8年キャリアアップのための 知財実務のセオリー ―技術を権利化する戦略と実行― Practice of IP for career Dev. (ビジネスセオリー) / 岩永 利彦 (著)

March 17, 2019

That's NOT what I want

備忘のためのメモ。例によって,既につぶやいたこととも重なるが。 タイトルはこちらの曲の一節が脳裏をよぎったので,もじってみた。

 

某芸能人の某薬物事件(以下の内容に関係ないので,伏せる)に関連して,出演等した作品の回収・配信停止などが問題となっている。 性犯罪のように,犯行を犯した人間の声や姿に触れることで,被害者にフラッシュバックが生じる懸念があるような事案は別の考慮が必要かもしれないとしても,薬物事案のようなものについて,被疑者となった人間の過去の作品について,発売を自粛したり,回収したりする必要があるとは思えない。被疑者が罪を犯したのであれば,その点について,個別に刑罰に服せば足りる話であり,作品と作者は別のものである以上,作品に罪はないはず。そして,一つの作品が世に出るまでには,多くの人の手がかかっていることからすれば,特定の誰かの行いのせいで,作品自体がどうにかなるのは,罪のない他の関係者との関係では,その方々の努力の成果を一方的に奪うことにもなりかねず,妥当とは言えないと思う。

…というようなことが言いたいのではなく,回収等の騒ぎの中で,配信物の音楽が聞けない等の事態が生じているようで,そちらが気になるところ。僕自身は円盤で購入できるものは購入するようにしていて,配信物はあまり購入しないのだが(配信のみの場合などにやむなく購入等の対応をすることはあるが…その種の事態に僕自身は今の所は遭遇してはいない),配信側の都合で購入したはずのものが鑑賞できなくなるのは,作品の受け手の一人としては,困る。そもそも購入などしていない所謂サブスクリプション型のものについても,同様に聴けると理解していたものが聴けなくなる,という事態が生じるのであれば,それも同様に困る。

こういう事態が生じるのは,今回のような事態に際して,何もしないでいると,そのことに抗議する人たちが居て,それへの対応との兼ね合いなのだろう。そういう立場の人に理を尽くして説明するしか無いのだろうが,理を尽くして説明して納得するかどうかは別の話。事態が炎上し続けることも想定は可能だろう。そういうときに,僕も,自分が配信側の法務担当者であれば,選択肢の一つとしてこういう対応は思いつくだろうし,対応策の案を考える中には含めるだろう。そういう立場であれば。

とはいえ,受けての側からすれば鑑賞したいものを好きな時に自由に観賞するために,費用を支払っている以上,その自由について,如何なる理由であれ,他人から干渉されたくないし,そういう危険込みのものは,どういうものであれ,僕は欲しくない。僕が欲しいのはそういうものではない。 (ついでにいえば,どなたかが指摘されていたが,配信側が勝手に変更できるならば,鑑賞できないようにすることで,人々の鑑賞可能な範囲をコントロールすることもできることになりかねないわけで,これまた危険な気がする)

サブスクリプションとかが全世界的に流行っているのは知っているが,それでもほしくないものはほしくない,と言い続けることも重要だと信じているので,自分の備忘のためにメモしておく次第。個人的には可能な限り配信系は避けていくつもり。

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dtk1970 at 20:26│Comments(0)法務その他 

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8年キャリアアップのための 知財実務のセオリー ―技術を権利化する戦略と実行― Practice of IP for career Dev. (ビジネスセオリー) / 岩永 利彦 (著)