パンケーキOlympicは火の車/久保田利伸

February 14, 2010

「中古」

hiroさんのエントリを見ていて思ったことのメモ。僕も2度転職したから、何かコメントをしても良いのではないかと思ったから。2度くらいで、お前みたいな奴が言うなと言われそうだけど。

語弊があるのを承知で、やや無理のある喩えを使うと、新卒が「まっさらの新品」だとすると、中途採用は「誰か仕様にチューンされた中古製品」でしかないような気がする。前者は、お好みでチューンし放題である一方で、チューンする手間はかけないといけない。一方で、後者は、「誰か仕様にチューン」されている分だけ、すぐ使えると評価してくれる人がいる一方で、それが、他の誰かにとっては、使い勝手の悪さを引き起こす原因にもなりかねない。そこが一番の違いなのだろう。「合う」「合わない」の相性が新卒よりもシビアになっていると言えるのだろうと思う。

その意味で言うと、自分という「商品」をどのマーケットで売るか、というマーケティング、特にどの市場で売るか、というマーケティングが重要になるように思う。「合う」と思ってくれる人が居るところが、「市場」であり、「市場」を広く見るのと、絞り込んで行くのとでは、そこにいる人から自分を見た「使い勝手」も異なるから、その「市場」での評価も異なってくるのは何ら不思議がないと思う。


また、「市場」の選び方という意味では、キャリアに一定の一貫性があった方が、「商品」としての自分を売りやすいのではないかとは思う。僕自身はその点は多少は意識したし、その点について、一定の許容範囲内から出ないように保つことが、最初の転職の際の要素になっていたことも否定できない(そうすることが自分の嗜好にもあっていたということもあるが)。何でもできるというのは、何にもできないと同じに取られかねないから。一方で、守備範囲が狭すぎると、そもそも「買い手」がいないという状況もあり得るのが、このポイントについての難しいところではないかという気がする。

ただ、ここでいう「一貫性」も「一貫性」があるように見えれば済む話かもしれないという一方で(その意味で面接で「一貫性」が見えるようなストーリーを後付けで作るという「技」も可能かもしれない)、その「一貫性」は、「買い手」にとって必要な一貫性であること(前述の「技」の有効性はここにかかるわけだ)が重要なのだろう。

そう考えたうえで、法務という職種を見ると、一貫性は保ちやすい方かもしれない。経理とかほど、「市場」は広く取りにくいかもしれないけど。

…というようなことをぼんやりと思う今日この頃です。


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dtk1970 at 00:58│Comments(2)TrackBack(0)転職/仕事 

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この記事へのコメント

1. Posted by hiro   February 14, 2010 09:43
dtkさんこんにちは。
新卒のチューンということで言えば、社内でしか通用しない人材になってしまわないよう、コントローラブルな部分については、自分自身で主体的にチューンしていく必要があるのでしょうね。この時に外部の人と触れ合うことが重要なのだと思います。
私が新卒時に入社した会社は、外の世界を知らない、会社に都合のよい人材を育てることに必死でした(笑)
そうは言っても、dtkさんのおっしゃるとおり、「キャリアの一貫性」というのは、後付けのものだったり、気づくとそうなっていたり、という側面も大きいかと思います。
このあたりはやはり「ストーリー化する技術」のようなものも必要だと思います。(私のストーリーにはやや無理があり、面接時に突っ込まれたりもしましたが・・・)
などと偉そうに書いていますが、私はまさに「風にころがる」ような仕事の選び方をしてきたんですけどね(笑)
ではでは。
2. Posted by dtk   February 14, 2010 18:33
hiroさん、どうもです。
外ででも通用する能力が身につくというのは、重要ですよね。
自分の能力の置かれている状況を確認をするためにも、外との接点も重要だと思います。
僕も途中までは成り行き任せで来たので、あまりエラそうなことは言えませんが(笑)…。

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