March 26, 2014

超実践 債権保全・回収バイブル―基本のマインドと緊急時のアクション Debt Recovery Bible, Mindset and Emergency Actions / 北島 敬之 (著), 淵邊 善彦 (著)



一度予告記事がBLJに出てから、実際に出るまでに一年かかったけど、個人的には待望の一冊が出た。出版記念セミナーがあるということで、出席して一冊入手して早速目を通させていただいたので、感想をばメモ。

債権回収・保全系は、勤務先のビジネスモデルなどの関係から、今までのところ、個人的にはあまり縁のない分野なのだが、いつ何時必要になるかわからない分野なので気になっているのだけど、そういう会社においても、この本を手元においておくだけでも間違いなく有用。加えて、一読して、どこのあたりに何が書いてあるかを把握した上で、いざことが起こった時には、すぐに紐解けるようにしておくと更によいと思う。その意味で、ステマではないはずだが、帯にあるように、法務担当者一人につき一冊あってよいと思う。





債権保全、債権回収のために何をするべきか、という部分については、理論的なことから、具体的な書式、段階ごとのチェックポイント、現地に行く際に持っていくもののリストに至るまで懇切丁寧に、なぜそうする必要があるのかまで、書かれているし、法的手段の実務的な価値についての見極めのコメント(例えば、否認権の行使については、行使のためのハードルもそれなりにあるので、過度に恐れる必要はなく、ただ、行使のリスクを認識したうえで、回収に臨むべき、とか)もあり、法律論の枠にとどまらずに歴戦の勇士(というと大げさ?)の実務的なノウハウが惜しげも無く開示されているのが類書にないところ、だろう。

取り上げられている分野も、類書に比べて広範で、知的財産と回収、債権回収と税務、海外における債権回収というあたりまでカバーされている。この辺りは、淵邉先生個人だけではなく、TMIの能力も結集して制作しただけのことはあると思う。

「債権保全・回収はまめに、しつこく、したたかに」
「債権保全・回収の最大の協力者は債務者」
という標語が個人的には印象的。その意味するところは、読むとよく分かる。行動を取る都度、しっかり考えて、一つ一つ丁寧に根拠を確認していくことの重要性と、緊急時には法的知識だけではない、自分の総合力が問われるということを実感する。

予告がBLJに出てから、なかなか出ないので、折にふれて編集部のUさんに催促をしたものの、当初の予定から一年余計に時間をかけただけのことはあってか、盛り沢山の内容が、図表などが効果的に使われることで、わかりやすく整理されていて、そのあたりも評価すべきところだろう。

なお、盛りだくさんの内容をコンパクトにまとめた関係から、法律論の基礎的なところは、理解してあるのが前提という感じになっているので、そのあたりに不安のある向きは「債権回収基本のき」あたりと合わせて読むと良いのかもしれない。 

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