きわめて個性的で、問題をはらんだ本なので、紹介しにくいのだが、それでいて、個人的には是非紹介したい本なので、紹介、というか感想をメモ。

司法書士資格を取った後に、法務職で、国内企業、外資系企業を含め数度の転職を経験した著者が経験に基づき企業法務部門のあり方について、語る本というところが、大まかな紹介だろう。生々しい経験談が面白いのだが、守秘義務などの点で問題はないのか、という疑問もあるし、また、既にはっしーさんやその他の方がTL上で指摘されているような問題点を含んでいるのも事実。そこのところを軽んじるつもりはない。

しかしながら…、と思う。



企業法務のセオリー(以下「セオリー」と略す)が、あちこちで絶賛されているのを見ればわかるように、法務のセオリーを的確に、かつ、きれいにまとめられている一方で、企業の法務の部門で経験するのは、きれいな話だけでもない。担当者としてスタートしてある程度やっていく中では、悔しい思いをしたり、冷や汗をかいたりすることもある。そういう泥臭い話を、特に自分の力が及ばずに、心ならずも退社を余儀なくされるようなケースにいたったことまで、実名でここまで書けるのは、正直そうそうできるものではないと思う。それがたとえ蛮勇であったとしても(僕はそうは思わない)、多少筆が走りすぎたとしても(これはむしろ編集サイドがもうちょっと配慮をしてあげられると良かったのではないか…という気もする)、それでも、この点は評価されてしかるべきものと考える。

そう思うのは、僕自身も、過去において、力が及ばず悔しい思いをしたことは多いけど、そういうことを、あのレベルの率直さで書くことには、一応匿名blogのここでも、守秘義務とかをクリアしたとしても、自意識に照らして躊躇せざるを得ないから、なのだろう。匿名であってもそう思うのに、実名で、となると、なおのこと。

それ以外にも、個人的にはセオリーで触れられていなかった、他部門との連携の取り方とか、情報の取り方、人材育成の仕方についての記載があり、セオリーと併読してもよいのではないかと思う(特にマネージャー層にとっては)。




このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット