November 18, 2014

法務部員のための 契約実務共有化マニュアル For Legal department Manual of contract business sharing / 河村 寛治 (著), 宮田 正樹 (著), 河西 潔 (著)



仕事の早いはっしーさんが早々に紹介されていたが、同時期に入手していたものの、遅ればせながら、一通り目を通した感想をメモ。

商社法務の経験者の先輩方が、契約法務に特に重点をおいて、営業マン向けに、彼らに関係のある法務的分野について書いた解説書、というところで、はしがきでも、法務担当者がまず読んで、営業マン向けの研修に使うことを想定して書いた、とある。

一読した印象では、そういう用途向きなんだろうな、というところ。営業マンに一から読んでもらうのは、法律関係の書籍としては薄めとはいえ、分量の面でも厳しいという気がする。内容面でも、表や図がうまく使われていて、文章も法律書にしては相当程度噛み砕いて、読みやすく書かれているけど、でも、まだ、難解と取られても不思議はないように見受けられる。そうだとすると、法務担当者が自社の状況に応じた調整も含め、補足説明をしながら、研修をする、という感じになるのだろう。 なお、渉外系のお話は明示的には含まれていないが、その辺の特殊要素は別途補えばいい話だし、基本は共通のはずだから、こういう書き方もあり、だろうと思うところ。

個人的には、寧ろ、いわゆるセオリー本と一緒に、初心者の法務担当が読むという使い方の方がいいのではないかという気がした。社内での契約書の取り扱い方とかも書かれているから、便利だし、法務担当者になろうという人間にとってで、あれば、ここまで噛み砕いてあれば、一人でも十分とっつきやすいだろう(これがダメならそもそも人選ミスと言えるくらいに)。まずは営業マン向けに最低限のアドバイスができるようになってもらうという感じか。もちろん法務担当者については、この範囲はあくまでも最初、であって、その先に行かないといけないのだが、手際よくまとめていただいているので、ここからスタートというのも悪い話ではないように思う。 そういう意味では一社に一冊あっても良いのではないだろうか。

と、書くだけではつまらないので、気になった点をいくつか。
  • 債権法改正の状況への言及があるが、すでに何だか微妙な感じになってしまったのは、やや残念だが、まあ仕方ないのだろう。この辺は適宜改正がされた後でのupdateに期待、というところだろう。 
  • 契約交渉の進め方のフローチャートがあるのだが、先に社内承認を取って、その後で内容を確認、みたいな書き方に読めるのだが、そういう進め方が一般的なのだろうか(個人的に経験した範囲では違うが)。それだと、承認というのは、内容を確認せずに、何について承認をしたのか、よくわからないように思うのだが…。この辺は個社ごとの実務のあり方にもよるのだろう。


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dtk1970 at 18:47│Comments(0)書籍 | 契約法務

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