August 03, 2016
BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2016年9月号 [雑誌]
例によってBLJの気になった記事の感想など。
無双様の連載は、攻めてるなあ、と感じた。もっと攻めてほしいが、雑誌だとあれがギリギリ限界なのだろう。「買ってはいけない」は個人的には読みたいけど。
特集の労務トラブルの記事については、相変わらず企業の生の声を拾ってきていて、ある種の「相場観」のようなものが透けて見えるような気がするのが興味深い。特に今回は、いつもより上の方々のお話を伺っているところが、相手の選び方も含めて、なるほど、という感じ。それとともに興味深いのが、労働者側の弁護士さんのインタビュー。ポジショントークめいたところもあると思うので、やや注意が必要かもしれないが、こういうところの声も拾おうとすることそれ自体について、まず評価されるべきではなかろうか。この辺は、新興誌ならではなのかもしれない。
法務機能新設の段取りについては、途中、読めていない回もあるものの、総じて面白かった。でも、撤退も視野に入れて新設をしないといけないという気がするのだが、その辺どこまで視野に入っていたのやら、という気がしないでもない。例えば、現地法制で学ぶべきことのうち、労働法については、解雇規制とかも含むべきということになる。入口のところで間違うと、出口で悲惨なことになるということもあり得ると思うので。
ハーレム先生の記事は、和解条項上、損害賠償と書くと、後発訴訟を招くおそれが、という指摘は、わかるような気がする反面、なぜそうなるのかについての説明が足らないような気がしないでもない。和解条項で守秘とか定めても、結局は開示する羽目になるのか?というあたりの説明が必要なのではないか。そこのあたりがよくわからなかった。
損害賠償の記事は、内容は興味深いものの、統計学になじみがないので、正直ついて行けない感じがした。
最後に本家から目次の引用。
[特集] 紛争リスクの高い労務トラブルへの対応 メンタルヘルス・ハラスメント・残業代問題 近時の労働紛争の傾向と法務に求められる役割の変化倉重公太朗 弁護士 メンタルヘルス丸尾紫乃 弁護士 / 丸尾拓養 弁護士 ハラスメント今津幸子 弁護士 未払残業代・定額残業代小鍛冶広道 弁護士 / 湊 祐樹 弁護士 法務部門としてどのように関わるか 5社の視点からCASE 01 迅速な初動で労働者側とのスピード競争を制す メーカー 法務部長 CASE 03 パワハラ・メンタルヘルス問題は根本原因への対処を メーカー 法務部長 CASE 04 人事部門・外部弁護士との役割分担 サービス 法務部長 CASE 05 トラブルが起きにくい社風 メーカー 法務部長 [Interview]労働者側代理人から見たハラスメント問題がこじれる理由棗 一郎 弁護士
法務部門 CLOSEUP サッポロホールディングス グループ法務部上山 徹 グループ法務部長 / 久保 猛 法務担当役員付部長 実務解説 法令関連情報Basics |
dtk1970 at 00:12│Comments(0)│雑誌