超実践 債権保全・回収バイブル―基本のマインドと緊急時のアクション Debt Recovery Bible, Mindset and Emergency Actions / 北島 敬之 (著), 淵邊 善彦 (著)4月1日の何だか

March 31, 2014

最近読んだ雑誌から(2014年3月末)

例によって、気になった記事についての感想をラフにメモ

ビジネス法務5月号

総会特集。今の勤務先では特に関係がないのだが…。既に@kbtppさん(そういえば、こぶたさん、とツイッターで呼ばれてたのを見たけど、どちらかというとパパさんではないのかと…)が書かれていたけど、特に会場やお土産、受付というあたりについては、弁護士さんや信託銀行の方々の話もそれはそれで興味深いけど、企業の「中の人」の話も読んでみたいところ。特に会場については、実際に会場を変えた会社を探して、そこの担当の人にいつからどういう点について気を付けたか、とか書いてもらう方が実務面でどういう点が大変なのか、という点が浮き彫りになるだろうからより参考になると思うのだが…そういう風に思うのはBLJの読みすぎ(意味不明)なのかもしれないけど…。
株式事務については、やはり、「お作法」に厳しい分野であることを改めて実感する。一つ一つを着実に適時に行っていくことは大変そうだ。





ブラック企業なんて言わせない、の特集は、法務的な側面にこだわらず、より幅広い側面から手堅くまとめられており、問題の概観という意味では有用なのではないかという気がする。もっとも、その分建前めいた記事になっているのではないかという気がしないでもないが…。

英文契約書の記事。協議条項の意味合いについての英米の当事者から見た意味についての指摘が、先般のtwitterでのはっしーさん起点の議論とも相まって興味深い。経験豊富なベテランの弁護士さんによる解説で、最後まで学ぶところの多い連載だったので、書籍化を希望したい。

改正独禁法とのその対応についての記事は、改正のメリットともに、その限界(処分前手続における証拠閲覧・謄写が限定的であること)や実務的なインパクト(公取の処分を裁判所が覆す可能性が高まるとは言いきれないこと)についての冷静な分析が興味深かった。
 
会社法改正の対談は、制度のつじつまの合わなさについて、一歩引いたところから見ているあたりは、さすがというべきか。

労働条件の不利益変更についての裁判例についての記事は、個人的には今後に期待。


NBL1021

個人的には少額債権の記事がよかった。少額であるが故の特質、特に費用対効果を考えての対応が必要になるということになろうが、不動産について、登記簿を取って、抵当権がついていた場合に、当該不動産からの大口の回収は難しいものの、抵当権登記から取引銀行が支店名レベルまでわかることが重要、という指摘等に、着眼点の新しさを感じた。その他にも公的情報やネット上で公開されている情報から対象会社についての情報を読み解こうというあたりも、興味深い(ネット上の一部の「達人」の方々のレベルには達するべくはないものの、一般人でも実施可能なレベルで書かれているので、このくらいであれば、むしろ汎用性は高いのではないかと思う)。

独禁法の村上教授の記事は、長いスパンで俯瞰する形で書かれていて、こういうのはアカデミックな方でないとかけないだろうなと思うのだけど、気になったのは、不公正な取引方法についての評価。前半で脆弱性を指摘しており、不要な禁止行為の指定が60年間見直されていないこと等をその要因としてあげているものの、それに対して、条文の変更などは特に不要であり、脆弱性を認識していれば足りるとしているところが、今一つよくわからなかった。

岡村先生の記事は、まとめて要再読か。個人情報保護法の改正は必要なのだろうが、技術的なことに詳しくない素人にとっても、予測可能性をある程度の長期間保てるような形で改正されることを望むばかり。

エルピーダの記事は、当事者として関与した弁護士さんたちのコメントがこういう形で出てくることは、資料的な価値等の意味でも有意義なのだろう。続編に期待。 

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dtk1970 at 23:11│Comments(0)雑誌 

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