私家版Book Guide2014年冬版駆け抜けるというか、通り過ぎた、の記

December 25, 2014

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 2月号 [雑誌]



まずはなんといっても年に一度のブックガイド。
座談会。毎年恒例化していて、こちらの期待値も上がっているからか、正直いまいちという感もなきにしもあらずだが、手堅く、一通りの分野を扱ってくれているので、書籍のチェック漏れを探すうえでは良いのではないか。 個人的に!と思ったのは、Cさんの「労働法の世界では、弁護士会が出している本は信頼度が高いものが多く…」というところ。裏を返せば、弁護士さんの本は(以下自粛)ということか。 初登場のronnorさんによるレビューは、絶好調というか、注釈における個別の記載への突込みまで、最近の無双ぶりからすれば驚くことはないのだろうが、それでも目を引く。 いっそのこと、roonorさんをはじめとする、特定のbloggerさんたちの座談会とかにしたらどうだろうか(…と編集部の某さんにもご提案した次第)。 その他の方についても、匿名の方についてはさておき、多様な方々(人選もいいと思う)のコメントが面白い。自分用の備忘に、特に気になったものをメモしておくとこのあたり。

  • 契約書作成の実務と書式(買ってあるのだけど…) 
  • 取引スキーム別契約書作成に役立つ税務知識Q&A 
  • A Manual of Style for Contract Drafting (2th Edがあるけど、使いこなせてない…3rd Edを買うかどうか…) 
  • Internet Legal Reserach on a Budget 




景表法の特集。B2Bで一般消費者向けに販売をしているわけではないこちらの日本法人としては、対岸の火事という感もあるのだが、座談会を見る限り、改正に際してのプロセスについては疑問が残る。問題事案への対応ということではあるのだろうが、サンクションを伴う法令の改正の在り方としてはどうなんだろうというところ。法令のレベルで対応することが必須だったのだろうか。

景表法の道標(独禁法の道標はどうなった??)は、景品とかが絡む話を取り扱ったことがほとんどないので、なるほどなあ、としか思わなかったが、白石教授の「現在では一般消費者の多様性が、質・量の両面において増幅している」ことを受けて「一般消費者」基準の見直しの必要性を指摘されている点は納得するとともに、それって別にこの分野に限った話ではないよな、と思ったりするのでありました。債権法改正とかでも…きっと…。

贈賄禁止条項についての英文契約の記事は、なぜこの種の条項が、特に、海外ビジネスにおいて、必要とされるのか、ということについての説明が、イメージしやすくて良いと思う。もちろん、契約書に書けば足りるというものではないにしても。 最後に出てくる例は相当えぐいが、時としてその種の事態に遭遇する可能性がある(幸いにして僕自身には今のところないが)ことは、法務の仕事で食べていこうとするのであれば、理解しておくべきだろう。華やかなことばかりではないわけで。

行政不服審査法の解説は、わかりやすかった。まとめ方が適切だったのだろう。某誌での担当者のまとめより頭に入りやすいように思ったので。個人的には、法令違反事実の是正のための処分等を求める制度について、社員に限らず社外のステークホルダーが会社の法令違反事実の申告のルート(ある意味内部通報と外部告発との中間?)に使われるケースが出てくるのではないかという気がするのだが…。

FCの連載は「へえっー」としか思いにくいのだが、ブランドとしての一体性と法人格が異なるということとの相克みたいなところには、親子会社間にタブらせて、既視感を感じなくもない。

法のデザインの記事も、業務とは絡みそうにないので、「へえーっ」と思いながら興味深く読む。個人的には、読み手としては電子出版が苦手なので、紙のメディアがどうなっていくか、心配しつつ見守るというところか。

域外適用の話は興味深いのだが、ややこしい。FCPAとか独禁法で問題になるのは知っているがそれ以外にもこういうところで問題になるんだなと変に感心する。 

最後は例によって本家から目次の引用



[第1特集] 法務のためのブックガイド2015
[2014総括] 法務担当者5人による 購入書籍分野別批評会

担当者・弁護士が薦める理由

01 企業法務系ブロガーによる辛口法律書レビュー 企業法務系ブロガー
02 1冊で主なポイントを一通り確認できる便利な書籍 電機メーカー 法務担当者
03 米国研修中に読んだ人事労務とコンプライアンスの実務書 渡部卓也 テルモ 法務室
04 激動の「プロジェクトマネジメント義務」と「著作権」を理解する メーカー系情報システム子会社 法務担当者
05 実践的内容の書籍に触れ業務を見つめ直す 
   安田正修 電子部品メーカー 管理本部 法務課 アシスタントマネージャー
06 法務の現場感覚を伝える実務書 柴田堅太郎 弁護士
07 待ったなし“パーソナルデータ”に備える3冊 伊藤亜紀 弁護士

紹介書籍 INDEX

 

[第2特集] 景表法改正で見直す表示チェックの実務
いま必要とされる景表法コンプライアンス実現のカギ

池田 毅 弁護士 / 松田知丈 弁護士

不当表示に対する課徴金制度 概要と実務への影響

長澤哲也 弁護士

[座談会]実務担当者が考える これからの景表法対応と各社の課題

[参加者] 法務担当者 5名 / [司会] 村田恭介 弁護士

 

実務解説
新しい行政不服審査制度の概要と実務上の留意点

菱山泰男 弁護士


シチュエーション別 フランチャイズ契約のトラブル防止・対応策
フランチャイザーは、どのような場合に第三者に対して損害賠償責任を負うか?

淵邊善彦 弁護士 / 戸澤晃広 弁護士 / 田中健太郎 弁護士

 

ビジネスを促進する 景表法の道標
顧客にメリット(景品・値引等)を提供する企画での留意点

籔内俊輔 弁護士

裁判例から学ぶ 対症法務と予防法務
担保権の保全策 ─留置権の功罪(1)

滝澤孝臣 日本大学法科大学院教授・弁護士


英文契約書 応用講座
贈賄禁止条項

山本孝夫 明治大学法学部元専任教授

 

米国における 特許権制限の動きが及ぼす影響
高い賠償および差止めリスク

一色太郎 米国弁護士

 

Global Business Law Seminar
米国法の域外適用とコンプライアンス

田中誠一 横浜国立大学法科大学院客員教授・弁護士

連載
Opinion

窪田充見 神戸大学大学院法学研究科教授

INSIGHT

小林健一 日本経済新聞社

法のデザイン

水野 祐 弁護士

企業会計法Current Topics

弥永真生 筑波大学大学院教授

源流からたどる 翻訳法令用語の来歴

古田裕清 中央大学法学部教授

牛島信のローヤー進化論

牛島 信 弁護士

Information

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海外腐敗行為防止法に備える コンプライアンス強化策

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編集後記・次号予告
 

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dtk1970 at 21:00│Comments(0)雑誌 

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