February 10, 2014

若手弁護士のための民事裁判実務の留意点 / 圓道 至剛 (著)

仕事の早いはっしーさんに出遅れたが、同じ本について感想をメモ。BLJのbook guideでも紹介されていたもの。若手弁護士さん向けの本だけど、弁護士ではない企業の法務の担当者としても一読し、手元においておいて損のない本だと思う。

弁護士経験の後、任官され、現在は再び弁護士をされている著者の手によるので、弁護士としてどうするという部分を丁寧に分かりやすく説明するだけではなく、ここのステップで、裁判所側が何をしているのかまで、説明があるので、訴訟全体の流れを俯瞰する形で、手続きを見ることができるので、企業法務の担当者として、書面の書き方(書式例もついている)、手続きの進め方を押さえておくうえでも有用だし、弁護士さんとのコミュニケーションをはかるうえでも有用なのではないかと思う。




個人的に特に印象に残った点をいくつか挙げると次のとおり。
  • 書式例の中の証人尋問心得。企業側担当者として従業員に証言台に立ってもらうとなる と、そのケアも必要になるが、こうしたメモがあると、その部分の負荷を減らすことができてよいのではないかと思う。あえて、付け加えるとすれば、訴訟は絶対的な真理を追究 する場ではなく、裁判所であれ、相手方であれそれを教育する必要はなく、訊かれたことに単純に答えることが重要というところか。普通の人にとっては、訴訟ということが非日常ということもあり、相手にきちんと全部を理解してもらおうと、言わずもがなのことまで言おうとする人がいて、法務のコントロールが聞かずに苦慮したことが一度ならずもあるので…。
  • 一部の弁護士の装飾的な書面についての、批判的なコメント。まあそうだろうな、というところではあるのだが…。その一方で訟務検事の準備書面が、裁判官の視線で参考にすべき準備書面の例であるという指摘も興味深かった(実例を見る機会を作るのは簡単ではなさそうだけど)
  • 「勝ちすぎ」の心証が開示された場合、裁判所の誤解による可能性があり、控訴審でそれが覆される可能性があることから、多少譲歩しても和解しておく方が結果として有利になる場合もあるという指摘。


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dtk1970 at 20:27│Comments(0)書籍 | 紛争対応

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