January 09, 2013

はじめてのアメリカ法 /樋口 範雄 (著)



気にかかっていた本だけど、買うところまで思いきれず、近所の図書館で借りて読んでみた (どうでもよいが、電子書籍版もあるとのこと)。

アメリカ法入門というと、結局イギリスまで法制史を遡って行って、そもそも、から説き起こすというようなパターンが多く、そういう必然性があるものの、その辺りは、特に関心がない限りは退屈になりがちなのだが、この本ではその辺はばっさり端折って、現代的な事例に基づき、日本法との比較も交えながら、入門の入門、というような解説をしてくれている。退屈にならないように工夫がなされているので、分量も多くないので、USのLLMに行く人が行く前に、というのにも良いだろうし、それに限らず、企業法務の人が英文契約を扱う際に前提となる知識(例えばcommon lawとequityの区別とか)を得るために読むというのにも良いのではないだろうか。





なお、全体をコンパクトに纏めた分、網羅的な入門書という内容にはなっていないので、その辺には注意が必要だろう。例えば、現代的な事象として、取り上げられて然るべきとおもわれるクラスアクションについての解説はなかった。

また、アメリカ法研究者の目から視た日本法批判の部分については、にわかに肯定しにくいところもあり(例えば、判例・裁判例に当事者名をプライバシーの観点から表示しない取り扱いについての批判とか、長らく自分の名前が表示されることそれ自体を嫌がるというのは特に被告になった側については、裁判を忌まわしいものと考えるかどうかとは別の話として、尊重されるべきと思うのだが…)、日本法の研究者の立場からの反論が聴いてみたいと思うところ。




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dtk1970 at 23:43│Comments(0)書籍 | アメリカ法

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