雨後の筍という表現がふさわしい債権法改正本の嵐。次から次へと本が出る。色々買っても読み切れない…そんな中、この本には注目していたので、出たところで購入したし、短いので読み終えることもできた。注目した理由は何よりも、岩波が出すというところ。岩波は法律書は多くは手がけないものの、出るものについては、まともなものが多いという印象なので、競争の激しいこのテーマで来るからには、それなりのものが来るだろうと思った次第。それと著者が京大の山本教授という点も注目したところ。今回の改正についての法制審議会の幹事。立案過程も十分踏まえての本になるだろうとも思った次第。

一般向けの講義を元にしており、全体でも200p未満なので、改正の全体的な概観は望むべくもない。しかし、民法入門から初めて(40pちょっとで、財産法の概要、民法の歴史、今回の改正の経緯をまとめているところも要を得て簡潔)、100pちょっとでの今回の改正の特徴の紹介、及び、今後の展望というところまで触れているのは民法学者の面目躍如というところか。また、付録の改正箇所(改正案が出たけど最終案からはおちた箇所)の星取表は、プロ向けにも有用ではなかろうか。

改正の特徴の紹介についても、個々の分野ごとに改正法を紹介するのではなく、改正のされ方(民法の透明化としての改正か、民法の現代化としての改正か)という切り口から紹介しているのも、一般向けであって、網羅性を捨てているのであれば、納得というところか。図表とか例を使っての説明が秀逸でわかりやすいので、改正について内部研修とかをする際のネタ元としても「使える」本になっていると思う。

他方、改正されなかった項目についての記載や一部の改正項目に対する不満というか恨み節については、この期に及んで…という気がしないでもなかったけど、まあ、学者の方々にとってはそうなんだろうな、と…(苦笑)。もっとも企業側からすれば(以下自粛)。

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