【Advent Calendar 2013 法務Tips】でのmsutさんのエントリ*1を見て、以前上司に言われたことを思い出したのでメモしてみる。

法務としては、訊かれた質問には答えるべきではない、というのである。



すなわち、質問してくる人間の問題意識と質問の間にはずれがあるかもしれないので、質問の背後にある問題意識をきっちり把握して、あなたの問題意識に照らせば、質問としてあるべき問いはこれこれで、かつ、それに対する答えはこうである、と答えるべき、ということらしい。

このアプローチだと、法務の「お墨付き」がほしいために、意図的にか、そうでないかはさておき、都合のよくないことは伏せて質問してくる人間に対しても、全部一通り聞いて、伏せられたものもuncoverできるくらいに訊いてから、答えよ、ということにつながることになるかもしれない*2*3

この種のアプローチは本気で全部訊くわけにもいかないので、訊かないで済むことは訊かずにすませられるよう業務などについての知識を要求されるだろうから、大変なのは間違いない*4。正直実際にやるのは相当困難だろう。また、訊かれる側にしても、ある意味で疑われるとも取られかねない(というか疑っているわけだし)ので、逆に法務に相談に来る足を遠ざける可能性もあるので、常にそういうことをすることがよいことかどうかは個人的には疑問に思っているのだが…。





*1:http://msutenatakano.blog.fc2.com/blog-entry-149.html 
*2:このアプローチであれば、弁護士さんのいう「依頼者のうそ」にも対応できるということになるのかもしれない。 
*3:法務(に限らないかもしれませんが)にとっての「依頼主」は目の前にいる営業マンではない、会社全体であるという意識も並行して必要という気もする。この点は前にこちらでネタにしたが、個々の営業マンの利益と会社の利益とは時に相反し得る(営業成績に基づくインセンティブがつく給与体系の場合は特に)ので、そこも目配りが必要で、それも勘案したうえで、依頼主としての会社全体にとっての、できる範囲内での最善は何か、が重要という気がする。
*4:業務量とか業務のはばの広がり方、事案のスピード感からすれば、昔日にできたことと同じことを求められては困るという批判はありそうな気がする。