最近の仕入れ(2018年3月中旬)さくらさくら

March 24, 2018

先を見通す捜査弁護術 / 服部 啓一郎 (著),‎ 深澤 諭史 (著),‎ 淺井 健人 (著),‎ 髙木 小太郎 (著),‎ 後藤 晃輔 (著),‎ 菱沼 秀樹(著)

仕入れたものが積読になりがちなところ,珍しく(汗),早め(本人比)に読み終わったので感想などをメモ。まあ,こういう本を読むべきクールに居るうちに読んでおくに越したことはないわけで…(汗)。

研修所の教官になるような大御所クラスではなく,比較的若手の世代で,かつ,経験豊富な実務家の先生方が,捜査段階での弁護の実務的な諸々の事柄について書かれたもの。

こちらのような実務家以前の修習生が読んでも,こちらの経験不足故にイメージのしにくい部分は残るものの,捜査弁護の実際について,如何にもありそうな事柄について,丁寧に解説してくれているので,内容自体興味深いし,刑事弁護の基礎知識の次に読むと,捜査弁護についての理解が深まる感じがした。まあ,ほぼゼロからのスタートで理解が深まっただけ,という話ではあるが…。この本の真価を実感できるのはこれから後のことなのだろう。


僭越ながら,特に良いと,こちらが感じたのは次の諸点。
  • 要所要所で,関係各所に出すべき書類の例がついているところ。こういう時点ではこういう行動をこういう相手に対してするということがイメージしやすかった。
  • 手続に要する時間等について,ある程度の相場観,のようなものを示そうとされているところ。事案を見ないとわからないところが残るのは間違いないし,それ故に確定的なことは言うべきではないのだけど,他方で,先行きが見えないと,何をどうするということについての見通しもしにくいだろうから,こういう形で示していただけるだけでも有用なのだろうと思う。
  • 捜査を受ける以前での,自首をするかどうかについても書かれているのは興味深かった。自首のメリット・デメリットなんて意識すらしたことがなかったので(汗)。