July 02, 2013
最近読んだ雑誌(2013年7月はじめ)
周回遅れを取りもどす、というわけではないが、ビジネス法務8月号の記事についての感想を箇条書きでメモ。例によって(謎)、記事の特定の仕方はラフですがご容赦あれ。
- 国廣先生の記事は、この事案でこの先生ならこういうコメントだろうな、というところか。
- 精神障害者雇用の記事は、この種の特集を今まで見たことがなかったが、問題の複雑さ、繊細さがよくわかって良いのではないか。
- インサイダー規制の記事は、正直今回の改正については、不勉強でよく知らなかったけど、こういうところの規制漏れがあったのか、と驚く。公表資料のネット閲覧は、URLの年号に関する部分を書き換えて資料を探すのは、時々するので、そういうのが規制対象になると困るなと思ったが、そういうことではなくてちょっと安心。まあ、そういう方法で閲覧できること自体を問題にすべきなのは確かだろう。
- M&Aの「意外」な重要ポイント、の記事は、個人的には、「うんうん」とうなづきながら読んだ。密行性を保つための対応とか、許認可の問題とかは、自分が経験した中でもあれこれと策を弄したことがあるので。M&Aの華やかな部分(があったとして)を支える地道な部分の解説としては良いのではないだろうか。
- 債権法改正の記事は、契約実務編も債権回収編も、日々の実務のレベルまで噛み砕かれた解説になっていて、読みやすくて良い。続編にも期待。
- ネット選挙の記事は面白いが、リスク管理という意味では法律論以前に個々人のネットリテラシーとかの問題の方が大きいのではないかと思われ…。
- FCPA対応の社内規定の記事も、米国以外のアジア諸国の規制まで目配りをしているのが、西村のネットワークのたまものというところだろうか。規定も詳細だけど、それでも限界事例では現場は迷うかもしれないな、と思う。特に強要に関するあたりは。
- 英文契約の記事は、"inconsistency"の扱いについての指摘は結構手厳しいなあ、というところ。批判の趣旨は理解するし、指摘のとおり、個別のつじつまをきちんと合わせることを優先すべきと思うけど、その時間がないところでの最低限の手当てとか、バックアップの意味でこの種の文言を置くことは是認されてもいいのではないかと思うのだが…。あと、「まわりくどい表現の英文契約書に慣れると感覚が麻痺してしまい、短い条文だと何となく不安になり、長い条文だと意味のないことが書かれていても「ありがたがる」おそれがある」という指摘には反省しきり(特に前半部分)。
- 小技のところでの「語彙力より構成力」は確かにそうだと思う。語彙豊かに何かをするというのは契約書ではむしろ有害。語彙で何とかするよりも、構成からなおしたほうが早いというのは、時折経験するところ。
dtk1970 at 23:28│Comments(0)│雑誌