November 14, 2014

B2Bメーカーの法務の概観を試みる

先日@ahowotaさんとやり取りしながらつぶやいた内容をまとめなおしてみようかと。@ahowotaさんの勧めに乗ってみたというところであるわけだが…。

こちらに倣って、僕の現職及び過去2社がB2Bのメーカーだったということもあって、メーカー、特にB2Bメーカーの法務について鳥瞰というか概観できないかと考えてみることにした。

例によってこちらの経験による限界があるので、その辺は理解でお読みいただければというところ。B2Bのメーカーといっても扱っているものは千差万別なので、一概にはいえないが、まあ、あんまり情報が出てこないかもしれない(自信なし)かもしれないので、ご参考まで、というところか。 いつぞやのこちらのエントリが参考になったというのであれば、同程度に参考になればいいかなという感じ。製造業の法務というと、その旨を明示していないものの、もっと経験値のある先輩がたもおられるので、何らかの方法でコメント等いただけると幸甚です。
…ホントは全部書いてから上げたいところだが、そうなるといつ出来上がるかわからないので、一旦途中までで上げます。気が向けば続きも。
(11/18一部追記した)

さて、直感的におおざっぱに分けると、大きなくくりとしては次のような感じになるかと思うのであります。
  • 共通 
  • 製造 
  • 開発 
  • 営業 
  • 海外 
  • 管理 
パンデクテン風?に共通する部分はとりあえずくくりだしてみた、が、その内容については、そこから後でも適宜言及ということで。

 

さて、共通としてくくりだすのは次のあたりかと。 

0.共通

やり取りする相手方の素性に関する話


当節流行の反社関連(暴力団排除や、アメリカの対応する関連法規も含め)の話もさることながら、国境をまたぐ話が絡むとビザとか輸出管理系のお話(外為法とか、米系の会社ではアメリカの再輸出規制も)とかも出てくる。この辺を飛ばしていると「ちゃぶ台返し」が生じる可能性があるので、定型的な処理ではあるものの、対応は重要ということになろうか。
なお、輸出管理系のお話は、人・モノ・金すべてに絡むし、モノについては、有体物だけに限らないので、注意が必要。それと、この辺は当然のことながら、与信とかにも関係するだろう。 
さらに、特に社会主義国では、相手先が公務員か、国営企業なのか、というような話も、FCPAとかUKのBribery Actの話とかの関係で別途注意が必要なのだろう。


秘密情報のやり取りに関する話

とりあえずNDA、ではないけど、NDAは何かにつけて重要。NDAだけで秘密が守られるわけではないので、営業秘密としての保護をきちんと保てるよう管理の実際も重要というのは言うまでもないだろう。  


働く人との関係

従業員との関係での労務管理、だけではなく、派遣とか構内請負で仕事をされる方々との関係も含めての話。労働法、下請法、に限らず、最近聞かないけど、偽装請負の話も出てくることもあるだろう。  


書面の取り交わし

文書を取り交わす以上、内容とは別に、印紙税は最低限気にすべきなんだろう。  


税務

企業活動として、費用をかけて売り上げをあげて、利益を出して、という一連の流れの中で、税務は常に意識しておくべきなのだろう。経験的に、「ちゃぶ台返し」になる確率が高いのは税務だから。  


許認可

あちこちで、許認可ってやつが要るので、これも重要。新しいことを始めようとする際に、実は許認可がいるのに気付いてなくて、みたいなことになると大変。内容によっては、取るのに手間とか時間がかかる(有資格者を社内に抱えないといけないケースでは、社員を有資格者にするか、有資格者を雇うかしないといけないし)ケースもあるので。
関連して最近ではISO関連も重要(取ってないとそもそも契約交渉の土俵に上がれないこともままあるので)。製造業だと14001と9001がまず押さえるべきところになろうか。


1.:製造

次は製造現場。どこからどこまで現場とみるのかよくわからないところがあるが、まあそれはそれとして(謎)。


環境
メーカーで製造拠点込のM&Aの時にDDで一番気を付けるべきは環境、と言われたことがあるが、さもありなん。理由は簡単で、一番リスクが見えにくいし、意識しにくいから。そういう次第でまず最初に挙げておくべきだろう。どういう製造工程で何を使って、何を作っているかで異なると思うが、思いつく範囲では次のようなところは時として対応が必要になる。この辺で何か起きたときの規制当局・近隣等への対応のサポートも求められることがある。
  • 騒音・振動・悪臭
  • 大気汚染
  • 水質汚染
  • 土壌汚染
  • 廃棄物処理(当節ではアスベストとかPCBとかが厄介か。アスベストとかになると除却債務の問題も出ることもあろうか。)
  • 個別の化学物質ごとの規制(化審法とか労働安全衛生法とか出てくる)
まあ、操業に直接絡む話は、現場のことを知らないでうかつなことも言えないので、法務にいるような人間がどこまで力になれるのか疑問は付きまとうのだけど…。


固定資産の管理

土地とか建物もそうだけど、設備もある。債権保全との関係で問題になる(譲渡担保とか)こともあるだろうけど、工場の敷地が広く、歴史が長いと土地境界で近隣ともめるとかもありそう。権利関係については、事実を証拠書類と現物とで照合しておかないと、処分のときにハマることになる(この辺は法務でやる話ではないかもしれないが)。


調達とか購買
 
モノやサービスの調達、という意味では、下請法、独禁法(ここではヨコ(同業者間)がメインか)というあたりがまず関係するけど、サプライヤーが倒産等した場合には、債権保全の問題が出たり、次の調達先をどうするんだというあたりの議論も出てくる。サプライやーとの間でトラブルがあった時の対応のサポートが要るのはいうまでもない(このあたりは前に書いたこちらのあたりを合わせて参照されたし)。
サプライヤーとの関係では、反社対応とか、CSRとか、グリーン調達とか、ISOもからむし、扱うものによっては、紛争鉱物の問題も出てくることもある(自社の顧客からサプライチェーンの流れにそって話が下りてくるわけで…)。
あと、東日本大震災後はBCPとの関係で自社のサプライヤーについての情報開示を求められた場合にどうするか、なんて話も出てくる。どこから何を調達しているのか、がノウハウということもありうるわけで…。 


製造プロセス内 

プロセスという書き方をしたが、プラントということもあるだろう。要はメーカーの肝とも言うべき(ファブレスいうのもあるけど…)、製造工程それ自体である

いわゆる構内請負とかがあると、偽装請負とかの関係をどうするか、という話も出てくる。作業している人との関係では労働法(労働環境に関わるものも含めて)が関わってくるのは言うまでもない。また、改善活動などの中から出てきたアイデアを権利化するという議論が出てくると知財の話が出てくるかもしれない。

あと、製造それ自体という意味ではPL法や品質保証との関係が出ることがあるかもしれない。不具合が問題になった場合には製造工程それ自体についての議論は必須だろうから。


技術導入・技術移転
要するにライセンスイン、ライセンスアウトみたいな話なので、知財マターになることも多い。製造拠点の海外移管との関連では、営業秘密の保護とか先端技術の移転との関係で他の法規が絡むこともあるのかもしれない(自信なし)。ついでにいうと、この関連で知財権侵害とかのクレームが来る可能性も考えられるように思う。


2.:研究
 
*正直この辺は(も?)、こちらの場数が少ないので言えることが少ない…(汗)


製造?

研究施設がある場合で、特に試製造とかする場合には、製造のところの話(固定資産の管理とか、環境回りとか)は重なる部分があるだろうと思う。環境回りは、製造よりも試行錯誤の過程で、少量とはいえ、よりいろいろなものを扱う可能性があるので、環境回りでの問題での注意が必要かもしれない。


知財周り(広い意味で)
開発系という意味では、上記のほかに、当然のことながら、知財関係のお話はいろいろあるだろう。権利化、ライセンスイン・アウト、共同研究、侵害対応というところに絡む話が出てくる。それとは別に、研究者の方々に対する褒章の話も出てくるだろう。
 
研究開発と施設の接点という意味では研究施設のセキュリティも重要になってくるかもしれない。
(また、大きなプロジェクトとかになってくると、時として機関法務マターになったり、開示とかの話になるのは言うまでもない。)

商品開発とかの場合は、上記に加えて、商標とかそっちの話も出てくるだろうし、宣伝資料との関係では、B2Cほどではないとしても、景表法の不実証広告とかの議論も時として出てくる。また、商品のパッケージとかについての規制が出てくることもある。 

…さすがに疲れたので、見切りでここまででupする。続きがいつになるかは不明。

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dtk1970 at 00:40│Comments(0)法務その他 

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