またもや怪しげなタイトルですいません。

無双なronnor先生の次のつぶやきを見て思ったことを、既につぶやいたことを基にメモしてみようかと。


契約書の案文を見て、この案文が実務的に「ワークする」というか、その案文で自分たちが「動ける」のか、という視点はものすごく重要。訴訟の文脈での位置づけについては別論があるとしても、当事者間においては、契約書は、まずは行為規範となる以上、自分が当該行為規範たる契約に従って「動く」ことができるかという視点が必要。できもしないことを約束するのは、倫理的にも問題なうえに、リスク管理という意味でも問題があるから。



しかしながら、個別具体的な契約書の文言が、当該契約の適用される具体的な場面において「動ける」内容になっているのか、ということをどのようにして検討するか、というのは、法務の担当者にとっては必ずしも容易な話ではない。通常の企業における仕事の割り振りを前提にすれば、法務の担当者は、実際に事業をする担当者とは別ということが多く、実際に取引対象となる業務をしている人間ではないから、本音の話として「動ける」文言かをチェックするだけの情報が手元に十分にあるかどうかの保証がないことが少なくないと思うからである。

他方で、じゃあ、その文言を取引対象となる物または役務の担当事業部門の担当者に「投げる」ことで対応ができるかというと、その相手の契約書に対するリテラシー如何では難しい場合も想定される。契約書の読み方も理解できない相手に契約書が「動ける」内容となっているかどうかの判断ができるはずもない。

それではどうするのか。一つ考えられる切り口は時間軸という観点。つまり納入時期等、何らかの期限が設定されている場合(その中には特定の事象が起きたとき、を起算点とする場合も含む)に、それに間に合わせることができるか、それとも、何らかの事由により間に合わない可能性があるか、という観点からの検討である。間に合わない場合は契約上手当をすることも考えられるから、そのような検討をする意味がある。

日系企業の場合、例外的な時期として想定が一番容易なのは、盆暮れの長期の休みというところか。ラインが止まれば、管理部門も休みという会社もあるときいたことがある。そういうときにでも対応可能な状況にあるか、というチェックをかけることになる。プラントとかがあって、シャットダウンしてメンテナンスをするような場合にはそういう時でも対応可能かという観点からのチェックをかけることになろう。以上のような事態を指摘した上で、そういう場合でも対応可能かどうか、確認してほしい、というような依頼の仕方をするのであれば、聞かれた側もまだ対応しやすいのではなかろうか。

また、無双様の冒頭の例でいう報告の場合、単に事実の通知をするのか、それに加えて、対応方針を会社として示す必要があるのであれば、その方針についての社内での意思決定に要する時間をも加味する必要がある。

さらに、モノの製造が絡む場合には、製造に要するリードタイムや、常時生産をしていない場合には当該製品をいつ製造するのかという製造スケジュールとの兼ね合いも考える必要があろう。また、製造するうえでキーとなる物資の調達がある場合にはそこがネックとなるはず。

…というようなことをつらつら考えると、要するにサプライチェーンの中でクリティカルパスがどこかを鳥瞰したうえでどこがネックになるのかを見据えて対応すべきなんだろう。

ネックとなりうるのは、時間的な側面に限らない。物資の調達、設備の能力の限界(供給能力の限界)、ロジ上の制約、知財権の制約、法規制上の制約(許認可、免許等)、いろんなところに存在しうる。それらについて、どこまで気づいて、検討対象に入れ、検討した結果なんらかの不具合対応が必要となった場合にどこまでの手当ができるか、が腕の見せどころというところになろうか。




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