法務担当者による米国民事訴訟対応マニュアル /三輪 泰右 (著), 池田 俊二 (著), 三橋 克矢 (著)ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書) /坂井 豊貴 (著)

January 31, 2019

多数決を疑う――社会的選択理論とは何か / 坂井 豊貴 (著)

*2019年1月に読んだのだが,感想を書き忘れていたのでバックデートで上げておく



社会的選考理論についての入門書,と書いても,社会的選考理論という言葉自体が必ずしも人口に膾炙しているとは言い難いので,必ずしもわかり易くないかもしれない。人々の意思の集約の仕方についての理論的検討に関する入門書,というと,わかりやすくならないだろうか。

個人的にはもともと政治系だったこともあり,学部時代に読んだテキストにも社会的選考理論についてある程度言及はあったことはおぼろげに記憶している。今回,平易な形で書かれている本で再度この辺りの話に接して,懐かしさを覚えた。もっとも,アローの不可能性定理については,完全に誤解していたことに気づいてしまったのだが…(汗)。身近な話から説き起こしつつ,何よりも数学を用いずに直感的にも理解しうるレベルで平易に解説してくれているのは非常に有用だった。

社会的選考理論自体は,経済学に属するものだが,意思決定に関する学問なので,政治学や,法学でも憲法に近いところにあるともいえる。それゆえに本書でも参考文献としてこれらの分野についての書籍(憲法については長谷部教授の入門書)が上げられている。

法学系に身をおく?ようになった立場から興味深かったのは,次の2つ。
まず,小選挙区制の下では,憲法96条の改憲へのハードルが低すぎるから,もっとハードルを上げるべきではないか,として,具体的な案も示している点。選挙制度まで込みで考えると確かに指摘のとおり,と思ったところ。
次に,都道328号線を巡る政治過程で意思決定プロセスの不適切性の実例。行政プロセスに住民の意思が適切に届いていないように見える。行政の仕組みそれ自体の問題ではあると思うが…。


このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 23:00│Comments(0)読む聴く見る 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
法務担当者による米国民事訴訟対応マニュアル /三輪 泰右 (著), 池田 俊二 (著), 三橋 克矢 (著)ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書) /坂井 豊貴 (著)