昨日の利用規約ナイトで出た話で、気になって調べてみたことを取り急ぎメモしてみる。ググッて出てきたものを貼っただけなんだけど、他にも疑問に持たれた方が居られたようなので、ご参考まで。速報性優先ということで、内容も必ずしも精査していないので、誤解とかしているかもしれず、お気づきの点はご指摘いただけると助かります。


アメリカにおいてソニー?がクラスアクション利用を禁じる旨の利用規約を入れた、というようなお話があったので調べてみた。

Sony Entertainment Networkの利用規約に次のような文言が入っている。すごく長くて全文を読むのは無理だが、17の仲裁に関する規定の中に、クラスアクションを禁じているというか、クラスアクションに加わる権利を放棄することに合意する旨の記載がある。特に下線を引いた辺り(下線はこちらで引いた)がポイントなんだろう。
Class Action Waiver. ANY DISPUTE RESOLUTION PROCEEDINGS, WHETHER IN ARBITRATION OR COURT, WILL BE CONDUCTED ONLY ON AN INDIVIDUAL BASIS AND NOT IN A CLASS OR REPRESENTATIVE ACTION OR AS A NAMED OR UNNAMED MEMBER IN A CLASS, CONSOLIDATED, REPRESENTATIVE OR PRIVATE ATTORNEY GENERAL ACTION, UNLESS BOTH YOU AND THE SONY ENTITY WITH WHICH YOU HAVE A DISPUTE SPECIFICALLY AGREE TO DO SO IN WRITING FOLLOWING INITIATION OF THE ARBITRATION. THIS PROVISION DOES NOT PRECLUDE YOUR PARTICIPATION AS A MEMBER IN A CLASS ACTION FILED ON OR BEFORE AUGUST 20, 2011.
経緯については、こちらの記事を参照。この記事にもあるように、同じセクション17の上記のくだりの前に、利用者はオプトアウトする権利があると次のように書かれている。よって、利用者全員にこの規定を強制するとは限らないようだ。
RIGHT TO OPT OUT OF BINDING ARBITRATION AND CLASS ACTION WAIVER WITHIN 30 DAYS. IF YOU DO NOT WISH TO BE BOUND BY THE BINDING ARBITRATION AND CLASS ACTION WAIVER IN THIS SECTION 17, YOU MUST NOTIFY SNEI IN WRITING WITHIN 30 DAYS OF THE DATE THAT YOU ACCEPT THIS AGREEMENT. YOUR WRITTEN NOTIFICATION MUST BE MAILED TO 6080 CENTER DRIVE, 10TH FLOOR, LOS ANGELES, CA 90045, ATTN: LEGAL DEPARTMENT/ARBITRATION AND MUST INCLUDE: (1) YOUR NAME, (2) YOUR ADDRESS, (3) YOUR SEN FIRST PARTY SERVICES ONLINE ID, IF YOU HAVE ONE, AND (4) A CLEAR STATEMENT THAT YOU DO NOT WISH TO RESOLVE DISPUTES WITH ANY SONY ENTITY THROUGH ARBITRATION.
上記の記事にもあるのだが、この規定が入った背景には連邦最高裁の判例があって、その中でこの種の文言が有効であると判断したというものがあるということ...らしい。

で、その判決は?というとこちら(ドラフト段階のものだったようだが…確定版が見つけられず…orz)。全部読むのはシンドイので、こちらのColumbia Business Law Reviewの記事及びこちらのNYTimesの記事を見てみた。ざっくりと事案を説明すると、クラスアクションへの参加を禁じる仲裁条項が入った約款により無料携帯電話を契約したら、実際は無料でなかったために、同様の「被害」を受けた人とカリフォルニアでクラスアクションを起こそうとしたところ、AT&T側が当該条項に基づき、クラスアクションの進行を否定しようとしたというものらしい。下級審(という言い方が良いのかどうかは疑義が残るが)では、カリフォルニア州最高裁の判例に基づき、当該条項を非良心的としてクラスアクションの進行を認めたが、連邦最高裁は仲裁を促進する連邦仲裁法に基づきその主張を退けたということらしい。これが2011年4月のこと。上記の約款の文言で2011年8月云々というのは、この判決を受けてのことということが分かる。

この判決の詳細は興味深いように思うので、後で読んでみようと思うものの、これ以上は立ち入らない。先のColumbia Business Law Reviewの記事にあるように、この判決のインパクトは相当なものがあったようで、この判決の及ぶ範囲を制限するような動きがすぐに出たみたいだけど、その詳細までは追いきれなかった。

一方で、この判決から1年以上経っているので裁判所の判断で、何か新しい動きが出ているのではないかと思って、googleで期間制限をつけて検索をしたら、連邦控訴審レベルでは、いくつかのケースで、この判決の範囲を制限的に解釈するものが出ている模様(こちらの記事を参照。出てくるケースのうち2nd CircuitのAmex IIIのケースの判決文はこちら)。

ちょっとググっただけだが、ここまで分かるのは凄いもんだと、変に感心するのだが、つらつら見るに、冒頭のクラスアクション放棄条項が実際に争われたときに、どこまで有効なのかは、上記の連邦最高裁判決にも拘わらず、必ずしも明確とは言い切れないのかもしれない。弁護士さんに一度アドバイスをもらったとしても、その「賞味期限」には注意が必要ということになるのではないだろうか。

追記:Amexのケースは連邦最高裁で覆された模様。内容は読んでないがとりあえずメモしておく。解説などはこちらをメモしておく。