駆け抜けるというか、通り過ぎた、の記2014年を振り返って

December 26, 2014

最近読んだ雑誌から(2014年12月末)

例によって適宜メモ。手元に来たものに目を通すためのインセンティブとしてやっているのだが、読むのに時間のかかる記事が増えてきて、それ自体は慶賀すべきことだが、結構大変。

年内最後ということで、3号分をメモ。ビジ法2月号が積み残しになってしまった…。

 


 
NBL1039
ハブ・アンド・スポークとシグナリングの記事は興味深く、かつ、悩み深い。まっとうなビジネスの過程で生じうるし、生じさせないと困ることが、一歩間違うと独禁法違反になりかねないので、どこでどう線を引けばいいのか、わからないような気がする。著者は法務主体で情報のフローを洗い出すというけど、それが実効性の観点からすれば有用だと思う反面、そういう洗い出しをする自体、ビジネス側の委縮効果をもたらさないのか、ということが気になった。

海外贈賄リスクの記事は、まあ、そういうことになるんだろうな、とは思うものの、形だけを作ることになりそうで(それ自体に意味があることは理解しても)、なんだか気乗りしないというか、それに何の意味があるのだろうか、と思わないでもない。

山野目先生のビューポイントの記事は、余談的な部分も含め、なんだか講義口調で、読みやすくていいかもしれない。全体をカバーしたら本になるのだろうか。書籍化希望。

営業秘密の研修のレシピ。内容はさておき、「営業秘密管理指針」がペストプラクティスの紹介などを含めて「営業秘密保護マニュアル(仮称)」となると。マニュアルって言い方は、却って実務を硬直化させそうだから、「マニュアル」は避けた方が良くないか、と思う。

原先生の連載。ご著書同様の緻密さがすごいのだけど、「検収」とか語義にあいまいなところがあるから、使うべきではないという言い方には、前にもメモしたが、違和感。現場で使う語彙は、その内容を書面上明確にする形で使う方がいいのではないかと思う。読み手が誰なのか、ということになるのだが、裁判所だけを読み手と想定するのは、個人的には違和感が残る。
カギかっこつきの用語の定義についてのコメントは従前の著作での記載に対する応答なのだろうが、やはりあれはうっとうしいと思うので、必要であれば、本***、で済ませるほうが良いと思う。
カッコ書きの種類ごとの使い分けとか、省略の作法とかは、個人的には不勉強であまり見たことがなかったので、なるほど、と思うばかり。

FCPAの域外適用の記事は、実務対応は、さもありなんという感じだけど、取り上げられている事例でそもそもなぜアメリカに管轄が生じているのかという部分を見ると、これでも生じるのかと、改めて驚く。アメリカ当局の集金マシーンとして機能しているよなという思いを強くする(そういう意見は別に僕がオリジナルではないが)。


NBL1040
メーカー法務としては紛争鉱物についての記事に注目。不勉強で、第一修正に反するという訴訟が通って一部について執行停止になっているのというのに今更に驚く。記事の著者らの事務所の調べでは、大多数の企業では規制対象国の武装勢力の資金源になっていないと判断できなかったというのは、そもそも調べたのか、というのにも驚くが、そもそもサプライチェーンが長いときに、この種の規制をすること自体に無理があるのではないかということを感じてしまうし、立法目的との関係ではやはり迂遠な手段なのではないかという気もする。

文書作成についての記事は、こういう問題意識から出発すればこういう結論になることについては納得ではあるが、メールとかでのやり取りまで考えると、実効性あるものがどこまでできるのかは正直疑問。考えられる委縮効果とのバランスなども考えないといけないし。

ロボットカーについての記事は、例によって平野先生スタイルで読みにくく感じる部分があるのは仕様だから(おそらく)仕方ないとして、内容自体は興味深い。製品分類全体責任って、何のことかと思ってしまったが、説明と日本の裁判例についての分析を読んで納得。

山野目先生のビューポイントは、利息についての論点が興味深かった。経過措置も含めて、考えたことのない話だったので。

原先生の連載は引用についてだけで、1回分を割いているのがすごい。

UCHastingsのロースクールの記事は、日本人学生のLLMの受講科目とそれぞれについてのコメントがまず興味深いが、受講者のバックグラウンドについての記載がもうちょっとあると、留学を考えている人にはより有用だったのではないか。エクスターン湿布から雇用につなげていくプログラムは興味深い(日本の法科大学院にはこういうのはあるのだろうか)。

 
NBL1041
BLJ風とも取れる装いの変化は、個人的には?。別に今までのやつでもよかったのでは。BLJとは立ち位置が異なるわけだからまねしても仕方ないのでは。Squareが後ろに回ったのはどうなんだろう。速報的なものは前にあった方がいいのではないか。

鼎談は興味深いが、なぜこれがNBLにというところは疑問。長谷部先生の発言は9条近辺に限らず興味深い。

展望系はふーん、というところ。

山野目先生のビューポイントの記事は、危険負担のところの説明が興味深いが、今一つ理解できているか心もとない…。

原先生の連載はリサーチについて。弁護士目線でのリサーチの仕方について、特に判例・裁判例の階層序列の認識の仕方の記載が興味深い。 

このエントリーをはてなブックマークに追加
dtk1970 at 22:00│Comments(0)雑誌 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
駆け抜けるというか、通り過ぎた、の記2014年を振り返って