこれに従わないと誤りであるということを真顔で言う方々もおられるので、必要に応じて従えるようにはしておくべきかと思ったりします。 

たまには書きたくなったのでメモを。脳裏をよぎったこと、というか、思い出したことを備忘のためにメモしているだけだけど。
  • 秘密保持義務の例外で、役所とかに開示するケースがあるけど、あの開示対象も、M&Aなんかが絡むNDAの時には、取引所(日本では私企業なので役所とかに含まれない…時々忘れそうになるのだが)とか、FAとかDDに関与する外部専門家とかまで含めるけど、それ以外のNDAではそこまでは不要なはず。
  • いわゆる「立ち入り」とかdawn raidがあって、情報を持って行かれたときのことを考えると、官庁からの要請があって開示を余儀なくされたような場合について、開示されたのは仕方ないけど、事前又は事後にその旨を連絡せよ、と規定するのは、どこまで機能するかは結構微妙かも。立ち入りの密行性を維持する観点から、踏み込まれてどういう情報を持って行かれたか、ということ自体を外部に言うなという立ち入りした側から命令も出るかもしれないから。さすがにその指示には逆らえないだろうから…。性質上可能な限りとか何とか逃げを打つしかないのだろうけど。



 続きを読む

BUのLLMで一緒だった、某弁護士さんから、概略次のような質問をいただいた。
 
「法務部員が国際取引を学ぶ入門書的なものとしておすすめはありますが?それと法務部員として英文ドラフトを勉強するのにお勧めの勉強法とか」

で、コメントはさせていただいたのだが、ついでなので、適宜加筆しながらエントリにしてみる。洋書については、それほど知らないので、和書で自分で勉強しようというところを前提としてご紹介してみる。紹介した本について、こちらのblogで、ご紹介したものは、そのエントリを、そうでないものは、アマゾンまたはその他にリンクも張っておく。どこかのタイミングでこの手のエントリを書いてみようかと思っていたので、渡りに船、というところ。

なお、以下は、現時点での私見なので、そのつもりでお読みいただきたく。さらに、今まで書いたことの繰り返しなので、長らくご愛顧いただいておられる方々にとっては退屈かもしれません。
*現時点の私見なので、過去に書いたエントリの内容とは必ずしも整合していないかもしれません。あしからず。

 



続きを読む



はっしーさんが以前褒めていた本。僕自身にとっては、なんだか相性が悪いというか、理由はよくわからないものの、どうも読み通せずにいて、気になっていた。今回改訂版が出たということで買って、一気に読んでみた。 一通り読んでみると、僕自身の印象としては、もともとの用途*1もあって、法学部なり法科大学院を出た人が契約法務、特にドメスティックな契約法務*2の業務に就くに際して最初に紐解くべき一冊、のうちの一つ、として有用、というところ。

単に理論的なこと、文言についてのみ書かれているわけではなく、その背後にある考え方、不可抗力とか契約解除のような契約書の一般条項について、なぜこのような条項が要るのか、条項を書く際に、どういうことを考えて書かないといけないのか、などを丁寧に説明してあるうえに、文言以外に気を付けるべきところについての記載もあるので、OJTツールとしても使いやすいのではないだろうか。契約実務総論、という感じでこの本を読み、その後、それぞれの契約分野の詳細については、それぞれの分野ごとにもっと詳しく書かれた書物をこの後に紐解くなどしてゆけばよいのではなかろうかと思う。*3

今回、債権法改正の状況を受けてのコメントや反社排除条項についての記載も追加されたので、特に前者については、契約書の見直し等を考えるうえで、件の改正(昨年末時点での話ではあるが…)がどういう影響を及ぼし得るのか、考えるうえでは有用なのではなかろうか。*4
続きを読む

こちらのネットへのアクセスが限定的ということもあり、反応が遅れたのだが、某所で見かけた、プラットフォーム上での契約書の締結交渉、というアイデアについて、考えたことを五月雨式でメモしてみる。メモの内容が長くなったので、こちらで失礼する次第。


続きを読む

何だよそれ(謎)。
#このエントリは事前の仕込みです。すいません。

某カレンダー企画での、某先生のエントリを見て思ったことをメモ。まあ、こういう意見もあるということで。

wordで、契約書の条文の番号を機械的に触れるようにするというのは、いいアイデアなんだろうと思うし、有効性を否定する意図は一切ない。ただ、その一方で、こういう試みには一定の限界があるのかなという気がしている。つまり、契約書をめぐっては契約相手とのやり取りが生じるので、相手方が、こちらで行ったアレンジを理解して、そのアレンジを前提にして動いてくれないと、却って、事態をややこしくするのではなかろうか、と懸念するのである。特にMSWordの場合は、正直こちらの想定外の動きをすることがよくあるので、そういう懸念を禁じえない。

以前、某役所との契約で、こちらがwordファイルで送ったドラフトについて、送り返してきたものをみたら、実質的な面での変更はほとんどなかったものの、全文打ち直されていた。直された内容から判断するに、数字の半角・全角の区別とか、句読点の打ち方がお気に召さなかったとか、そういうあたりが原因らしい 。

また、修正履歴の機能も便利なんだけど、使い方がわからなかったからか、ぱっと身に修正履歴機能が使われたかのように見えつつ、実は、フォントを赤にして、下線引いてということをしていただいたのがあって、これも後からそこを元に戻すのが手間だったりしたこともあった。

要するに、その辺のお作法というかプロトコルが、関係者の間で共有されていないと、どうしてもこの種の自動化には限界がある、ということになるのではなかろうか。 まあ、関係者のITリテラシー(というほどのものかどうかはさておき)の一番低いところにあわせないとうまく機能しないというところが結論めいたところ。続きを読む

相変わらずアイデア豊富な@kataxさんが、今年はちゃんと思い出したので、実現したAdvent Calendar企画#legalAC)にのってエントリをば。諸般の都合で事前の仕込みで失礼。
(って、万が一のことがあるといやだから、事前に仕込んでおいたら、@katax氏にテキトーなことを書かれていたような気がする…何かムカつくのはどうしたものか。)

Advent Calendarの@kataxさんの予告を見ていて思いついたことをメモ。 
(いちおう@kataxさんには事前に以下の草案を見せて、Okという話にはしてある…)

前にNDAについて書いたエントリ
にも関連するけど、NDAとか雛型のある契約については、固有名詞とかの記入欄以外のところにロックをかけて改変不能な形で供給して、それを埋めただけのものについては、審査不要という形式を取ることで、審査効率が多少は改善しないだろうかと思う。保証はしないけど。 もちろん、多少煩い相手であればそういう策を弄しても通じないから、そこに対してはやむなくきっちりお相手させていただくことになるのだろうが、相手が全部そういうところまで細かいならいざ知らず、そうでなければ一定程度効率化が図れるのではないだろうか。

一番厄介なのは、あたかも変えていない風を装って、ロック解除の要求もないけど、よくみると実は全部打ち直してあって、かつ一部自社の都合に応じて改変してあるというパターンで、それに対しては、チェックデジット、とまでは行かなくても、一部誤字をまぜておいて…というパターンとかも考えられなくはない。ただ、そこまでやってると、きっと効率が改善しないので、そこは割り切るということになろうか。
 続きを読む



動画ネタで失礼。JDsupraで見つけたもの。WarrantyとIndemnityの違いについてわかり易く説明してくれているので、ご紹介。弁護士さんがお嬢さんに描いてもらったイラストでわかり易く説明しているシリーズのひとつ。英語もクリアで、短いので気楽に見られるのもいい感じ。


本屋で最初見たときに、表紙の色遣いからなんとなく手に取るのを躊躇ったのだけど、はっしーさんのエントリ(及びそこで引用されている伊藤先生のエントリとhitorihoumuさんのエントリ)を見て、買ってみた。法務の人というよりも開発現場にいる人に契約についてのリテラシーを高めてもらうことを念頭に書かれた本だけど、法務の人にとっても、読んでおいて良い一冊だろうと思う。IT契約については、どんな企業も発注者側になることが想定されるので、別にIT系企業の法務の人に限らず、ということになると思う。

買ったきっかけは、はっしーさんのエントリにあった、瑕疵担保についての解説がわかりやすいというコメントで、そこに限らず全般的にわかりやすい。開発現場での経験を積まれてから弁護士になられ、弁護士としても開発がもめた案件を担当されている著者が、IT系の雑誌に連載した内容が元になっているのだから、当然なのだろうけれど、はっしーさんの指摘にあるように、法務担当者でも理解しているとは限らないし、わかり易いのだから、理解に自信がなければ読んでおいて損はないと思う。僕自身も、幸い今まで瑕疵担保責任についての法的な性質などについて議論をする場面に行き当たったことがないこともあり、理解に危ういところがあったのも事実で、読んでよかったと思う。

全般を通じて、ユーザーサイドにたって、「トンデモ」な契約をすることのないように、考え方を丁寧に説明してくれているのだけど、泥棒にも三分の理、ではないが、ベンダーがそういう「トンデモ」を言い出すのにも、なんらかの理由があるのかもしれないと思うし、ベンダーとユーザーの間での相互理解がまだまだ足りていないから、「トンデモ」契約を結ぼうと画策したり、結んだ結果トラブルになる、ということなのではなかろうかと思う。もちろん、それについては、ユーザー側の無理解や不勉強ということもあるだろうが。いずれにしても、相手のことも理解したうえで、リスクは十分認識したうえで、契約にいたれるよう、率直に話をすることが重要なのではなかろうか、という印象を受けた。

ちなみに、はっしーさんの今回のエントリで言及されている前のエントリも読んで、もう一つ思ったのは、この本でも書かれているように、商行為である請負についての瑕疵担保期間について、商法526条がデフォルトルールとして適用されるべき、というのは、確かに?な話だと思う。とはいうものの、請負と売買の区別が常に明らかとも限らないこともあり、かつ、請負か売買かで瑕疵担保期間に差異が出ることも違和感があるということから、民法に従った1年の瑕疵担保期間が長すぎるのであれば、商法526条の内容を踏まえて、瑕疵担保期間を半年にしてほしいという交渉はやはりするだろうなあ、と思うのでありました。前記の違和感そのものはそれなりに理解できると思いますし。ただ、論理構成というか、交渉の仕方という意味ではむしろビジネス判断に基づくものになるのですが…。

#予約投稿しております。

週末につぶやいたことのまとめ、というか、補足込みで、書いてみる。

ビジネスの入り口のところで取り交わすことが多いのがNDAで、そのために、件数も多く、処理も急ぐということが多いように思う。

ある意味で内容は定型的なはずなので、いちいち法務で面倒見なくても担当する事業部門で完結できないかという気もする。もちろん、当該事業部門で適切に判断できる能力があるものと考えることができるというのが前提だろうけれど。
 
ただ、最初のところできちんと対応できておらずに、問題がある内容のまま締結されると、後から軌道修正するのには手間もかかるし、場合によっては交渉材料として、避けられたはずの譲歩を余儀なくされるというケースもあるかもしれない。あと、複数の事業部門間で同じ情報を使う場合、特定の事業部門の判断が他の事業部門の活動にマイナスの影響を及ぼす可能性も考えられるだろうし、そういうときは、本社機能の部門として法務が調整役に入るということも必要になるかもしれないと思う。

それとは別に、NDAと書いてあっても、内容をみると実は共同研究契約とか共同開発契約と評するべきものだったりする可能性もあるのではないかと思う。実際過去の職歴において、そういうものを見たことがないわけではない(その時は実質に応じた対応をしたと記憶している)。NDAとタイトルをつけておけば法務の審査が不要、となると、事業部門側でタイトルだけNDAとつけることを考える人が出てきてもおかしくない。急いでビジネスをまとめる方向に重きを置く人がそういうことをすることは一概には責められないように思う。

そんなこんなを考えると、NDAだから、というくくり方をせずに、もうちょっと細かい基準を設けて、それに基づいて層別管理をするというのが、省力化の観点からは良いのかもしれない。





漸く一通り目を通し終わった。メーカー法務OBの手によるもので、グローバル化の中で、英米以外の国の人が英語を使って契約書などの法律文書を作成し、それを運用する際の注意事項の解説が興味深い。
いろいろ細かいところで気になるところはあるものの、ある程度書物も読んで、英語の法律文書を読み書きするのに心理的抵抗がなくなって、一定程度の文書が読み書きできると思えるようになったという感覚があるレベルより上のレベルの人が、さらに一歩前に、レベルを上げるうえで有用な本、というところだろう。ある程度英文での契約書その他の法律文書を読み書きできるようになった人向けという印象で、ある程度実務経験がないと読んでも理解しにくいのではなかろうか。早稲田の法学部での授業でのテキストに基づいているようだけど、内容はすばらしい反面、ビジネス経験のない学生さんにこの内容がどこまで伝わるのかはやや疑問。
その一方で、僕にはよさげ、というか読みながら勉強不足が刺さる感じ。ベテランの引き出しの多さを堪能するというか、教えを乞う感覚で読むのが良いのではないかと思う。

参考になった指摘をいくつかメモ(一方でlaw of conflict of lawsをめぐる一連の話は正直難しくてついてゆききれなかった。無念。)
  • 日本語ー英語間でも似たような英語がある際に、厳密にいうとあるはずの差異を無視していると落とし穴にはまる危険があることも示唆も有益かと。消滅時効とstatute of limitationとか相殺とset-offとか…。
  • 日本の調停とアメリカのmediationの違い:前者は合意がまとまれば民事調停法により合意書面に執行力があるが、後者はそういうものがない、というのは、意識したことがなかった。
  • p128に、ユニドロア国際商事契約原則をそのまま準拠法として指定すると、オレゴン州ではそれが認められるとのこと。こちらをみると確かにそうなりそう...。
  • ネットでの通信などの発達により裁判管轄が不明瞭になり、契約にどういう法律が適用されるか予想しにくいからこそ、適用された法律により契約の各条項が無効とされたときに備える意味で分離条項は有用との指摘(p145)。
  • 米国企業相手に米語で交渉するときには、法律・契約用語にこだわり過ぎないほうがよい場合もある(p177)。程度問題はあるにしても、別に米国企業に限った話ではないような。専門用語を使わなくても済むときは使わずに済ませるのもひとつの手というのはどこでも一緒のような気がするけど。
  • 第2編の用語集も、似たような用語との異同・差異の説明が興味深い。best effortsについて英国・豪州と米国などの解説はへーって感じなのだが、判例とかを踏まえてのコメントの場合はその辺の出所を示してくれるとなお良かったかもしれない。optionとdiscretionは、選択してもしなくてもよい場合はdiscretionの方が良い、とかの指摘も興味深かった。

続きを読む

という題名の経営法友会のセミナーに出た。商事法務から書籍が出たということもあってのセミナーだった模様(結局買ったし。まだ読んでいないけど)。ネタバレ?になるとまずいので、感想だけメモ。いつも以上の盛況で驚いた。
  • 広島市営住宅事件で最高裁が暴排条項の有効性を認めているとのことで、不勉強でそれは知らなかった。通常のビジネスの文脈ではまあ、この種の条項の有効性は認められているのだろうけれど、個人の生き死にに関するところでは、それでもなお、憲法上疑義があるのではないかという気がしないでもない。子女の給食費とかのみの支払に使っているような銀行口座の開設までできないとなると、親を選べない子女に、避けがたい不利益が及ぶことになるのはそう簡単に正当化できるのだろうか、という気がする。(話を聴きながら「君の生まれの不幸を呪うがいい」というシャアのことばが脳裏をよぎったのであった)

  • 前記の点に関連するが、会場から、医療機器メーカーの方から、医師経由で患者に医療機器を貸与するケースにおいても患者が暴力団関係者であることを理由に取引遮断が可能なのか、という質問があり、この点については、医師法上の医師の義務及び当該義務を果たすうえで必要な機器などは提供されるべきというところから、対応は慎重に考える必要があるというコメントだった。さすがに、この部分については、他の部分と異なり、歯切れがよくなかったように感じた。

  • 排除に関連して、関係遮断のための契約解除前に何らかの理由によりこちらの秘密情報を開示していたことが判明している場合、単に契約を解除して有体物の回収・情報の削除を約したとしても、実効性に疑問もあるが、それに加えて、関係者に記憶が残る部分についてどのように対応するか疑問に思ったのだが、解除時に合意書を取り交わすのであればその中で何らかの対応をすることもありうるが、それと別に、何かあったら、不正競争防止法に基づいて仮処分などの法的対抗措置を取ることが考えられるとのコメントがあった。
 

いや、その気の迷いで…(苦笑)。

いつもキャッチーなはっしーさんの呟きから。
  このサービスについてちょっと見てみたので、感想とかをメモ。

値段表を見ると、一番安いサービスは、20p以内の契約書をソリシターが見て、内容の単なる要約と問題点の指摘をしたレポートを、72時間以内に返信するというもの。redlineで修正したものをもらう or もっと長い契約書を見てもらうには追加の支払がいるようだ。

そもそもon lineの弁護士事務所とかではなく、契約書の書面を見る以上のサービスはしないし、見る契約書の種類も限定して、何か起きても料金返金以上のサービスはしない(Terms Of Use参照:このTerms Of  Useは平易で読みやすいと思う)。オフィスがバミューダにあって、利用規約の準拠法もLaws of Bermudaとあるのが何とも...

work-life-balanceの観点から、何らかの事情で働き方に制約のある方向けには悪くないビジネスモデルなのではなかろうか。たとえば、お年を召された先生方がスムースにリタイアする過程で取る中間的な働き方のモデルとしてもアリなのではなかろうか。

続きを読む

たまには他人様のblogに、ちょっかいを出してみるかと…。いつも拝読している「総務&法務担当の部屋」でのエントリにコメントというかなんというか。以下のところでnon-diverseという部分やDistrict courtが複数あるのがわからないとのこと。で、いくつか推測をば。
The parties agree that any such action shall be filed in the District Court A. If the presence of a non-diverse defendant precludes subject-matter jurisdiction in that court, then exclusive venue shall be in the District Court A
準拠法がインドネシア法の契約、ということですが、diverseかどうかというと、アメリカ法の議論が念頭にあるような気がします。インドネシアも連邦制の国家ということで、こういう用語の使い方をしているのかもしれないと思ったりします。さすがにその辺はこの文案だけではよくわかりませんが。

以下、アメリカ法での議論で考えてみます(間違っていたらご指摘いただきたく>各位)。
* 手元にある英米法辞典を参照しています。ネット上にあるものでは英文ですが、Diversity Jurisdictionの記載@wikipediaがよさそうです。

連邦制の下、連邦裁判所と州裁判所と裁判所の系統が二系列あり、同じ州内に双方のDistrict Courtがあるところ(第一審の裁判所という意味で使っているのではないかと思います)、後者ではなく前者にany such actionを裁いてほしいと考えているという想定をしているのだと思います。

その際には、連邦裁判所の管轄となるためにはdiversity jurisdiction(ざっくりいうと州をまたぐ話にならないと連邦裁判所にいけないということ、という感じですかね)を満たすことをまず考えているということなのではないかと思われるわけです。アメリカ合衆国憲法のArticle III section 2(邦訳はこちら)を受けて規定されている28 USC 1332に詳細があるようですが、原告または被告の間で州を同じくするものがあると、diversity jurisdictionが成り立たない(よって州の裁判所の管轄になる)ということになるはずです。diversity jurisdictionを不成立にするような被告という意味でnon-diverse defendantという表現がとられているのではないかと考えます。

そう考えると上記の文中のDistrict Courtのうち、後者は州のDistrict Courtを、前者はおそらく同じ州内に所在する連邦のDistrict Courtを指すのではなかろうかと考えます。

…こんな感じで推測してみたのですが、どうでしょうか>作者の方

例によって例のごとく、ぼんやり思ったことのメモ。前にも似たようなことを書いたかもしれないが…。

取締法規に反する可能性があるために、出来てもらわないと困るようなケースを別にすれば(その場合は別の議論がいるだろう)、自分ができもしないことを契約書に書くことは原則として、避けるべきなのだろう。 そういう意味で、自分の立つ方の契約の履行能力の見極めも重要なのではなかろうか。

相手から承認依頼が来て、それに対してこちらが一定日数以内に承認をして、それに基づいて相手が作業をするとかいう流れで業務が進むようなケースで、どんな細かい変更についても承認を要するとしたら、承認をするこちら側のマンパワーが不足して、承認が遅れ、それゆえに、相手の作業開始が遅れて…というのでは、相手に最後の期日を守らせる義務を課していたとしても、こちらが期日を守るために必要な協力をせず、妨害していたとかいう話になりかねない。

自分の足元をきちんと見据えて、身の程にあった形にしておかないと、空を見てきれいに整えただけの文言に足を掬われることになりかねないのではないか、そんなことを思う秋の夕暮れなのでありました。

以前書いたエントリの裏返しというかなんと言うか…。 相変わらずのよくわからないメモですいません。

契約交渉に限らず、交渉ごと(対外、対内問わず)をどう進めていくうえでは、相手方の置かれている制約条件を意識するのと同様に、何が相手方のモチベーションになるのか、受け入れの要因になるかは重要ではないかと思ったりする。そのうえで、こちらから提案するものが、そういうモチベーション、要因に照らして、受け入れるメリットを感じられる案ではないのであれば、交渉をまとめるのは難しいものにならざるを得ない、と思う。

加えて、こちらの案を受け取った相手の担当者が自社内を説明、説得することができるような内容になっているか、ということも考えないといけないのかなとも思ったりする。件の担当者が稟議書を起案して、それが内部承認されるようなものでなければ、結果的にスタックするだけになることを覚悟する必要があるように思う。

もちろん相手の状況についての想定には限界があるが、想定をしてみることも重要なのではないかと思う。

きわめて当たり前のことだと思いつつも、当たり前のことが常にできているとは限らないということもあり、備忘の意味でメモしておく。
 

恥ずかしいミス?をしたので、ネタにして元を取ろうかと(意味不明)。

前に書いたとおり、X230のキートップの交換は無事に終わったのだけど、残務として交換後の壊れたパーツの回収というのが残っている。期限が5日後となっていたが、回収に指定の業者が来ないなあ、と思って業者に電話をしても、まだ連絡が来ていないと言う。?と思ってサポートセンターに電話をしたら、5日、ではなくて5営業日で、それはまだ経過していない、ということだった。なんともはや。

で、思い出したのが「営業日」というやつだ。
前にこの辺のことを書いたかもしれないが、もう一度書いてみよう(投げやり)。





続きを読む

アリコジャパンの競業避止義務違反が争われた裁判例を読んでみたので感想などをメモ。地裁では競業避止条項違反による退職金の不支給についての条項の有効性が否定されたが、高裁でも、その判断が維持されて控訴棄却となっていた。

(外資系企業の労務関係の事件というと、どうしても気になってしまうのだった...。)




続きを読む

このページのトップヘ