遅ればせながら、感想をば。

個人情報保護法の改正の特集は、現状がわかりやすくまとまっているという印象。でも、結局のところ細かいところは下位の規定まかせというところと、個人情報保護委員会まかせの部分が多い印象は変わらない。やってみないとわからないという感じになってしまう。とはいえ、第三者提供のところについては、こちらの勤務先においても何らかの対応が必要なことは理解できたので、それはそれで考えないといけない。
事業者側の担当者のコメントについては、面子の選び方が、情報の利活用が進んでいる会社の話ばかりで、ちょっと偏っているかなという印象。ごく普通の会社の人にとっては、まだ先の話でコメントがとれなかったということなんだろうけど。

マイナンバーの実務についての記事は、結局企業側にとっては負担が増えただけという指摘にものすごく納得。

水野先生の連載は、今回に限らず、時代の先端の「あちら側」に居られる先生が、先端と関係ない「こちら側」に向けて橋をかけようとされているように思えて、その試みは一定程度成功しているようにも見える。語り口は平易で取っ付き易いし、説明もわかりやすいから。
しかし、他方で、「あちら側」におられる先生から見た「こちら側」についての言及が「こちら側」に長らく居る人間にとっては、ややもすると、首をかしげたくなる部分がないではないのも事実という感じがする(*)。「こちら側」が現状こういう状態になっているのは、それ相応の経緯があってのことだけど、その辺がどこまで踏まえられているのか僕には見え切らないので、軽々な批判はすべきではないのだろうけど。
過去の経緯に引きづられすぎるのも問題かもしれないが、その辺に配慮なしに、動かすというのもそう簡単な話ではないし、その点はご理解頂いていると思うのだけど。
*:こちらの素性に密接な話なのでこの場では書かないが、一点気になった点については、某ルートで個別にコメントはさせていただいた。


ハーレム先生の連載は、求償権放棄の追加条項をどうやって相手に呑ませるのか、その辺が不明なので、消化不良感がある。相手方に呑むメリットがあるのかないのか、よく理解できていない…orz。 


SNSの話は、現場でスクリーニングをさせすぎない、というのは、SNSに限らず重要という気がした。過度の負担になるという問題と、故意かどうかはさておき、伝わるべきものが法務とかに上がってこなくなるリスクもあるので。

 
ライセンス契約の記事は、関わりがあれば興味深い内容、ということなのだが、業務上関わりがないので、「へえー」としか言いようがない(苦笑)。

 
FC契約の話は、FC契約自体になじみがないのでコメントのしようもないが、海外進出からの撤退という側面では興味深かった。内容的にはさもありなんではあったけど。


独禁法の道標については、白石教授の不公正な取引方法についての評価の部分がなるほどという感じ。

 
遠藤先生の記事は、判例・裁判例の整理が印象的。法定責任説と契約責任説の概要のまとめ及び改正法も交えた比較表もわかりやすい。次号の後編にも期待。


最後に例によって本家から、目次の引用。

[特集] 個人情報保護法改正で何が変わるか 必要となる実務対応の検討
保護利活用のポイント 何ができるか、何をすべきか

太田 洋 弁護士 / 河合優子 弁護士

個人情報の取扱いのグローバル化対応

牧山嘉道 弁護士

従業員情報を中心とした実務対応

北岡弘章 弁護士・弁理士

企業の視点から見た改正のインパクト

01  どのような番号が個人情報に当たるか 宮沢和正 楽天Edy 執行役員 渉外・法務部 部長
02  海外企業への業務委託に与える影響 金融機関 法務部長

03  改正法における統計の扱い NTTドコモ 法務部 坂下昭宏 担当部長 / 藤井啓介 主査

 

実務解説
進んでいますか、マイナンバー対応 ~対応を怠ることによる民間事業者のリスク~

伊藤英之 弁護士

法令関連情報Basics
「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」平成27年改訂のポイント

稲益みつこ 弁護士 / 山内貴博 弁護士 / 森 亮二 弁護士

[短期連載]ソーシャルメディア・リスクマネジメント 
コンプライアンスに関する10のキーワード

増田英次 弁護士 / 朝倉 誠 弁護士

ライセンス契約法 取引実務と法的理論の橋渡し
ライセンシーの権利とその保護(3) ─ライセンサー倒産問題、再び

松田俊治 弁護士


シチュエーション別 フランチャイズ契約のトラブル防止・対応策
フランチャイズの海外展開におけるリスクにいかに対応するか?

淵邊善彦 弁護士 / 戸澤晃広 弁護士 / 田中健太郎 弁護士

 

ビジネスを促進する 独禁法の道標
共同ボイコットが違法となる境界線

南部朋子 弁護士


裁判例から学ぶ 対症法務と予防法務
相殺の担保的機能 ─その実体法的な側面

滝澤孝臣 日本大学法科大学院教授・弁護士


英文契約書 応用講座
海外企業の敵対的買収におけるオーナー保証債務の処理

山本孝夫 明治大学法学部元専任教授

 

Global Business Law Seminar
債権法改正と売買の瑕疵担保責任ルールの変更(前編)

遠藤元一 弁護士

連載
Opinion

棚橋祐治 石油資源開発 取締役会長・知的財産教育協会 理事長

INSIGHT

大屋雄裕 名古屋大学大学院法学研究科教授

Q&A 法務相談の現場から

有富丈之 弁護士

法のデザイン

水野 祐 弁護士

企業会計法Current Topics

弥永真生 筑波大学大学院教授

源流からたどる 翻訳法令用語の来歴

古田裕清 中央大学法学部教授

牛島信のローヤー進化論

牛島 信 弁護士

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