「15歳からのファイナンス理論入門」/慎 泰俊古本・古雑誌の整理

December 05, 2009

お付き合いの仕方

#以下は僕の経験から来る実感に基づくもので、現在および過去の職場での取り扱いその他とは一切関係がない。
と、書いておかないと怖くて書けないような気がする。

という、偉そうな前置きはさておき、弁護士さん・弁護士事務所との付き合い方にもいくつかのパターンがあるのではないかと思ったので、書き出してみる。企業の法務担当者からの見え方のパターンであるので、依頼を受ける側の皆様の気分を害する可能性があるかもしれないので、その点は、ご容赦いただきたく。

一応、うっかり覗いてしまう危険を排除するために、内容は「追記」に書いておきます。ご留意ください。


以下は、民法の典型契約みたいな感じで、弁護士さんとの付き合い方を分類してみたもので、ひとつの関係が複数の要素を持っている場合もある。

  1. リーガル土方系:要するに人海戦術で対応する必要があるもの。大規模M&Aとかがわかりやすい。一定クオリティ/資格の人間が大量にいることが重要で、そこでは、一番上以外の弁護士の個性・能力が問われることは少ない(下っ端についてダメを出される可能性はあるけど)。その事務所に対するクライアント側の本音ベースでの評価が良かろうと悪かろうと、諸般の事情(コンフリクトの問題とか)で、使えるところが限られる場合もある。
  2. 便利使い系:フットワーク(レスポンスの速さ)とキャラクター(相性)重視か。気軽に頼めることが重要。ベンチャーとかではまずここの弁護士を用意するところから始まるんだろうと思う。
  3. 専門系:知財、独禁、金融、総会対応あたりがわかりやすいか。担当弁護士のバックグラウンド・経験重視というところ。
  4. 老師系:それなりの大きさと歴史のある企業でありうるケース。人徳とその会社との付き合いの長さがポイント。下手な社員よりも企業カルチャーとかに詳しかったり、偉い人とも飲み友達だったりするケースも。方針とかについてご意見をお伺いするケースが多く、「この先生が言うんだったら」という格好で社内でも説得の材料としてご意見を使うこともあったりする。
  5. 権威系:問題のある案件で意見書をもらって、会社側が外向けのディフェンスに使うようなケース。経歴と学識重視。

いわゆる4大事務所や渉外事務所は1と3の混合と考えられるのだろう。その中の特定の弁護士さんが、特定のクライアントにとっては4に該当するケースや、5に該当する弁護士さんが、そういう事務所におられることもあるだろう。その場合は、当の弁護士さんが他に移るとクライアントはそれについて動くことになるものと思われる(要は事務所のクライアントではなく、その先生のクライアントなわけだ)。

4や5に該当する個人の弁護士事務所にお願いをするときは、手作業の類は法務側でやっておく必要があったりすることもある。当の弁護士さんがお歳を召されているケースが大半なので、メールとかで相談ができないケースもありうる話。

フツーの弁護士さんとの付き合いだと、その弁護士さんがイソ弁から独り立ちして、キャリアを積んでいく中で、1→2→4といくことになるのだろうと考える。余裕があれば、2のポジションの先生を数人抑えつつ、4の先生もキープすることで、総額での弁護士費用の最適化とかも考えることができるのだろうと思う。

…と書いてみたけど、ちっとも大した話ではないように思えてきた。企業法務関係者の方々のご意見をお伺いできれば幸甚です。


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