April 21, 2013

ミランダ警告の例外

ボストンに住んでいたことのある人間としては今回の一連の出来事には、驚いたし、BUの卒業生としてはボストンマラソンでの爆破事件での犠牲者の一人がBUの大学院生だったということにも驚かされた。犠牲者の方々のご冥福と被害にあわれた方々の回復をお祈りする次第。

そういう中で、あれ?と思ったのはつかまった容疑者に対してミランダ警告が読まれないという話。
WASHINGTON — The Obama administration’s announcement that it would question the Boston Marathon bombing suspect for a period without first reading him the Miranda warning of his right to remain silent and have a lawyer present has revived a constitutionally charged debate over the handling of terrorism cases in the criminal justice system.
ミランダ警告とは、アメリカの刑事もので出てくる、逮捕時とかに刑事が読み上げる警告で…たとえば次のようなもの。
  • あなたには黙秘権がある。
  • 供述は、法廷であなたに不利な証拠として用いられる事がある。
  • あなたは弁護士の立会いを求める権利がある。
  • もし自分で弁護士に依頼する経済力がなければ、公選弁護人を付けてもらう権利がある。

で、今回はこれが読まれずに尋問とかされたのだろう。通常はそういう状態で得られた供述は証拠として認められない(inadmissible)とされるが、今回はpublic safety concernの例外の適用があるということらしい。


え、そんな例外あったっけ?と思って手元にある英米判例百選(アメリカ法判例百選も買ったけど会社にある…)のMiranda v. Arizonaの解説を見ると、New York v. Quarlesで公共の安全の例外を肯定した、とある。


・・・すいません。知りませんでした。







で、もうちょい調べてみようと検索したら出てきたのがFBIのサイトの中の記事。先の判例は結構長いので読めてないのだが、これを読むと概要がわかる(FBIの人(弁護士さんらしい)が書いているので、立場的にバイアスがかかっている可能性は念頭に置いたほうがいいのかもしれないが…)。

FBIのサイトの記事を読む限り、逮捕したけど、持っていたはずの武器が見つからないときにそのありかを訊くとか、危険がある状況下において、その危険を除くのに必要な範囲で例外的に適用になる規則の模様。方法面についても、そういう状況下だからといって、脅迫するとか、デュープロセスの観点からみて不相当な方法まで認められるわけではなさそう。

According to the Supreme Court, the public safety exception is triggered when police officers have an objectively reasonable need to protect the police or the public from immediate danger. Because the standard is objective, the availability of the exception does not depend on subjective motivation of the officers. Legitimate concerns for officer safety or public safety prompting unwarned custodial questioning arise in a variety of contexts. A common factor that can be gleaned from the courts addressing this issue is the prior knowledge or awareness of specific facts or circumstances that give rise to the imminent safety concern that prompted the questioning.
The Quarles Court made clear that only those questions necessary for the police "to secure their own safety or the safety of the public" were permitted under the public safety exception.
Voluntariness is the linchpin of the admissibility of any statement obtained as a result of government conduct.43 Thus, statements obtained by the government under the public safety exception cannot be coerced or obtained through tactics that violate fundamental notions of due process.

そういうことを考えると今回の事案でも適用される余地があるのかもしれないが、どうなんだろう…。






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dtk1970 at 23:40│Comments(0)アメリカ法 

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