スキルアップのための 企業法務のセオリー /瀧川 英雄 (著)公共図書館で判例オンラインデータベースを。

February 03, 2013

NDAと暴排条項についてのメモ

昼間Twitter上でつぶやいたこと、及び、その後で考えたことをこちらでメモしておく。

暴排条項は、大雑把に言えば、相手が「その筋」の関係者だと分かったら、関係を断ち切ることができるようにするもの、ということになろう。取引基本契約等においてその種の条項が必要であろうということは、一応、納得できる。

ただ、NDAの場合どうか?というと問題があるように思われる。問題のキモは、相手方が「その筋」と判明した場合に、契約を解除して関係を断ち切ればそれで済むのか、というところ。契約関係がなくなって、こちらから開示した情報については、漏洩にしろ目的外使用にしろ好き放題に使えるというのでは本末転倒という感じがする。





それを防ぐため、解除したらこちらから開示した情報について回収または廃棄をすることが必要となるが、そのような経緯で解除に至ったという状況下で、回収または廃棄が適切に行われるかどうかは疑わしい。相手方についてこちらが「その筋」と認定したという点について、相手方がそれを争うことも考えられ、そのような場合に、この種の処理が完全に行われるとは言いがたいのではないか。

そういうわけで、正直NDAについてこの種の条項を入れること については、個人的には疑問に思っている。仮に相手方が「その筋」と事後的に分かった場合は、それ以上の情報開示をせず、かつ、手を切る方法を別途考える というのが無理のない方法ではないのかという気がしている(幸か不幸か、この種の処理をしたことがないので、正確なところはわからないが)。

もっ とも、これは他の方にご指摘をいただいたことではあるが、共同開発などを、NDAだけ締結した状態で(共同開発契約などの交渉が遅れるなどして)行ってい る場合に、相手方が「その筋」と判明した場合に、手を切れるようにするために、この種の条項が機能するという状況は考えられる。そういう物事の進み方自体 が好ましくないのだが、実態としてその種の事態が生じることも理解しているので、そういう状況下では、NDAにその種の条項が入っていることは有用かもしれないということは理解できる。ただ、それだけのためにNDAの雛形にその種の条項を入れることについては、個人的にはやはり違和感が強いのだが…。




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dtk1970 at 20:56│Comments(0)契約法務 

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