例によって事前の仕込みですが、#legalAC企画エントリです。

ここ2日キャリア形成についてのお話が続いていて、それはそれで興味深いのですが、そればっかりもどうかと思うので…違う話題にしようかと(言い訳)。

当初は他の話題にしようかとも思っていたのですが、とっつき易い話題の方が盛り上がりやすいかと思ったので(謎)、今年に入ってから、NDAについていろいろ考える機会があり、いくつか、考えたことのうち、ネタにしてよさそうなこと等をまとめてみようかと思います。またかよ、とか言われそうですが。

以前、某先輩が「たかがNDA、されどNDA」とのたまわれたように、これはこれで奥が深いというかなんというか…。まあ、ビジネスのとっかかりのところで結ぶのと、取り交わした後でなされることを見すえないとこちらに不利になるので、そうならざるを得ないのかもしれません…。



1.不具合対応とNDA
こちらの勤務先のような、サプライチェーンの途中にいるメーカーの場合、相手先の部品・材料等の選定の段階でNDAを取り交わすということが多い。その場合は、こちらの開示する情報の使用目的を相応に限定するし、守秘義務の発生・存続する期間もそれ相応の形になっていることが多い。選定がすんだら、NDAは、予後効部分を別にすれば、用済みという発想。本来の目的に照らせばそうなるはず。
 
しかしながら、時として、こちらの製品について、実際に最終製品が市場に出た後で、不具合事例が生じることもあり、その対応につき、得意先やその得意先の得意先(またはさらにその先)、みたいなところと情報交換が必要になることがある。そういう場合にNDAがないことをもって、情報開示を避けるという選択肢は事実上取りがたいし、さりとて、改めてNDAを取り交わすというのも相手方の心理状態的に好ましくないということが多い。特にこちらの出したものに不具合とかがある場合は…。それに内容的に交渉をしている時間も労力もないということが多い。きちんと内容を理解している人間は、不具合対応に走っている人間だろうから、その人たちのリソースをそういうことに割いてもらうのも好ましくないし、法務で対応しきれるかというと、開示する情報の範囲とかの微妙な判断まではしづらいところが残る。

そんなこんなを考えると、当事者間でNDAがあるのであれば、本来はカバーする範囲外のように見えても、屁理屈であっても理屈(例えば、製品選定のため、と目的にあれば、今回の対応が今後の製品選定に影響するとかなんとか…)をつけて、カバーできるのであれば、それで対応するのが無難というのがこちらの感覚。

もちろん、最初に取り交わす段階で、そういう事態まで想定するというのも、考えてみたい選択肢ではあるが、正味のところそう簡単ではないような気がする。
 

2. カバー範囲?
上記のような事態まで考えると、ある程度広範に、取引基本契約のような感じで、カバーするNDAであれば、対応可能であろうが、目的とかを厳しく限定することで、こちらの意図しない形での情報の使用を防ぐというスタンスとの整合性が気になるところ。

また、そういう広範なNDAを取り交わそうとなると、対象のentityについても広げて、極端にいえば、全世界のグループ会社まで包括するような形の物だって想定し得るのだけど、そういうもので、実効的な情報管理ができるのかというとやや疑問。そもそもそのNDAの存在をどのように認知させるか、からして問題のような気もする。NDAの存在自体を秘したいこともあるだろうし、縦割り化が進んでいる組織では、横ざしでも管理がしにくいかもしれない。それを理由に締結を拒絶する相手方も出てくるだろう。
(さすがに独立性の強い子会社まで、とかは無理があるのだろうけど…この辺は前にエントリしたことがあったっけ)


3.NDAと輸出管理
某経****会の会報で、NDAになんで輸出管理条項があるんだ、という趣旨のことを某氏が書いていたが、こちらの勤務先のようなUSの法人の子会社では、扱っている製品の性質上、USの再輸出規制の適用があるために、その種の条項が必要だったりする。この点については、こちらの勤務先ではFAQの一つになっているし、昨今の情勢ではその辺を説明すると、条項の存在については、それ以上はもめることは少ないように思う。
・・・そういう会社にいる身としては、冒頭のようなコメントには、却って驚きを禁じ得ないのであるけれど。


・・・まあ、気まずくなさそうな範囲ではこのくらいかと。短めですいません(汗)。
では、次は@caracaloo さん、よろしくお願いします(夜ヒット風(謎))